和田岬砲台
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和田岬砲台(わだみさきほうだい)は神戸市兵庫区にある砲台跡。国指定の史跡である。
和田岬の先端近く、三菱重工業敷地内に残る。勝海舟の設計で1863年(文久3年)着工、1864年(元治元年)完成。工費二万五千両。当時徳川幕府は同時に神戸の川崎、舞子と和田岬、西宮の香櫨園と今津、淡路島の松帆に同型の砲台を建設したが、現存するのは和田岬と香櫨園(西宮砲台)のみ。実戦には使用せずに終わる。 「臼砲台」「石堡塔」と呼ばれていた。
現在は三菱重工業神戸造船所内にあるため、一般公開時以外は予約が必要である。なお現在は改修工事のため見学が中止されている(改修期間2009年12月1日~2014年3月31日)。
歴史
- 1863年(文久3年) 勝海舟の設計により徳川幕府が建設、灘の嘉納次郎作が工事請負、着工。
- 1864年(元治元年) 完成。
- 1921年(大正11年) 兵庫県史跡第1号に指定[1]。
- 1925年(大正15年) 屋根及び内部の大修理実施。
- 2009年(平成21年) 内部・外部周辺大修理[2]。
構造
外郭部は塩飽諸島の御影石による石造、内部は神戸布引・鉄拐山のケヤキ材を使用した木造2階建て。当時は周囲に星型土塁が築かれていた。また内部には砲身冷却用の井戸がある。高さは約6間、周囲約21間。