再生サイクル

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再生サイクル(さいせいサイクル)は、非可逆熱サイクルの一種で、ランキンサイクルの断熱膨張の途中の抽気で給水の過熱を行って、復水器での放熱量を減少させ、熱効率を向上させた蒸気タービン理論サイクルである。

サイクル

2段抽気の場合を記述すると。

1 温度T1-給水ポンプでP1からP2まで加圧→2 温度T2

2 温度T2

→温度Te2の蒸気m2で給水を加熱→温度Tf2

→温度Te1の蒸気m1で給水を加熱→温度Tf1

→蒸気ボイラでQ1の熱を吸熱→3 温度T3

3 温度T3タービンで断熱膨張

→e1 温度Te1 で m1の蒸気を抽気

→e2 温度Te2 で m2の蒸気を抽気→4 温度T4

4 温度T4-Q2の熱を復水器で放熱→1 温度T1

理論熱効率

WP = (1 - m1 - m2) (h2 - h1)

WT = h3 - { h4 - m1 ( he1 - h4 ) - m2 ( he2 - h4 )}

W = WT - WP = h3 - h4 + m1 ( he1 - h4 ) + m2 ( he2 - h4) - (1 - m1 - m2) (h2 - h1)

Q1 = h3 - hf1

Q2 = ( 1 - m1 - m2 )( h4 - h1 )

ηth = W/Q1 = { h3 - h4 + m1 ( he1 - h4 ) + m2 ( he2 - h4) - WP } / (h3 - hf1)

給水ポンプの消費する仕事を無視すると

ηth = {h3 - h4 + m1 ( he1 - h4 ) + m2 ( he2 - h4)} / (h3 - hf1)

よって、n段抽気の場合を記述すると。

<math>\eta_{th} = \frac{ (h_3 -h_4) - \sum_{i=1}^n m_i (h_{ei} -h_4 )}{h_3 - h_{f1}} </math>

ηth : 理論熱効率 W : 有効仕事 WT : タービンのする仕事 WP : 給水ポンプの消費する仕事 h : 気体のエンタルピー T : 絶対温度 P : 気体の圧力