ヴィシソワーズ
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ヴィシソワーズ(テンプレート:Lang-en-short、テンプレート:Lang-fr-short)は、冷たいポロネギ風味のジャガイモのポタージュ。
バターでポロネギとじゃがいもを炒めてからブイヨンを加えて煮、裏ごしして生クリームで伸ばし、冷やす。フランス語の名称は「ヴィシー風冷製クリームスープ」の意。このスープを考案したのはニューヨークのザ・リッツ・カールトンのシェフであったルイ・ディア(Louis Diat)で、フランスのヴィシー出身だったためにこの名を付けた。
ルイ・ディアは自著『Cooking à la Ritz』において、母が作ったジャガイモとポロネギのスープ「ポタージュ・ボンヌ・ファム(Potage Bonne Femme)」に夏の暑い日、冷たい牛乳を入れてもらった記憶からヴィシソワーズの発想を得たと書いている。1917年6月、ザ・リッツ・カールトンの屋上レストラン「ルーフ・ガーデン(Roof Garden)」のオープンに合わせて導入したメニューだという。
1941年、親ナチス・ドイツであったフランスのヴィシー政権に反対するアメリカ人のシェフ達が、ヴィシソワーズをクレーム・ゴロワーズ(Crème Gauloise、ガリア風クリームスープの意。この場合のガリアはフランスを指す)と改名したが、アメリカ国内ではヴィシソワーズとして既によく知られていたため、この名称は定着しなかった。
20世紀のアメリカ合衆国で創られたスープの中では、最も有名なものの一つである。
参考文献
Jean Anderson. American Century Cookbook. Potter, New York, 1997.