意思主義

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テンプレート:Ambox 意思主義(いししゅぎ)とは、民法上の立法主義に関する法用語の一つで、意思表示における意思主義物権変動における意思主義の二つがある。

意思表示における意思主義

意思表示における意思主義とは、法律行為の際に表示行為から合理的に推測される効果意思と内心の真実の効果意思とが一致しない場合に、内心の効果意思に従うとする立法上または解釈上の立場または手法をいう。表示行為から合理的に推測される効果意思に従う表示主義に対置される。

意思主義を徹底することは、自らの意思によらずして義務を負わないとする私的自治の原則からは望ましいが、表示を信頼した相手方の利益、ひいては取引の安全を害する。反面、表示主義の貫徹は、相手方の信頼を保護し取引の円滑・安全には資するが、ときに人の望まない法律関係の形成を認めることとなる。

私法に関するすべての立法解釈において意思主義と表示主義の調和は重要な問題である。 一般に経済行為において表示主義が強く妥当するとされる。これは、取引の安全が重視される商事の立法と解釈においてとくに顕著である。対して、身分行為について意思主義が強く妥当するものとされる。

物権変動における意思主義

物権変動における意思主義とは、物権変動は当事者間の合意のみによって生ずるとする立法上の立場をいう。当事者の合意のほかに何らかの形式を要求する形式主義に対置される。

意思主義はフランス法において採用され、形式主義はドイツ法で採用されているが、日本の民法第176条は「物権の設定及び移転は、当事者の意思表示のみによって、その効力を生ずる」と意思主義を採用した。

以上のように日本の民法は意思主義を採用しているが、この点については、民法第176条の「意思表示」とは物権的意思表示を指すもので債権的意思表示とは別個に必要とされると解する少数説(物権行為独自性肯定説)もあるが、通説・判例は民法第176条の「意思表示」とは債権的意思表示でありこれによって物権変動も生じるのであり別個の物権的意思表示は不要と解している(物権行為独自性否定説)。

なお、意思主義の下でも例外的に所有権移転等の物権変動が契約成立時に生じない場合(当事者間に特約がある場合、不特定物売買で特定がなされていない場合、他人物売買の場合など)がある点に注意を要する。

関連項目

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