加藤治郎 (歌人)
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加藤 治郎(かとう じろう、1959年11月15日 - )は、日本の歌人。歌誌「未来」選者。
人物
岡井隆に師事し、アララギから前衛短歌への流れを消化したうえで、「口語は前衛短歌の最後のプログラム」と宣言。口語短歌の改革者として意欲的な試みに取り組み、「ニューウェーブ」の旗手と称せられるようになる。若手歌人のプロデューサー的役割を担うことも多く、現代短歌における最重要人物の一人といえる。
「未来」の選歌欄「彗星集」には若手が多く、門下に笹井宏之、柳澤美晴、野口あや子、佐藤羽美、天道なおなどがいる。
年譜
- 1959年11月15日:愛知県名古屋市緑区鳴海町に生まれる。
- 1978年:愛知教育大学附属高等学校を卒業。
- 1982年:早稲田大学教育学部を卒業。富士ゼロックス株式会社に入社。システムエンジニアを経て、環境マネジメントに携わる。
- 1983年:未来短歌会に入会し、岡井隆に師事。
- 1986年:「スモール・トーク」で第29回短歌研究新人賞。
- 1988年:『サニー・サイド・アップ』で第32回現代歌人協会賞(同時受賞は俵万智『サラダ記念日』)。
- 1998年:荻原裕幸・穂村弘とエスツー・プロジェクトを結成。
- 1999年:『昏睡のパラダイス』で第4回寺山修司短歌賞。
- 2001年:オンデマンド印刷形式の歌集出版レーベル「歌葉」を創設。
- 2001年:「短歌研究」にて「うたう☆クラブ」担当。
- 2003年:「未来」加藤治郎選歌欄彗星集はじまる。
- 2003年:前川佐美雄賞選考委員就任。
- 2005年:毎日歌壇選者就任。
- 2009年:NHK短歌選者就任。短歌研究新人賞選考委員就任。
- 2012年:『しんきろう』で第3回中日短歌大賞。
- 2014年:東海歌壇(朝日新聞愛知版)選者就任。
著作
歌集
- 『サニー・サイド・アップ』(雁書館、1988年)
- 『マイ・ロマンサー』(雁書館、1991年)
- 『ハレアカラ』(砂子屋書房、1994年)
- 『昏睡のパラダイス』(砂子屋書房、1998年)
- 選集『イージーパイ』(bookpark、2001年)
- 『ニュー・エクリプス』(砂子屋書房、2003年)
- 『加藤治郎歌集』(砂子屋書房、2004年)
- 『環状線のモンスター』(角川書店、2006年)
- 『雨の日の回顧展』(短歌研究社、2008年)
- 『しんきろう』(砂子屋書房、2012年)
歌書
- 『TKO(テクニカル・ノックアウト) 現代短歌の試み』(五柳書院、1995年)
- 『うたう☆クラブ・セレクション』(短歌研究社、2005年)
- 『短歌レトリック入門』(風媒社、2005年)
- 『短歌のドア 現代短歌入門』(角川学芸出版、2013年)
エッセイ
- 『うたびとの日々』(書肆侃侃房、2012年)