ミー散乱
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ミー散乱(ミーさんらん、独:Mie-Streuung)は、光の波長程度以上の大きさの球形の粒子による光の散乱現象である[1]。粒子のサイズが非常に大きくなると、ミー散乱と幾何光学の二つの手法による計算結果が類似するようになる。なお、波長に対して粒子(散乱体)が大きい場合は回折散乱が、光の波長の1/10以下になるとレイリー散乱が適用される。
グスタフ・ミーにより厳密解が導かれたとされているが、同時期にローレンツやデバイなども厳密解を得ていた。散乱の特徴として、粒子のサイズが大きくなるにつれて前方への指向性が強くなる。その際には、側方および後方へはあまり散乱しなくなる。
雲が白く見える一因である。 これは雲を構成する雲粒の半径が数~数10μmの大きさで、太陽光の可視光線の波長にたいしてミー散乱の領域となり、可視域の太陽放射がどの波長域でもほぼ同程度に散乱されるためである。
脚注
- Thomas Wriedt: Mie theory 1908, on the mobile phone 2008. Journal of Quantitative Spectroscopy & Radiative Transfer 109 (2008), 1543–1548.
関連項目
- レイリー散乱 - ミー散乱と違い、光の波長よりも小さいサイズの粒子による光の散乱。テンプレート:Physics-stub