ロディニア大陸
ロディニア大陸(ロディニアたいりく)とは、プレートテクトニクス理論において、約10億 - 7億年前に誕生し、約6億年前に分裂したと考えられている超大陸である。「ロディニア」という名前はマーク・マクメナミンによって1987年に考案され、1990年に発表された[1]。これはロシア語で「故郷」を意味する単語の「ロージナ」(родина, rodina)に由来し[2]、エディアカラ生物群がこの大陸の周辺で進化したことを表している。
概要
20世紀後半の研究の進歩により、過去の大陸移動の様子が詳しくわかってくると、パンゲア大陸以前にも、超大陸が存在したことが分かってきた。ロディニア大陸はグレンヴィル造山運動によって形成されたと考えられているが、その時期については研究者の間でもまだ見解が一致していない。1991年、ポール・ホフマンがアメリカの科学雑誌『サイエンス』にロディニア大陸の主要は配置について発表した[3]。 ロディニア大陸は、パンゲア大陸が形成された地域からほぼ正反対の、現在の太平洋地域に、やや南半球寄りに形成されたと考えられている。ロディニア大陸があった時代に全球凍結が起きたという説があるが、その原因のひとつは当時ほとんどすべての陸地が低緯度にあり、南北両極ともに海だったことだという(陸地は海よりも熱の反射率が高く、赤道近くに陸地が多いほど太陽エネルギー吸収の効率を下げることになる)。
ロディニア大陸が分裂した後は、ゴンドワナ大陸と呼ばれるかなり大きな大陸と、シベリア大陸、ローレンシア大陸、バルティカ大陸と呼ばれる小さな大陸へと分裂したと考えられている。
21世紀初頭では、ロディニア大陸よりもさらに前の超大陸として、約10億年前に存在したパノティア大陸の存在が指摘されている。あるいは約10億年前に存在した超大陸をロディニア大陸、約7億年前に存在した超大陸をパノティア大陸と呼ぶこともある。
脚注
- ↑ 妻のダイアナと共著で書いた『動物の出現 -カンブリア紀の大躍進-』という本で発表した。(テッド・ニールド 2008年 216ページ)
- ↑ 「ロディニア」という名はロシア語で一族、親戚を意味する名詞であり、「~を生む」という意味の動詞ロディツに由来し、ロディツが元になってロディナ(生誕の地、母国の意味)ができた。(テッド・ニールド 2008年 216ページ)
- ↑ テッド・ニールド 2008年 231ページ