『マルタ島のユダヤ人』(マルタとうのユダヤじん、The Jew of Malta)は、クリストファー・マーロウの悲劇である。
本来、「悪役」は別にユダヤ教徒でなくても良いはずなのであるが、極めて反ユダヤ主義的な感情を煽る意図を持った戯曲である。
1590年頃に初演され、1633年に出版された。
財産を没収された、富裕なユダヤ教徒・バラバス Barabas が復讐を誓い、娘の恋人を含む多数を殺害する。さらにオスマン帝国に内通してマルタ島総督になるが、宴席でトルコの司令官を謀殺しようとして見破られ、ハマンのように自ら仕掛けた罠に陥って死ぬ、という内容のもの。
シェイクスピアによる、同じく反ユダヤ的戯曲『ヴェニスの商人』に影響を与えたとされている。