ラ・フォーレ号
ラ・フォーレ号(ラフォーレごう)は、東京都千代田区と青森県青森市を結ぶ、JRバス東北が運行する夜行高速バス路線。
本項目では、弘南バス(2010年2月28日出発便まで「ラ・フォーレ号」を運行)が同区間で運行する津輕号(つがるごう)についても記載する。
目次
概要
青森と東京を結ぶ直通路線として弘南バスと京浜急行電鉄(京浜急行バスの前身。のち羽田京急バスに移管)が青森駅前 - 品川バスターミナル間を、JRバス東北とJRバス関東は青森駅前 - 東京駅八重洲南口間の運行をそれぞれ計画していたが、競合路線の併願を認めない方針を打ち出していた当時の運輸省(現・国土交通省)より需給調整が指導された。協議の結果、4社による青森駅前 - 東京駅八重洲南口間の共同運行となった。
2009年7月31日出発便の運行をもってJRバス関東が撤退。同年9月1日運行分からは、3社による共同運行を終了し、JRバス東北と弘南バス・羽田京急バスの2グループが同じ「ラ・フォーレ号」の愛称でありながら別路線として運行しており、乗車券販売方法が異なっていたほか、異なる会社グループをまたいでの往復割引の適用ができなくなった[1]。
2010年2月28日出発便の運行をもって羽田京急バスが撤退。翌3月1日出発便より、弘南バスは「津輕号」に愛称を変更。「ラ・フォーレ号」よりも割安な特別運賃・キャンペーン運賃を設定して差別化を図ったが、「ラ・フォーレ号」も同年4月1日出発便より運賃を「津輕号」と同額に引き下げた[2]。
2010年9月23日出発便より、「津輕号」は東北新幹線全線開業前に割安感をアピールする狙いとして、同路線の片道運賃の値下げを実施した[3]。
JRバス東北が運行する「ラ・フォーレ号」は東北新幹線全線開業前より20~25%減少したといい、外国人と観光客の利用が新幹線により減ったことが大きな打撃としている[4]。
現行系統
ラ・フォーレ号
- 運行会社
- ジェイアールバス東北
- ※:東京側ではJRバス関東東京支店が運行支援業務を行う。
- 運行経路
東京駅(乗車は八重洲南口、降車は日本橋口) - (仙台宮城IC) - 青森駅(8番のりば)
- ※カッコ内は乗務員交代のための停車で、乗客は外に出ることができない。
津輕号
- 運行会社
- 弘南バス
- 青森営業所が担当。青森ナンバー。2人乗務。
- 運行経路
東京駅(乗車は八重洲南口、降車は日本橋口) - 新宿高速バスターミナル - 佐野SA - (国見SA) - 紫波SA - あおもり健康ランド - 青森駅(9番のりば) - 青森港フェリーターミナル
- ※カッコ内は乗務員交代のための停車で、乗客は外に出ることができない。
- ※青森港フェリーターミナルは、「東京・函館きっぷ」利用者のみ乗降可[5]。
過去の運行会社
- ジェイアールバス関東
- 羽田京急バス
運賃
2013年12月1日現在。ラ・フォーレ号と津輕号との組み合わせでの往復割引の適用および相互変更は不可。
- ラ・フォーレ号
- 閑散期(B期間):大人片道7,500円
- 通常期(A期間):大人片道9,000円
- 特定日(S期間):大人片道10,500円
- ラ・フォーレ号は高速バスネットによる予約・決済が可能(ただし購入・払戻できる窓口はJRバス関東東京駅・新宿駅のみで、青森側に対応窓口がない)。
- 津輕号
- 通常期:大人片道7,500円、往復15,000円(往復乗車券は10日間有効)
- 繁忙期(年末年始・ゴールデンウィーク・お盆期間):大人片道9,000円(往復割引なし)
- 「あずましーと」利用の場合は1,000円増し(大人・小児とも)となる。
- 2010年3月1日出発便から同年3月31日出発便まで、リニューアル運行キャンペーン価格として、大人片道6,500円で運行した(往復割引なし)。
- 津輕号は楽天トラベルのシステムによる予約・決済が可能。
乗車券発売箇所
- ラ・フォーレ号
- JRみどりの窓口
- JRバス東北
- 青森駅
- JRバス関東
- 東京駅
- 新宿駅
- ファミリーマート・ローソン・サークルK・サンクスのコンビニ端末
- 主な旅行会社
- 津輕号
歴史
- 1989年7月1日 - 運行開始。
- 2003年9月1日 - 往復割引開始。
- 2003年10月1日 - 京浜急行電鉄のバス部門を分社化。京浜急行バスが継承。
- 2004年7月16日 - 1日2往復に増便。
- 2005年4月1日 - 京浜急行バスの担当営業所が大森営業所から羽田営業所に変更となる。
- 2005年12月1日 - 京浜急行バスの担当便が京急観光バスに移管。
- 2007年11月30日 - この日の青森発便より、東京駅の到着場所を日本橋口に変更。
- 2008年3月15日 - 京急側の運行が京急観光バスから羽田京急バスに変更。
- 2009年8月1日 - JRバス関東が撤退。
- 2009年9月1日 - この日の出発便より3社による共同運行を終了、JRバス東北(2・3号)と弘南バス・羽田京急バス(1・4号)がそれぞれ別路線として運行。
- 2010年2月28日 - この日の1・4号の運行をもって羽田京急バスが撤退、単独運行となる弘南バス側が翌日(3月1日)発車便より愛称を「津輕号」に変更し、運賃も変更(キャンペーン運賃を導入)[7][8]。
- 2010年4月1日 - 「ラ・フォーレ号」の運賃を「津輕号」と同額に改定。
- 2010年9月22日 - 京浜急行バスにおける「津輕号」の予約受付業務を終了(取扱いは同日出発便まで)[6]。同社の運行支援も同日を以て終了(これまで大森営業所で乗務員休憩を行っていた)。
- 2010年9月23日 - 「津輕号」、この日出発便より運賃改定(往復割引運賃を廃止し、片道運賃を値下げ、繁忙期運賃を設定)。
- 2012年12月18日 - この日より「東京・函館きっぷ」が新たに「津輕号」に設定。それに伴い、発着地を青森港フェリーターミナルに延長。
- 2013年7月16日 - 「津輕号」、この日出発便より新宿高速バスターミナルとあおもり健康ランドに停車[9]。
- 2013年12月1日 - 「ラ・フォーレ号」の運賃をシーズン制(閑散期・B期間、通常期・A期間、特定期・S期間)に移行。往復割引運賃を廃止(同年11月30日発車の往路発売便まで)。
- 2014年3月1日 - 「津輕号」の運賃値上げ。[10]なお、この値上げで、通常・閑散期料金と繁忙期料金が設定される。あずまシート料金は据え置き。
車両
- 通常、トイレ付き独立3列シート車(ハイデッカー車またはスーパーハイデッカー車)で運行される。
- 繁忙期はトイレなし、4列シートの観光バス車両で運行する場合がある。この場合、2時間に1度のトイレ休憩を設けるほか、運賃を500円割り引く。
- なお、2009年年末年始より、「ラ・フォーレ2・3号(JRバス東北運行便。号数は設定開始当時)」の臨時便では2人掛け座席を1人で使用できるサービスを開始している(但し、運賃は通常運賃に据え置き)。
- 運行開始当初は京浜急行バスと弘南バスはノクターン号と同じデザインの車両を運用していた。現在も弘南バスの夜行高速車の中には後部に「NOCTURNE」と書かれた車両が在籍している。
使用車両画像一覧
- JRbus H674-01414.jpg
JRバス東北(三菱ふそう・エアロバス)
- 過去の車両
- S674-88473-Kanto-P-MS729SA.jpg
JRバス関東 3列シートに格上げの上「ラ・フォーレ号」の運用に入った車両(三菱ふそう・エアロクィーンM)
- S670-98404 Kanto KC-B10MD La Foret.jpg
JRバス関東(ボルボ・アステローペ)
- 641-8904 Tohoku P-LV719R La Foret.jpg
JRバス東北 運行開始当初の車両(いすゞ・スーパークルーザー)
- P-MS729SA-Konan-30104-6.jpg
弘南バス 「ノクターン号」と同じ塗色の車両(三菱ふそう・エアロクィーンM)
- Konanbus109016-laforet-20070716.jpg
弘南バス(いすゞ・スーパークルーザー)
- Konanbus 10901-6 rear.jpg
弘南バス 左の車両の後部。「ラ・フォーレ号」の運用に入るにもかかわらず後部には「NOCTURNE」と書かれている
- Konanbus-23.jpg
弘南バス(三菱ふそう・エアロクィーンI)
- Konanbus-laforet-20070716.jpg
弘南バス(三菱ふそう・エアロバス)
- Konanbus-Tsugaru.jpg
弘南バス「津輕号」に改名当初の車両(三菱ふそう・エアロエース)
- Keikyubus 6342.JPG
京急観光バス(撮影当時)(三菱ふそう・エアロクィーンI)
利用状況
年度 | 運行日数 | 運行便数 | 年間輸送人員 | 1日平均人員 | 1便平均人員 |
2002(平成14)年度 | 365 | 2,494 | 56,649 | 155.2 | 22.7 |
2003(平成15)年度 | 366 | 2,373 | 47,635 | 133.2 | 20.1 |
2004(平成16)年度 | 365 | 2,269 | 47,294 | 129.6 | 20.8 |
2005(平成17)年度 | 365 | 2,185 | 43,544 | 119.3 | 19.9 |
2006(平成18)年度 | 365 | 1,961 | 37,980 | 104.1 | 19.4 |
2007(平成19)年度 | 366 | 1,822 | 34,021 | 93.0 | 18.7 |
- 東北運輸局の高速バス輸送実績では常に上位に挙げられるが、近年は利用者が減少傾向にある。平成15年度は前年比84.1%、平成16年度は同99.3%[13]、平成17年度は同92.1%[14]、平成18年度は同87.2%[15]、平成19年度は同89.6%[16]となっている。
脚注
関連項目
外部リンク
- ↑ 東京~青森間高速バス「ラ・フォーレ号」運行に関するお知らせ(JRバス東北プレスリリース 2009年7月29日)
- ↑ 「ラ・フォーレ号」4月1日出発便より運賃割引! JRバス東北新着情報(2010年3月3日)
- ↑ 新幹線開業控え高速バス運賃大幅引き下げ/弘南バス陸奥新報:2010年9月14日(2010年9月24日閲覧)
- ↑ 追跡 東北新幹線「第3部 開業1年 県内への影響」東奥日報:2011年11月27日朝刊
- ↑ 大好評!『東京・函館きっぷ』に『津輕号』が新登場!(弘南バスホームページ)
- ↑ 6.0 6.1 当社における青森ゆき「津輕号」予約受付の終了について 京浜急行バス トピックス(2010年8月23日)
- ↑ 【高速バス】 青森ゆき「ラ・フォーレ」号の運行について(京浜急行バス:2010年1月22日発表)
- ↑ 3月1日より「ラ・フォーレ1号・4号は「津輕号(つがるごう)」としてリニューアル運行いたします。(弘南バス:2010年1月25日発表)
- ↑ テンプレート:PDFlink
- ↑ テンプレート:PDFlink
- ↑ 高速・東京 - 青森線「ラ・フォーレ号」新車で運行中(JRバス東北新着情報:2011年4月21日)
- ↑ テンプレート:PDFlink
- ↑ ([1])
- ↑ ([2])
- ↑ ([3])
- ↑ ([4])