レプラカーン (聖戦士ダンバイン)

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レプラカーン (Leprechaun)は、アニメ『聖戦士ダンバイン』に登場する架空の兵器。オーラバトラーの一種。名前の由来はアイルランドの妖精レプラコーン

機体解説

テンプレート:機動兵器

ビランビーの武装強化型として設計された機体で火力の向上が図られており、多くの内蔵火器を搭載している。しかし、その代償として装甲やオーラ・マルス(筋繊維)が簡素化されたことによりパワーと機動性が低下したため、総合的なバランスが悪く大量生産には至らなかった(ただし、第25話でダンバインと格闘戦を演じたバーン・バニングスは「レプラカーンには力がある!」と発言している)。機体色は赤橙色。当初は設計者のショット・ウェポンが自らの私兵用として、ドレイク・ルフトにも秘密裏に開発を行っていた経緯がある(後に軍に制式採用)。

武装は右前腕部にフレイ・ボム(火焔砲)1門、左前腕部にオーラ・ソードを収納する固定式の盾(オーラ・ショット1門とワイヤー付連装ショット・クロー1基を内蔵)。股間部にボールマウント式単装オーラ・キャノン1門。オーラ・コンバーター部に連装オーラ・バルカン2基。両足首の装甲内に有線ミサイル式手榴弾(グリネイド)を1個ずつ装備する。さらに、頭部にもオーラ・バルカンが2門存在し、その牙も接近戦の際は武器として使用可能である。まさに全身が武器の塊であり、ドレイク軍で採用されたオーラ・バトラーのほとんどの兵装が内蔵されていたが、個々の威力・出力は低めとなっていた(ただし、本機固有の装備であるグリネイドに関しては、1個でオーラ・バトラーを完全破壊できるだけの威力をもっている)。

試作段階では、ドレイク軍攻撃隊長の地位を追われショットの私兵となっていたバーンが実用テストを兼ねて搭乗。これまでの雪辱を果たすべくショウ・ザマに挑みダンバインと戦ったが、新型である本機の力をもってしても打ち破ることはできなかった(第20話では、ダンバインによってコンバーターの片側を失い敗走の憂き目に遭ったが、律儀にも運用データの収集のためとしてズロンとはドッキングせずに片肺飛行のまま帰投している)。 その後は、ジェリル・クチビやフェイ・チェンカといった地上人に支給され、さらに量産されて一般兵にまで行き渡ったのはビランビーの量産とほぼ同時期であった。なお、コストパフォーマンスの低さと前述の機体性能の不安定さから、ドラムロやビランビーと比べ生産数自体は決して多くはなかったが、内蔵火器を充実させたコンセプトそのものは後の機種に影響を与え、この設計思想を採り入れたライネックズワァースへと発展した。

負の感情が増大しオーラ力の暴走によって引き起こされる「ハイパー化」現象が初めて確認されたのはジェリルの搭乗した本機であった。地上界に出たジェリルはドレイク軍とは離れ、悪しきオーラ力をもってギリシャ軍を抱き込み、「ジャンヌ・ダルクの再来」と担ぎ上げられていた。人の心をも惑わすほどのオーラ力は、やがて極限まで膨れ上がり巨大なレプラカーン像を形成しショウとマーベル・フローズンを圧倒したが、オーラ力の制御を失った機体は自壊を始め、最後はビルバインの一撃により爆散した(なお、企画段階でのハイパー化現象の描写は、オーラ・マルスが剥き出しの状態で巨大化するものであったが、あまりにもグロテスクであったため、赤い投射光を使った現行の描写方法に替えられた)。


備考

「赤い髪の女」と呼ばれたジェリルは、同じく赤い機体色をした本機を最後まで愛機としたが、本機の名称である「レプラカーン」とはアイルランドに伝わる妖精のことであり、彼女もまたアイルランドの首都「ダブリン」の出身であった。

元々、作画監督の湖川友謙の描いたラフでは股間部に機関砲が設置されていたが、違うものにしたいという理由から決定稿である「男らしい」ボールマウント式のキャノンに変更された。

ゲーム『聖戦士ダンバイン 聖戦士伝説』では、リの国仕様機が登場。機体色は青。

テンプレート:バイストン・ウェル