インダストリアルデザイナー

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インダストリアルデザイナーとは、工業製品デザインを手がけるデザイナーのこと。工業デザイナーとも呼称される。

概要

狭義には、いわゆる工業製品(具体的には自動車、航空機、船舶、家電製品、医療機器、業務用機器など)の意匠を担当する専門家のこと指すが、インダストリアル(industrial)という言葉が「工業の〜、産業の〜、産業界における〜」という意味の形容詞であるように、産業界に所属して産業に貢献するデザイナーはインダストリアルデザイナーであると言える。工業デザイン以外にも家具パッケージなどを含んだ製品デザインを包括する概念としてプロダクトデザイナーがある。

かつては、大量生産される消費財を意図的に古臭く、時代遅れであるかのように感じさせ、次々と新しい形状の外観を与えて消費のスピードを加速させるためにインダストリアルデザイナーは利用された。

しかし近年においては資源やエネルギーなどの環境問題が深刻化し、産業のありかたそのものが見直されるとともに、インダストリアルデザイナーの役割にも変化が生じはじめた。現在、インダストリアルデザイナーは具体的な製品のデザインを考えるだけでなく、素材の開発や設計に関与し、生産のシステム全体をデザインするようになりつつある。またその製品や商品がどのような価値を生み出し、どのような行為を誘発し、どのような文化を形成し、どのような時代性を築き上げるかということについてもデザインしている。

インダストリアルデザイナーに要求される専門性はより高度に、より広範なものとなっている。一方で、安易に専門性を細分化し、多くの専門家にデザインを分業させることは、デザインの創造性を損なう危険性も考えられる。優秀なインダストリアルデザイナーをいかに養成し、マネージメントするかということが今後の課題であるといえる。

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