三つ子素数
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三つ子素数(みつごそすう、prime triplet)もしくは三つ組素数とは、(p, p + 2, p + 6) または (p, p + 4, p + 6) の形をした、素数の三つ組のことである。
概要
三つ子素数は双子素数、いとこ素数、セクシー素数を含む。なお、双子素数が「(p, p + 2) の形をした素数のペア」と定義されるのに対し、三つ子素数を「(p, p + 2, p + 4) の形をした素数の三つ組」と定義しないのは、その中に必ず 3 の倍数を含むからである。このような定義にすると (3, 5, 7) しか存在しないことになる。
三つ子素数を小さな方から並べると、次のようになる。
- (5, 7, 11), (7, 11, 13), (11, 13, 17), (13, 17, 19), (17, 19, 23), (37, 41, 43), (41, 43, 47), (67, 71, 73), (97, 101, 103), …
三つ組の中で最小の素数のみを並べると、
- 5, 7, 11, 13, 17, 37, 41, 67, 97, 101, 103, 107, 191, 193, 223, 227, 277, 307, 311, 347, 457, 461, 613, 641, 821, 823, 853, 857, 877, 881, 1087, …(テンプレート:OEIS)
である。このうち、(p, p + 2, p + 6) のタイプのものは
- 5, 11, 17, 41, 101, 107, 191, 227, 311, 347, 461, 641, 821, 857, 881, … (テンプレート:OEIS2C)
であり、(p, p + 4, p + 6) のタイプのものは
- 7, 13, 37, 67, 97, 103, 193, 223, 277, 307, 457, 613, 823, 853, 877, 1087, … (テンプレート:OEIS2C)
である。
予想
三つ子素数は無数に存在すると予想されている。ハーディとリトルウッドはより詳細な予想を立てており、それによると、x 未満の (p, p + 2, p + 6) の形の三つ子素数、(p, p + 4, p + 6) の形の三つ子素数のそれぞれの個数はおよそ
- <math>\frac{9}{2} \prod_{p \ge 5} \frac{p^2(p-3)}{(p-1)^3} \int_2^x \frac{dt}{(\log t)^3} \approx 2.858248596 \int_2^x \frac{dt}{(\log t)^3}</math>
であるらしい。100,000,000 未満の三つ子素数の個数は、それぞれ 55,600 と 55,556 であり、上記推定値は 55,490 である[1]。
2009年1月の時点で知られている最大の三つ子素数は、2072644824759 × 233333 - 1, 2072644824759 × 233333 + 1, 2072644824759 × 233333 + 5 である[2]。
脚注
- ↑ テンプレート:仮リンク, The Prime Glossary: prime triple.
- ↑ Prime Pages, The Top Twenty: Triplet.
参考文献
- Chris K. Caldwell 著、SOJIN 訳『素数大百科』共立出版、2004年 ISBN 978-4320017597