中村里美
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
テンプレート:Sidebar with collapsible lists 中村 里美(なかむら さとみ、1月26日 - )は、主にテレビゲームに関する4コマ漫画、オリジナル作品などを手がけている漫画家兼イラストレーターである。岐阜県出身。「中村里美」は本名で、夫は同業のなかむら治彦だが、なかむらの日記などの言動からは2004年頃に離婚したとも受け取れる。
自身の名前を縮める際の呼称は「なかみん」。代表作は4コマまんが王国の「ピーチ姫シリーズ」など。
ささいみりかとの同一人物説がある。
作者の変遷
- 双葉社が刊行しているゲームコミック「4コマまんが王国」シリーズで1991年から2001年ごろまで多数の漫画を描いている。同シリーズの編集部においても主力作家とみなされていたとみられる。
- 4コマまんが王国のマリオシリーズ系4コマ漫画では、独特のキャラクター性をもったピーチ姫を中心に漫画を描いたいわゆる「ピーチ姫シリーズ」が人気を集めた。こうした完全オリジナルストーリーものは1996年末頃に姿を消したが、この後の中村里美のマリオ4コマもピーチ姫が前面に出たものとなっている。しかしそのネタ自体は題材となるゲームソフトに忠実となった。
- 4コマまんが王国での最後の漫画は「マリオパーティ3 4コマまんが王国」の「スター★トリック3」と思われる。これ以降同レーベルへの掲載は確認されていない。
- それ以降は一部のポケットモンスター系の出版物にイラスト担当として名前を連ねている。
- 2002年10月13日に自身のサイト「中村里美HP・うらなか!」を閉鎖している。
特徴
- 淡白な絵と内容が特徴。余分すぎる描き込みが少ないためあっさりしている。一見守備範囲が狭そうな印象を受けるものの、星のカービィからストリートファイターIIに至るまで、4コマまんが王国ではあらゆるゲームの漫画を描いていたことより、オールラウンドさも兼ね揃えているようだ。
「ピーチ姫シリーズ」の世界
概要
- いわゆる「ピーチ姫シリーズ(これは仮称であり、公式の呼称はない)」は、スーパーマリオ系の4コマまんが王国出版物で中村里美が連載した、ピーチ姫が主人公となって活躍する内容のマリオ4コマ漫画ほぼ全般をさす。中村里美の知名度と人気を高めた作品群である。4コマまんが王国で連載され、森田屋すひろの「ファイアパックンシリーズ」と並ぶ人気を集めた。独自のキャラクター性をもったピーチ姫を中心に展開される内容で、原作のスーパーマリオの設定とはほとんど関連性の無いオリジナルストーリーが多くを占めているが、原作に忠実な作品も少なくない。
- このシリーズ最大の特徴の完全オリジナルストーリーは、スーパーマリオ64 4コマまんが王国1の「3Dマリオと2Dピーチ」からほぼ姿を消した。
- この「ピーチ姫シリーズ」は2001年の「マリオパーティ3 4コマまんが王国」まで続いた。
作品リスト
- スーパーマリオ4コマまんが王国4~7
- スーパーマリマリUSA ※カラーページ
- スーマリコネクション
- 愛あるマリオカート
- ワンダとワリオと優しい奴ら
- ピーチ姫救出作戦!!
- 家出のキノッピー
- ピーチ姫のわすれもの
- ハッピーバースディマリオ
- ピーチ姫と7人の王様
- コインでパニック!
- チェンジだ!!ピーチ姫
- ピーチ姫とキノコの山
- マリオとマリオ?
- ピーチ・おん・ざ・ビーチ
- ピーチ姫とお手伝いさん
- スーパーマリオ64 4コマまんが王国1・2
- 3Dマリオと2Dピーチ
- 3Dマリオと3Dピーチ
- マリオパーティ 4コマまんが王国
- スター★トリック
- マリオパーティ2 4コマまんが王国
- スター★トリック2
- マリオパーティ3 4コマまんが王国
- スター★トリック3
主な登場人物
注意:ここで挙げられるキャラクターは、原作のスーパーマリオの設定・世界観とは大きく異なるパロディ設定である。原作キャラクターとの繋がりなどは一切ない。
- ピーチ姫
- このシリーズの主人公。性格に天然ボケが入っており、危ないことにも容赦なく行動したりして周りをハラハラさせる。マリオやキノピオだけでなくクッパも手を焼いており、姫の手によって何度も命の危険に遭う(クッパにかまってもらうために毒キノコをくりぬいて作った服をクッパに着させたため、マリオが助けに来る前にクッパをダウンさせてしまう)。キャラクターにあだ名を付けることが得意。なお第一作目「スーパーマリマリUSA」と後期の「スター★トリック」3作を除き、鼻が描かれていない。
- キノピオ
- ピーチ姫の従者の少年。ピーチ姫の趣味やトラブルに真っ先に付き合わされる。頭にかぶっているかさは帽子状で取り外すことができるが、本物のキノコであり、胞子を放って増えることや、植物のように地面に根をはることがある。かさの下には髪の毛がない。一度、ピーチ姫に「チンコロ」というあだ名をつけられて家出したことがあるが、それ以降、そのあだ名で呼ばれたことはない。
- マリマリ(マリオ)
- クッパにさらわれてばかりのピーチ姫を救うヒーロー、のはずなのだが、クッパよりも姫が起こす数々のトラブルに手を焼いている。「マリマリ」はピーチ姫がつけたあだ名。
- イジイジ(ルイージ)
- マリオの双子の弟。「イジイジ」はピーチ姫がつけたあだ名。マリオより陰気で、「イジける」ことが多い。マリオよりも姫に好意的。自分増やし(1UP)にこだわっている。
- ヨッシー
- マリオの仲間のスーパードラゴン。マリオやクッパたちと違い、ピーチ姫によって酷い目に遭わされることは無いが、「スター★トリック2」では蜂の大群から逃げ延びた後、現在のトップで1位になっている事に喜んでいるところを隠れていた蜂に舌を刺された。また、最終作「スター★トリック3」では、ピーチ姫がおやつにとっていたケーキを盗み食いしたほか、ピーチ姫のお助けキャラのワンワンに怯えたキノピオに「一生雇って」とお願いされた。
- ゴツゴツ(ワリオ)
- 自称・マリオのライバル。「ゴツゴツ」はピーチ姫がつけたあだ名。「ワンダとワリオと優しい奴ら」で初登場後、早速姫に遊ばれてしまう。また、「スター★トリック3」では、ピーチ姫がおやつに取っていたケーキを盗み食いした犯人として疑われ、体をレントゲンで照らされ、「てめぇオレを疑ってるな!?」と怒った(事実上、ケーキを盗み食いした犯人はヨッシーであるが…)。
- クッパ
- カメの国の大魔王。毎回ピーチ姫をさらいながらも、姫の手によって何度も命の危険に遭ってしまう。子クッパ七人衆の父親でもあり、ピーチ姫がクッパの家庭に溶け込むこともしばしばある。一人称は「ワガハイ」。
- マムー
- スーパーマリオUSAの最終ボスの大ガエル。クッパの知り合いとしてクッパ城に来たりしている。が、USAではピーチ姫がマリオ達と同じくプレイヤーキャラクターであるということもあり、クッパと同じく姫の手によって何度も命の危険に遭ってしまう。野菜が苦手。
- 王様
- スーパーマリオブラザーズ3に登場する各ワールドの七人の王様。魔法の杖を持っていなければ動物になってしまう。FC版(漫画の前期)とSFC版(中・後期)では動物時のグラフィックが異なる。ワールド1の王様(犬、またはヘビ)がピーチ姫の父親という設定で(ゲームでは、ピーチ姫が治める「キノコ王国」とは別の「草原の国」の王であり、ピーチ姫と血縁関係はない)、登場回数が最も多い。やはり姫に遊ばれてしまう。ピーチ姫の城に七人全員が集合し、「弱肉強食の世界」を繰り広げたことがある。
- ワンダ
- 森に住む妖精の少女。「ワンダとワリオと優しい奴ら」で初登場後、早速姫に倒され、袋(ゴミ袋?)に入れられてしまう。本来はマリオ達を導く存在だが、この漫画ではピーチ姫達と一緒に森で迷子になってしまった。
- キノキオ
- ミニゲームの実を売っている木で「スター★トリック2」のみ登場。ピーチ姫の提案でマリオ達からからかわれたり、ワリオに枝切りバサミで刈られそうになるなど悲惨な目に遭った。
- デイジー
- 最後の作品「スター★トリック3」のみ登場。中村里美のマリオ4コマ漫画でデイジーが登場するのはこの作品のみである。最盛期とは異なり完全なオリジナルストーリーはほぼ姿を消しているため、ピーチ姫によって酷い目に遭わされるようなことはなく、また独自の設定も多くは加味されていない。逆にピーチとデイジーが揃ってほのぼのしたコラボレーションネタをするなど、このシリーズ全体の中ではとても珍しい描かれ方がなされている。また、暗算が苦手で、電卓を使わないと計算できない。
- イジワル(ワルイージ)
- 最後の作品「スター★トリック3」のみ登場。中村里美のマリオ4コマ漫画でワルイージが登場するのはこの作品のみである。ピーチ姫によって縛られ、木馬のニンジン代わりという酷い扱いを受ける。「イジワル」はピーチ姫がつけたあだ名だが、このあだ名に対し本人曰く「ストレートな間違え方すんなよ…」。