ルナ16号

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テンプレート:宇宙機 ルナ16号(ロシア語:Луна-16、ラテン文字表記の例:Luna 16)はソビエト連邦無人月探査機1970年9月12日に打ち上げられ、月面の試料(月の石)を採取し地球へ送った。無人探査機で月の石を地球に持ち帰ることに成功したのはルナ16号が初めてだった(世界で初めて月の石を持ち帰ったのは1969年アポロ11号)。

設計

設計と製作は、ゲオルギー・ババキン率いるラーヴォチュキン設計局(OKB-301 現S・A・ラーヴォチュキン記念科学生産合同)が担当した。

ルナ16号は降下ステージと上昇ステージの2つから構成されていた。

降下ステージは探査機を月面に着陸させる機能を担った。エアバッグによる着陸を行ったルナ9号ルナ13号と異なり、ルナ16号はロケットを噴射しながら探査機全体が4本の足で軟着陸する設計になっていた。カメラ、温度計、放射線計といった機器も搭載され、着陸後の科学的観測も行った。

上昇ステージは降下ステージの上に取り付けられていた。月面から発射され地球へ試料を送り届ける役割があった。上昇する際に使用するロケットエンジンと、試料を封入し大気圏に突入するためのカプセルを備えていた。月面からの打ち上げの際には降下ステージが発射台としての役目を果たした。

全体での重量は5.6トンに達した。打ち上げにはプロトンロケットが使用された。

飛行

1970年9月12日、ルナ16号はバイコヌール宇宙基地からプロトンロケットによって打ち上げられた。打ち上げは順調に進み、探査機は打ち上げロケットの地球軌道脱出ステージと結合したまま地球周回軌道に投入された。同日中に脱出ステージが点火され、月へ向かう軌道に乗せられた。脱出ステージはその後切り離された。翌9月13日、軌道の微修正が行われた。

9月17日、ルナ16号は高度111kmの月周回軌道に投入された。探査機はしばらく月周回軌道にとどまり、月の重力異常の観測を行った

9月20日、降下ステージの逆噴射により探査機は月周回軌道を離れて月面への降下を開始した。降下は順調に進んだ。高度20mでメインの逆噴射エンジンが停止し、続いて副エンジンが点火された。高度2mで全エンジンの噴射を停止した。そして世界時5時18分、ルナ16号は豊かの海への軟着陸に成功した。着陸地点は夜を迎えていた。しばらくして降下ステージに取り付けられていた採集装置が展開し、付近の土壌を掘削して上昇ステージのカプセルに送り込んだ。

9月21日、土壌サンプルの封入が終わり、上昇ステージは月面を離れた。残された降下ステージは月面の放射線の観測を続けた。

9月24日、カプセルが地球の大気圏に突入し、カザフスタンに着地した。回収された月の土壌の質量は101グラムだった。

脚注

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関連項目

参考文献

テンプレート:ルナ計画