イスマーイール派
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テンプレート:シーア派 イスマーイール派(アラビア語: الإسماعيليون al-Ismāʿīliyyūn、ペルシャ語:اسماعیلیان Esmāʿiliyān)、別名7イマーム派は8世紀に起こったイスラム教シーア派の一派である。グノーシス的な神秘主義的教説を特徴とする。
歴史
イスマーイール派はテンプレート:仮リンクを第7代イマームとする教団である。第6代イマームの長男であるテンプレート:仮リンクの血族がイマームを継ぐべきとの立場から、十二イマーム派と分かれた。その後11世紀頃にドゥルーズ派が分裂し、「東方派」「西方派」「アラムート派」の三派に分かれた。19世紀以降、ニザール派のイマームはアーガー・ハーンと呼ばれるようになった。 テンプレート:-
派生した派閥
- ドゥルーズ派
- 1021年に行方不明になったファーティマ朝の第6代カリフのハーキムを信奉する一派。
- アラムート派(ニザール派、改革イスマーイール派とも)
- 1094年のファーティマ朝の内紛において、テンプレート:仮リンクに敗れて投獄されたテンプレート:仮リンクの息子がイラン高原のテンプレート:仮リンクに立てた一派。伝説上の暗殺教団として有名。現在のイマームはアーガー・ハーン4世であり、アーガー・ハーン建築賞を主催している。分派としてインドにホージャー派がある。
- ムスタアリー派
- ファーティマ朝の内紛において勝利したムスタアリー(Taiyabi)の一派。その後、ハフィジー派が分裂。
- ハフィジー派
- ムスタアリーと対立して分裂した一派。
分布
ニザール派
アフガニスタンのバダフシャーン州やタジキスタンのゴルノ・バダフシャン自治州などにはパミール人がおり、アーガー・ハーンに従っている。一方、アフガニスタンのバグラーン州は地元の宗教指導者のサイイド・マンスール・ナーディリーに従っている。
参考文献
- 菊地達也 『イスマーイール派の神話と哲学 イスラーム少数派の思想史的研究』 岩波書店〈岩波アカデミック叢書〉、2005年。
- イブン・バットゥータ 『大旅行記』全8巻 イブン・ジュザイイ編、家島彦一訳、平凡社〈平凡社東洋文庫〉、1996-2002年。