三島霜川
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
三島 霜川(みしま そうせん、1876年7月30日 - 1934年3月7日)は、日本の作家、演劇評論家。
富山県中田町(現:高岡市)に漢方医の長男として生れる。本名、才二。
家業を継がせようという父の意に反し上京。22歳の時、出世作『埋れ井戸』を発表。1907年に発表した『解剖室』と『平民の娘』が好評で迎えられ、中堅作家としての地位を得た。
ところが次回作として期待された『虚無』の手ひどい不評を契機に、創作活動は急速に衰え、文壇の圏外へと脱落した。
以来彼の活動は、家庭小説など通俗小説、児童向け歴史もの、『演藝畫報』に寄せる劇評や感想に移り、同誌に数年にわたって連載された『大正役者藝風記』は、没後中央公論社から出版され、名著と称えられた。 ほかに千山楼主人の筆名を用い、また三島才二の本名で芸能関係の古典籍を編纂した。
著書
- 自由結婚 徳田秋声共著 駸々堂 1902
- 軍人の家庭 岡鬼太郎共編 隆文館 1904
- 日露激戦鴨緑江 金港堂 1904
- 妙な女 家庭小説 大学館 1907
- 野分 家庭小説 千山楼主人 大学館 1908
- 毘沙門丸 伝奇小説 千山楼主人 大学館 1908
- 女の野心 大学館 1908
- 華族の娘 家庭小説 大学館 1908
- 家庭の波 家庭小説 大学館 1908
- 月島丸の行衛 探検小説 成功雑誌社 1908
- 不運の娘 家庭小説 大学館 1908
- 不思議の池 心理小説 大学館 1908
- ハイカラ(お伽噺十人十色) 金港堂書籍 1908.12
- 花の御殿(お伽小説 隆文館 1909
- ゆきちがい 島之内同盟館 1911
- 令嬢奈美子 大学館 1911
- 太閤秀吉 金の星社 (世界少年少女偉人伝大系) 1926
- 大楠公 金の星社 (世界少年少女偉人伝大系) 1926
- 源義経 日本歴史実伝物語叢書 1 金の星社 1927
- 曽我兄弟 日本歴史実伝物語叢書 2 金の星社 1927
- 赤穂四十七士 日本歴史実伝物語叢書 3 金の星社 1927
- 小楠公 日本歴史実伝物語叢書 4 金の星社 1927
- 信玄と謙信 日本歴史実伝物語叢書 5 金の星社 1927
- 維新哀史 彰義隊と白虎隊 日本歴史実伝物語叢書 6 金の星社 1927
- 関ケ原大合戦 日本歴史実伝物語叢書 7 金の星社 1927
- 新田義貞 南朝哀史 日本歴史実伝物語叢書 8 金の星社 1928
- 八幡太郎義家 日本歴史実伝物語叢書 9 金の星社 1928
- 西郷隆盛 日本歴史実伝物語叢書 金の星社 1928.10
- 少年太閤記 金の星社 1929
- 少年八犬伝 曲亭馬琴原作 金の星社 1929
- 少年膝栗毛 十返舎一九原作 金の星社 1930
- 少年水滸伝 金の星社 1930
- 少年日本外史 源平の巻 頼山陽原作 金の星社 1935
- 少年日本外史 南北朝の巻 金の星社 1935
- 役者芸風記 中央公論社 1935.4
- 三島霜川選集 上巻 三島霜川選集刊行会 1979.4