レボリューション9
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「レヴォリューション9」(Revolution 9)は、ザ・ビートルズの楽曲である。
解説
本作は1968年に発表されたザ・ビートルズのアルバム『ザ・ビートルズ』、通称ホワイト・アルバムに収録された曲のひとつで唯一のミュージック・コンクレート。演奏時間8分21秒[1]であり、ビートルズの公式発表曲の中で最も長い楽曲である。 この曲のベースは「レヴォリューション」(アップ・テンポのヴァージョンが「レヴォリューション」としてアルバムに先行して発表されたため、アルバム収録時に「レヴォリューション1」に改題)の12分に及ぶ第18テイクの後半部分(アルバム収録時にカットされた)に英国EMIのライブラリーから起こした「ナンバー9」というナレーションとジョン、オノ・ヨーコ、ジョージ・ハリスンのしゃべり声、いろいろな雑音や効果音、テープを逆回転させた音などを重ねて録音したもの[2]で、ジョン曰く「革命を絵にしたもの」だという。「9」の由来はジョンの誕生日、10月9日から。
「レヴォリューション9」の前の会話
「レヴォリューション9」の前にジョージ・マーティンとアリステア・テイラー(アップル社のオフィス・マネージャー)の会話が入る。
- "I'd bught you a little claret for you I'd realized."
- "Well, do next time."
- "I've forgotten all about it,George. I'm sorry, will you forgive me?"
- "Yes, you bitch."
CDのインデックスでは「レヴォリューション9」に含まれている。
補足
- 「レボリューション9」等と表記される場合もある。wikipediaの本項目もそれにならう。また、アメリカのレコードには「Revolution No.9」とも表記されていた時もあった。
- レヴォリューション9ではポールとリンゴはレコーディングに参加していない[3]。そのため、収録を控えるべきだという意見もあり、収録するべきか否かをめぐって、議論があったと言われている。リリース直前には、最終的にはジョンの発言が通り、収録されることになった。[2]
- プロデューサーのジョージ・マーティンは「マーティンもアルバムから外したがっていた」[2]という通説を「全く違う。それどころか私はジョンと非常に熱心にこの曲に取り組んだんだ。あれは2人で作り上げた音景だ」と否定している。
- この曲は譜面化するのが困難なため多くの楽譜本等は取り上げていない。
- パリ・コレクションにも参加しているファッションブランド、NUMBER(N)INEの名前の由来はこの曲である。
- かつて存在していたビデオカードメーカー、Number Nine Visual Technologyの名もこの曲に由来している。社名だけではなく、同社製品の名称はビートルズの楽曲に由来しているものが多い。
- NACK5の生放送番組ファンキーフライデーの『9時間目』のコーナーにて、この曲のオープニングで「ナンバーナイン」と繰り返すナレーションがジングルとして使用されている。
- 1994年10月31日、フィッシュがニューヨークで『ホワイト・アルバム』を丸ごとカヴァーするライヴを行い、この曲も生演奏された。さすがに完全再現は無理で、ピアノ伴奏に乗せた奇声やナレーションを、4分にわたって繰り広げるという珍品。2002年、4枚組の発掘ライヴ盤『LIVE PHISH 13 10.31.94』で、この模様がCD化されている。
- 金城一紀が1998年に書いた小説「レヴォリューションNo.3」の題名は、この曲からとられている。
外部リンク
- A minute-by-minute summary of the piece
- A detailed analysis of Revolution 9
- Certain clips of the song can be played and looped here
- A Recording of Revolution 9 played backwards
- Lyrics
- 訳詞