多角形
多角形(たかくけい、たかっけい、テンプレート:Lang-en-short)とは、平面上の閉じた単純折れ線、および平面上の閉じた単純折れ線によって囲まれた図形のことを指す。
ここで、
- 折れ線とは複数の線分をその端点でつなぎ合わせてできる曲線を言う。
- 曲線が単純であるとは、曲線が(端点以外では)自己交差しない事を言う。
- 曲線が閉じているとは、長さが有限で端点を持たない事を言う(厳密にいうと、さらにコンパクトでなければならない)。
なお、コンピュータグラフィック分野では多角形のことをポリゴンと称することがある。
用語
- 頂点 : 上で述べられている、線分の端点のこと。
- 辺 : 上で述べられている、線分のこと。
- 面 : 多角形によって囲まれた領域。3. より多角形が閉じていることがわかることから定義できる。
- 内角 : 多角形のある頂点における内角とは、その頂点を端点に持つ二つの辺が作る二つの角のうち、多角形の内部にあるほうをいう。
- 外角 : 多角形のある頂点における外角とは、その頂点を端点に持つ二つの辺のうち一方を延長してできる直線と、もう一方の線分がなす角の事。外角は二つあるが、その大きさは共に等しい。外角の大きさと内角の大きさを加えたものは180度(ラジアン角ではπ)に等しい。各頂点の外角の大きさの総和は、辺の本数に関わらず、常に360度(ラジアン角では2π)である。
- 対角線 : 一つの多角形の二つの頂点を端点に持つ線分のうち多角形の辺ではないものをその多角形の対角線という。
- 正多角形 : 全ての辺の長さが等しく、全ての内角の大きさが等しい多角形。
- 凸多角形 : 全ての内角の大きさが180度未満であるような多角形。全ての対角線が図形の内部を通る多角形と定義してもよい。全ての三角形は凸多角形である。
- 凹多角形 : 少なくとも一つの内角の大きさが180度を超えるような多角形。少なくとも一本の対角線が図形の外部を通る。
n 本の辺を持つ多角形を、n 角形と呼ぶ。ここで n は、n角形となったとき名詞となるので、基本的には漢数字で表記される。(例:「3角形」ではなく「三角形」)。n 角形の内角の総和は、多角形の形状に関わらず(凸であれ凹であれ) <math>(n-2) \times 180^\circ \,</math> である。これはどのような多角形でも、対角線で適当に区切ることで (n-2) 個の三角形に分割できることから導かれる。正 n 角形の内角は全て等しいので、正 n 角形の内角は <math> \frac{n-2}{n} \times 180^\circ \,</math> である。
面積公式
多角形の面積は、頂点の位置ベクトルから外積を用いて計算することができる。 多角形の頂点を反時計回りに並べて、それらの位置ベクトルを<math>\vec{p}_1,\dots,\vec{p}_n</math>とすると、その面積は
- <math>\frac{1}{2} \sum_{k=1}^n \vec{p}_k \times \vec{p}_{k+1}</math>
という式になる。ただし、<math>\vec{p}_{n+1}=\vec{p}_1</math>とする。
この式を使うと凹多角形でも問題なく計算できるが、自己交差を持つなどの特殊な場合には適用できないので注意が必要である。 ちなみに、時計回りの時は負になるだけなので、どちら回りかよく分からないときには全体の絶対値をとればよい。
合同条件
辺の数が同数の二つの多角形 P , P' があるとする。この二つの多角形に対し合同関係が定義できるが、次の条件を満たすとき、二つの多角形は合同である。
- P , P' に関して、それぞれある単純閉路 C , C' が存在して、通った辺の順に、その長さをそれぞれ (l1,l2,…,ln) , (l'1,l'2,…,l'n) とすれば、l1 = l'1 , l2 = l'2 , … , ln = l'n が成り立つ。
- P , P' に関して、それぞれある単純閉路 C , C' が存在して、通った頂点の順に、その対応する角の大きさをそれぞれ (θ1,θ2,…,θn) , (θ'1,θ'2,…,θ'n) とすれば、θ1 = θ'1 , θ2 = θ'2 , … , θn = θ'n が成り立つ。
また、辺の数に関係なく、二つの多角形の面積が等しければ、適当に分割することによって、二つの多角形を合同にすることができる。(ボヤイの定理)
相似条件
辺の数が同数の二つの多角形 P , P' があるとする。この二つの多角形に対し相似関係が定義できるが、次の条件を満たすとき、二つの多角形は相似である。
- P , P' に関して、それぞれある単純閉路 C , C' が存在して、通った辺の順に、その長さをそれぞれ (l1,l2,…,ln) , (l'1,l'2,…,l'n) とすれば、ある定数 k が存在して、l1 = kl'1 , kl2 = kl'2 , … , ln = kl'n が成り立つ。
- P , P' に関して、それぞれある単純閉路 C , C' が存在して、通った頂点の順に、その対応する角の大きさをそれぞれ (θ1,θ2,…,θn) , (θ'1,θ'2,…,θ'n) とすれば、θ1 = θ'1 , θ2 = θ'2 , … , θn = θ'n が成り立つ。