反分裂国家法
テンプレート:Infobox テンプレート:中華圏の事物 反分裂国家法(はんぶんれつこっかほう)は、台湾海峡両岸関係に関する中華人民共和国の法律。
一般に日本では反国家分裂法として知られており、英語では“Anti-secession law”と訳される。この英訳は、アメリカ合衆国民に南北戦争のイメージを連想させるために用いられた。そのため、台湾政府(中華民国行政院大陸委員会)は“Anti-Separation Law”と訳している。
2005年3月14日、第10期全国人民代表大会第3回大会で採択され[1]、採択後、直ちに施行された。
内容
法律は10条よりなる簡単な条文であるが、台湾が独立を宣言した場合、台湾独立派分子に対する「非平和的手段」を取ることを合法化しており[2]、各方面で論議を呼んだ。
法律は「一つの中国」の原則を掲げ、三通(郵便、交通、通商の直通)を進めることにより中国と台湾の両岸関係の促進を唱い、第7条では台湾の平和的統一の段階を明示しているが、第8条でもし台湾独立分子が台湾を中国から分裂させる重大な事態になれば、非平和的手段を取ることもあると警告している。これは台湾の陳水扁政権が目指している台湾新憲法制定や国号改称など台湾独立色の強い政策をさすものと受け取られている。
影響
これに対し、台湾側は台湾は一度も中華人民共和国の一部であったことはなく、また、国家分裂法が台湾に対する武力行使を規定した事に反発を強めた。3月26日には反国家分裂法に反対して中華民国総統陳水扁が呼びかけ[3]、120万人が参加したデモが与党民進党の主催により台北市内で行われ、総統陳水扁、前総統李登輝や行政院長謝長廷らも参加した[4]。
3月28日には、日本を訪問中のリチャード・ギアが記者会見の場で突然、反国家分裂法に反対するメッセージを述べた[5]。
翌2006年、台湾は反分裂国家法が四つのノー、一つのないの前提条件を消失されたことを理由に、国家統一綱領と国家統一委員会を終止させた。
脚注
関連項目
外部リンク
- 反国家分裂法(全文) - 中華人民共和国駐日本国大使館