弐瓶勉
テンプレート:Sidebar with collapsible lists 弐瓶勉(にへい つとむ、1971年 - )は日本の漫画家。男性。福島県郡山市出身。代表作に『BLAME!』、『BIOMEGA』など。
概要
1995年にアフタヌーン四季賞夏のコンテストで短編作品の『BLAME』が審査員(谷口ジロー)特別賞を受賞。その後、高橋ツトムの専属アシスタントを5ヶ月ほど経験し、1997年より『月刊アフタヌーン』で長編作品『BLAME!』の連載を開始。この作品は後にOVA化もされている。
ハードSF的な世界観の作品が多いが、特に巨大な建築物と人物を対比させることにより、「スケール感」を表現する手法を多用する。他方で、一般的な漫画作品と比較して台詞が極端に少ない作風のため(『BLAME!』では台詞が全くない回もある)、ストーリーが理解しにくいとの評価もある。それに対して作者自身は「情報は最小限のものを断片的にしか出さず、あとは勝手に想像してもらう方がリアルだと信じている」とインタビューで答えている。2009年から連載を開始した『シドニアの騎士』では、雑誌連載第2話より用語の説明やあらすじを書いたページが用意された。複数の作品において、「東亜重工」という企業名や「奇居子(がうな)」と称される存在を、スターシステム的なガジェットとして使用している。特に「東亜重工」は、自身がデザインしたグッズのロゴや、スタンド花の贈り主名としても利用している[1]。
海外での評価も高く、エンキ・ビラルなどから賞賛を受けている。村上隆によるアート展『「SUPER FLAT」at 渋谷パルコギャラリー』(2000年)にもイラストを出品した。また、単行本『シドニアの騎士』第2巻では椎名誠が帯文を寄せた。
原稿にはミリペン(コピックマルチライナー)と筆ペンを使用(単行本『ABARA』発売時点)。カラー原稿は初期にはアクリルを使っていたが、『BLAME!』中期よりデジタル環境(フォトショップ)に移行した模様[2]。また『BIOMEGA』や『シドニアの騎士』では、作画時の参考資料として登場メカの立体模型を自作している[2]。
シドニアの騎士以降、Twitterのアイコンや自画像にクワガタを使用している。
シドニアの騎士第11巻からは赤松健が提唱している同人マークを赤松以外の著作物では初めて付ける[3]など、常識範囲内の二次創作についても寛容な姿勢を見せている。
作品リスト
長編作品
- BLAME!(1997年 - 2003年、月刊アフタヌーン掲載、講談社) 全10巻
- NOiSE(アフタヌーンシーズン増刊掲載、講談社) 全1巻
- ABARA(2005年 - 2006年、ウルトラジャンプ掲載、集英社) 全2巻(上下巻)
- BIOMEGA(2004年 - 2009年、週刊ヤングマガジン掲載、講談社→ウルトラジャンプ掲載、集英社) 全6巻
- シドニアの騎士(2009年 - 連載中、月刊アフタヌーン掲載、講談社) 既刊13巻(2014年8月時点)
短編作品
- BLAME(月刊アフタヌーン、1995年10月号、講談社) ※単行本『NOiSE』に収録。
- ブラム学園!シリーズ(月刊アフタヌーン、2004年5月号・2007年10月号・2008年5月号、講談社) ※単行本『ブラム学園! アンドソーオン』に収録。既出3話。
- BLAME!2第八系子体プセルの都市構造体脱出記(モーニング増刊マンダラ、2008年、通巻第2号、講談社) ※単行本『ブラム学園! アンドソーオン』に収録。
- DEADHEADS(アフタヌーンシーズン増刊、2002年、通巻第12号、講談社) ※第1話発表の後に掲載誌が休刊。画集『BLAME! and so on』に収録。
- DIGIMORTAL(ウルトラジャンプ、1995年1月号・2月号、集英社) ※単行本『ABARA』下巻に収録。前後編。
- ネットスフィアエンジニア(別冊モーニング、2005年、通巻第4号、講談社) ※第1話発表の後に掲載誌が休刊。単行本『ブラム学園! アンドソーオン』に収録。
- ZEB-NOID(チャンピオンRED、2004年7月号掲載、秋田書店) ※単行本『ブラム学園! アンドソーオン』に収録。
- 戦翅甲蟲 天蛾(ヤングガンガン、2007年第3号、スクウェア・エニックス) ※読み切り作品。単行本『ブラム学園! アンドソーオン』に収録。
- MEGALOMANIA(STUDIO VOICE、2000年、INFASパブリケーションズ) ※連作イラスト。画集『BLAME! and so on』に収録。
- Wolverine: Snikt! (マーベル・コミック、2003年、全5冊)※アメコミ作品『X-メン』『ウルヴァリンシリーズ』のウルヴァリンを主人公にしたスピンオフ作品シリーズ。
- 同人誌『赤い牙』に掲載した短編(サブリナ・アイダホ・沼の神・小包・ポンプ) ※『沼の神』(月刊アフタヌーン2008年10月掲載)および『小包』『ポンプ』(ともに商業誌未掲載)の3作品は、単行本『ブラム学園! アンドソーオン』に収録。
画集
- BLAME! and so on 弐瓶勉画集(2003年、講談社)
その他
- Halo Graphic Novel - マイクロソフト社のPCゲーム『HALO』の世界観を題材とした、さまざまな作家によるグラフィックノベルのオムニバス作品集。メビウスやサイモン・ビズレーなどが参加しており、弐瓶は唯一の日本人作家として参加した。
- BUCK-TICKの新レーベル「Lingua Sounda」のロゴデザインを担当[1]。
書誌情報
- 弐瓶勉『ブラム学園! アンドソーオン 弐瓶勉作品集』〈アフタヌーンKC〉講談社
- 2008年9月22日発売 ISBN 978-4063145311
- 弐瓶勉『BLAME! and so on 弐瓶勉画集』講談社
- 2003年10月23日発売 ISBN 978-4063645286
- 共著『Halo Graphic Novel』Marvel Comics(英語版)
- 2006年8月9日発売 ISBN 978-0785123729