マルチング
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マルチング (Mulching) とは、畑の表面を紙やプラスチックフィルム等で覆うこと。被覆資材の種類や被覆方法によりさまざまな効果が得られる。
目次
マルチングの効果と短所
マルチングの効果
- 炭素率の大きな有機物を土に施すと、窒素飢餓を招くため、雑草の繁茂を抑える効果がある
- 土壌の団粒構造を維持する
- 肥料の流亡を防ぐ
- 地温の調節
- 土壌の跳ね返りを防ぐことで、収穫物の汚損防止や病害抑制になる
- 土壌からの水分蒸発を抑える
マルチングの短所
- 追肥を行うことが難しい
- 使用後はごみになる
- よく押さえておかなければ、風で飛ばされる。これは植物体が小さいときに起こりやすい。
- 炭素率の大きな有機物を土に施すと、作物の利用できる窒素が少なくなって、作物の窒素飢餓に陥りやすい。
被覆資材
有機物
生分解性で使用後は土壌に鋤き込むことができる。プラスチックを使用したマルチングよりも耐久性が劣る。植物原料のため環境汚染の心配がない。虫が湧きやすい。
- 藁(わら) - つる性の植物(かぼちゃ、スイカなど)が自身を絡みつかせやすい。
- 紙 -
- 落ち葉 - 手軽に使用できる。腐食し土壌改良の効果もある。
- ウッドチップ/バークチップ - 木材や樹皮(バーク)から製造される。雑草の発育抑制には効果があり、降雨による土壌流出や泥跳ねを抑え、装飾としてグラウンドカバーに使用され、保湿効果も得られる。
さまざまな有機物の炭素率
稲わら | 60 |
もみ殻 | 75 |
小麦わら | 90 |
広葉樹落葉 | 50~120 |
針葉樹落葉 | 20~60 |
樹皮 | 100~1300 |
おがくず | 134~1064 |
剪定枝 | 70 |
竹 | 280 |
プラスチック
ポリエチレンを採用したものが主流。耐久性が高いが、有機物材料と違い使用後にゴミになってしまう。生分解性プラスチックを使用したマルチングはこの点で有利である。
- 白色マルチ
- 黒色マルチ - 地温上昇に効果があるが、マルチ自身の温度が高くなるため、葉焼けなどが発生しやすくなる。
- 透明マルチ - 地温上昇に最も効果がある一方、雑草が繁茂しやすい。
- 銀(色)マルチ(シルバーマルチ) - 地温抑制効果がある。また、アブラムシは銀色の物体を嫌う性質があるため、アブラムシを防除する効果もある。
施工方法
小規模なマルチングは人力で施工するが、大規模なマルチングではトラクターにマルチング用のアタッチメントを装着して機械力で施工する。