常照院
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テンプレート:日本の寺院 妙光山 常照院（みょうこうざん じょうしょういん）は、佐賀県佐賀市本庄町鹿子にある日蓮宗の仏教寺院。佐賀藩主鍋島家の外戚・重臣であった石井家の菩提寺として知られる。また、当院は戦国時代に石井家の居城であった佐嘉飯盛城の跡とも伝えられる。旧本山は佐賀観照院。親師法縁。
歴史
永享元年（1429年）、肥前国小城郡主千葉家の重臣で、当地の領主であった石井忠國が、本立院日字上人を開山に招聘して、居館内に建立した寺院である。創建当初は、本善寺という寺号であった。忠國の嫡男忠保の代に居館を城塞として整備し、石井家の本拠地となった。忠保の曾孫常延の代の元亀元年（1570年）、城塞を拡張するために、本善寺を集落の南方に移転させたが、天正8年（1580年）に常延の逝去に際して旧地に復した。その後、石井家の屋敷が佐賀城下に移転し、他所へ所領替えとなって当地を去ったことから、寺は一時期衰退した。元和元年（1615年）に至って、佐賀藩初代藩主鍋島勝茂が、外祖父にあたる常延の菩提を弔うため、寺を再興し、鍋島家の祈願所・ 準菩提寺となした。その際、寺号も常延の法名である「常照院殿常祝日教大居士」に因んで常照院と改められた。
逸話
- 佐賀藩祖鍋島直茂が、正室陽泰院を見染めたのはこの地である。寡婦となっていた陽泰院は、父常延の屋敷に戻っていたが、あるとき、龍造寺隆信が凱旋の帰途、石井家の屋敷に立ち寄り、昼食をとった。隆信に随行していた直茂は、昼食の準備をする陽泰院を見つけて、彼女の手際の良さに感服する。「そのような機転の利く女性を室に迎えたい」と一目惚れし、その後、しばしば石井家の屋敷の陽泰院のもとにお忍びで通ったという。ときには、不審者と間違えられ、石井家の家来に追いかけられたといい、そのとき濠を飛び越えて逃げたところ、石井家の家来に斬り付けられ、足の裏に傷を負ったという。この逸話は『葉隠』に記されているが、直茂が飛び越えたとされる濠跡は、周囲の農地および用水路を整地した際に失われているという。
- 陽泰院の命日の際には、藩主の名代として、石井家の者が使者となって当寺に代参するのが慣例となっていた。
史蹟
- 石井常延（佐賀藩祖鍋島直茂正室陽泰院の実父）墓所
- 石井如自（佐賀俳壇の先駆者、第2代藩主鍋島光茂の御歌書役）墓所
- 石井亮一（日本の知的障害者福祉の創始者、滝乃川学園創立者）生家の墓所
- 石井忠躬（蓮池藩執政、第8代藩主鍋島治茂の孫、蓮池藩主鍋島直与四男）墓所
寺宝
- 石井大系図（佐賀藩主鍋島家の外戚石井家の系図）
所在地
佐賀県佐賀市本庄町鹿子1206番地3 （JR長崎本線佐賀駅よりバスで30分）
