広島電鉄1150形電車
広島電鉄1150形電車(ひろしまでんてつ1150かたでんしゃ)は、1971年に神戸市電(神戸市交通局)より広島電鉄に移籍、在籍中の路面電車車両である。神戸市電時代は神戸市交通局1150形電車を参照。
概要
1971年3月の神戸市電(神戸市交通局)廃止に伴い、最後までツーマンカーとして運用され保存車になった1155号を除く、1150形7両を広島電鉄が購入。
廃止翌日から570形及び1100形の譲受車とともに順次輸送されて整備を行い、一部車両については台車交換を行い、同年11月にワンマンカーとして工事終了車より順次竣工。営業運転を開始した。
運用開始当初は、神戸時代の前乗り中降り方式を、広電方式の中乗り前降り方式に改めた程度で、外部塗装などはそのままで、ほぼ原型を留めた形で運用開始。譲渡当初は1158号だったが、同年12月6日に、欠番を埋めるために1155号に改番された。
1981年に方向幕の電動・大型化が全車に行われた。1983年に三菱電機の直流交流変換駆動方式(三菱MDA方式)CU77A集中型(21,000kcal/h×1)で冷房改造され、全車冷房装置を一基乗せた形状になった。1980年代頃は正面灯周辺に、他車と同様に黄色の菱形の警告マークが書かれたが、90年代頃に消去された。また、その頃は広告電車としても多く使われていた。
しばらくはこの状況で運用されていたが、1997年にプリペイドカードの機械を設置した時、出口が狭いことで乗降に時間がかかることや、他の車両に比べて収容力が劣り、さらにパワー不足であることから廃車対象車種になり、1998年3月に1152号が、1999年5月に1151号が、2000年3月に1155・1157号が、2001年3月に1154号が、2003年3月に1153号が廃車になった。
2001年に事故廃車になった1105号を引き継ぎ、1156号が2代目のハノーバー号になり、保存(予備)車のような形で、1・3・5号系統で朝ラッシュを中心に運用され、残っている。
各車状況
広電時代 車番 |
神戸時代 車番 |
神戸での 竣工 |
広電での 竣工 |
冷房改造 | 廃車 | 備考 |
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1151 | 1151 | 1955年7月 | 1971年11月2日 | 1983年6月30日 | 1999年6月15日 | |
1152 | 1152 | 1983年6月20日 | 1998年3月20日 | |||
1153 | 1153 | 1956年10月 | 1971年11月20日 | 1983年6月30日 | 2003年3月 | |
1154 | 1154 | 1971年11月8日 | 2001年3月9日 | |||
1155 | 1158 | 1983年6月14日 | 2000年3月31日 | 広電移籍時は1158号 | ||
1156 | 1156 | 1971年11月26日 | 1983年6月20日 | 現役 (千田車庫所属) |
2代目ハノーバー電車 | |
1157 | 1157 | 1971年11月20日 | 1983年6月14日 | 2000年3月31日 |
参考文献
- 寺田裕一『ローカル私鉄車両20年 路面電車・中私鉄編』、JTBパブリッシング〈JTBキャンブックス〉ISBN 4-533-04718-1
- 金治勉[神戸市電が走った街今昔』、JTBパブリッシング〈JTBキャンブックス〉 ISBN 4-533-03978-2
- 長船友則『広電が走る街今昔』、JTBパブリッシング〈JTBキャンブックス〉 ISBN 4-533-05986-4
- 飯島巌『私鉄の車両3 広島電鉄』、保育社 ISBN 4-586-53203-3
- 大阪産業大学鉄道研究部『いこま 16 広島電鉄』非売品
- 『鉄道ファン』1989年3月号
- 『広島の路面電車65年』(毎日新聞ニュースサービス社・広島電鉄)