国際連合信託統治理事会
テンプレート:Infobox UN 国際連合信託統治理事会(こくさいれんごうしんたくとうちりじかい、United Nations Trusteeship Council)は、国際連合の主要機関の一つ。
概要
国際連合憲章第13章(第86条 - 第91条)に規定されている。信託とは信用して一定の目的に従って財産の管理・処分を任せることである。
そのために、信託統治理事会とは国際連合を信用して連合国がある地域の財産の管理・処分のあり方を決めるための機関であるといえる。
1994年、最後の信託統治地域であったパラオが独立を果たしたため、ほぼ業務を終了した。今後は、必要がある時に会議が開かれるとされている。
理事会の構成国
信託統治理事会は、
よりなる[2]。
任務と権限
信託統治理事会は、任務遂行にあたって次のことを行うことができるとされている[3]。
- 施政権者の提出する報告を審議すること
- 請願を受理し、かつ、施政権者と協議してこれを審査すること
- 施政権者と協定する時期に、それぞれの信託統治地域の定期視察を行わせること
- 信託統治協定の条項に従って、前記の行動その他の行動をとること
また、信託統治理事会は、各信託統治地域の住民の政治的、経済的、社会的および教育的進歩に関する質問書を作成しなければならないこととされ、各信託統治地域の施政権者は、この質問書に基いて、総会に年次報告を提出しなければならないとされている[4]。
表決
信託統治理事会の各理事国は、1国につき1個の投票権を有し、理事会の決定は、出席し、かつ投票する理事国の多数決によって表決される[5]。
デザイン
信託統治理事会は、デンマークの建築家「フィン・ユール」により設計された。フィン・ユールは主に家具デザイナーとして知られるが、家具と空間の相互作用を熟知する建築家としても評価された先駆者であった。またデザイナーとして、デンマークのデザインの変革期において重要な役割を果たした。1940年代には、ユールの製作したいくつかの家具により、デンマークはデザイン分野の先進国とみなされるようになり、1950年代にはニューヨーク国連本部の信託統治理事会会議場(Trusteeship Council Chamber)を設計してアメリカにおいて名声を得た。会議場は全体としての完成度が有名な作品であり、色鮮やかな天井の照明、カーテン、壁板、カーペット、ランプ、椅子まで、全てフィン・ユール自身がデザインしたものである。
その他
信託統治理事会は、議長を選定する方法を含むその手続規則を採択し、理事会は、その規則に従って必要があるときにひらかれる。また、この規則は、理事国の過半数の要請による会議招集の規定を含まなければならないとしている[6]。また、信託統治理事会は、必要な場合には、経済社会理事会や国連の専門機関がそれぞれ関係している事項について、両者の援助を利用することができるものとされている[7]。