ホフマン物語

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テンプレート:Portal クラシック音楽ホフマン物語』(ホフマンものがたり、Les Contes d'Hoffmann)は、フランスの作曲家ジャック・オッフェンバックの4幕の正式なオペラ(オリジナルは5幕7場)。ドイツ・ロマン派の詩人E.T.A.ホフマンの小説から3つの物語を用いて脚色したジュール・バルビエとミシェル・カレの同名の戯曲に基づいて、ジュール・バルビエ(Jules Barbier)が台本を書いた。1881年2月10日パリオペラ=コミック座で初演された。

主人公ホフマンが、歌う人形のオランピア、瀕死の歌姫アントーニア、ヴェネツィアの娼婦ジュリエッタと次々に恋に落ちるが何れも破綻するという内容。未完のまま作曲家が死去したこともあって数多くの版があり、謎の多い作品とされている。通常1回休憩を取る第4幕で演奏されることが多い、ジュリエッタとの恋の場面で歌われる「ホフマンの舟歌」が有名だが、これは作曲者唯一のドイツ語オペレッタ「ラインの妖精」からの流用である。近年「原典版」なるものが発見されてケント・ナガノ指揮でザルツブルク音楽祭で初演されている。

経緯と主な版

主な版の違い

ギロー版(4幕版)

シューダンス版(5幕版)

  • 幕はオランピア、ジュリエッタ、アントーニアの順。
  • プロローグにミューズが登場しない。

エーザー版(5幕版)

  • 幕はオランピア、アントーニア、ジュリエッタの順。
  • プロローグにミューズが登場。変身してニクラウスになることを明示。

ケイ版(5幕版)

  • ジュリエッタのアリア、ジュリエッタの幕のフィナーレ等、多くの曲が追加。

ケック版(5幕版)

  • エピローグにおけるステラとホフマンの2重唱などが追加。

ケイとケック版(5幕版)

  • 上記のケイとケックが協力して作成した、現時点での最新版。

登場人物

  • ホフマン(詩人) Hoffmannテノール
  • リンドルフ(ニュンベルクの顧問官) Lindorf ※1 (バリトン
  • コッペリウス(スパランツァーニの敵手) Coppélius ※1 (バリトン)
  • ミラクル博士(医者) Le docteur Miracle ※1 (バリトン)
  • ダペルトゥット船長(魔術師) Le capitaine Dapertutto ※1 (バリトン)
  • スパランツァーニ(発明家) Spalanzani (バリトン)
  • クレスペル(アントーニアの父親) Crespelバス
  • ペーター・シュレミール(ジュリエッタの情夫) Peter Schlemil (バリトン)
  • アンドレス(ステラの召使) Andrès ※2 (テノール)
  • コシュニーユ(スパンツァーニの召使) Cochenille ※2 (テノール)
  • フランツ(クレスペルの召使) Frantz ※2 (テノール)
  • ピティキナッチョ(ジュリエッタの下男) Pitichinaccio ※2 (テノール)
  • ルーテル(酒場のおやじ) Luther (バス)
  • ナタナエル(学生) Nathanaël (テノール)
  • ヘルマン(学生) Hermann (バス)
  • オランピア(自動人形) Olympiaソプラノ
  • アントニーア(歌手) Antonia (ソプラノ)
  • ジュリエッタ(高級娼婦) Giulietta (ソプラノ)
  • ミューズ(詩の女神) La Muse ※3 (メゾソプラノ
  • ニクラウス(ホフマンの友人) Nicklausse ※3 (メゾソプラノ)
  • アントニアの母の声 Voix de la mère d'Antonia (メゾソプラノ)
  • ステッラ(歌手) Stella ※4
※1、2、3はそれぞれ同一のキャストが演じる。
※4は台詞のみ。

あらすじ

(注)エーザー版をもとにしたマイケル・マンの校訂譜の録音に基づく。

第1幕

ルーテルおやじの酒場。月明かりだけがある夜。酒の精とともにミューズが登場。詩人ホフマンの心を占める歌姫ステラに対抗するべく、ホフマンの親友ニクラウスの姿に変身する。

酒場に主のルーテル、ボーイが登場する。オペラ《ドン・ジョヴァンニ》の幕間に来る客を迎える準備をする。そこに顧問官リンドルフとステラの付き人アンドレスが登場。リンドルフは金でステラのホフマンへ向けた恋文をアンドレスから買う。恋敵のホフマンをリンドルフは酒場で待ち受けることにする。学生たちの陽気な一団が酒場に飛び込み、大いに騒ぐ。そこにホフマンとニクラウスがやってくる。学生たちにせがまれてホフマンは陽気なクラインザックの物語を歌うが、途中で恋しいステラの面影を歌うようになる(シャンソン(クラインザックの伝説「むかしアイゼナックの宮廷に……」)。学生のナタナエルに恋をしているのかとからかわれたホフマンは否定するが、リンドルフがそれを揶揄する。ホフマンは重ねて否定し、いかに自分に運がないか、自らの恋物語を訊きたいか、と学生たちに尋ね、学生たちはオペラもほったらかしに話をねだる。

第2幕(オランピア)

物理学者のスパランツァーニの書斎にホフマンが尋ねてくる。スパランツァーニはホフマンが詩人の道を捨て、科学者になる決心をしたことを喜び、今日は娘のオランピアを社交界におひろめするのだと述べ、助手コシュニーユとともに酒造へ向かう。

ホフマンが、カーテンのすきまからオランピアをのぞいているところに、親友のニクラウスが来る。傍によって声をかけろというニクラウスに対して、ホフマンは見ているだけでよいと言い張る。皮肉たっぷりにニクラウスは「精巧な人形」の歌を歌うが、恋に落ちているホフマンには意味がわからない。

そこにコッペリウスが登場する。ホフマンが熱心にオランピアを見詰めているのをみて、ほくそえむ。様々な怪しい道具を売ろうし、綺麗な目を強く勧めるが、当然そのようなものはホフマンもニクラウスも必要ないので断る。さらに勧められた眼鏡をホフマンがかけると不思議なことにオランピアの美しい姿が見える。夢うつつのままホフマンは眼鏡をコッペリウスから購入する。

コッペリウスはスパランツァーニを見つけ、オランピアの眼の支払いとして金を要求し、それが駄目なら山分けを要求する。スパランツァーニは倒産した会社の手形を渡し、コッペリウスはそうと知らずに満足し、オランピアに首っ丈のホフマンを笑い、結婚させればよいとそそのかす。

夜会が始まり、招待客たちの前にオランピアが披露される。素晴らしい出来のオランピアに賛辞が送られるが、眼鏡をかけているホフマンだけが彼女が人形であることに気づかない。招待客の前でオランピアはアリアを披露する(オランピアのクプレ「生垣には、小鳥たち」)。途中で力尽きるたびに、スパンランツァーニが慌ててゼンマイを巻くが、聞きほれているホフマンは気づかない。その後、招待客たちは夜食に入るが、オランピアは食べないため下がる。スパランツァーニは面白がってホフマンに娘の付き添いを頼む。

二人きりになったホフマンはオランピアに愛を囁くが、彼女は突如ゼンマイじかけのように動き出して出て行ってしまう。戸惑うホフマンにニクラウスが遠まわしにオランピアが人形であることを伝えるが、ホフマンは愛する女性が中傷されていると思い聞き入れない。

一方、スパランツァーニに渡された手形が不渡りであることに気づいたコッペリウスは、夜会に乗り込こむ。

夜会ではホフマンがオランピアとダンスを踊るが、段々スピードが速くなってゆき、ついに壊れる勢いでまわりだす。ホフマンは跳ね飛ばされ、スパランツァーニは何とか娘を止めて、オランピアを下がらせる。飛ばされた勢いでホフマンの眼鏡が壊れてしまう。

奥からコシュニーユが飛び出し、コッペリウスがオランピアを壊したことを告げ、怒ったスパランツァーニとコッペリウスが争いだす。眼鏡の影響から抜け出たホフマンは壊されたオランピアを見て、初めて彼女が自動人形であることに気づき失意のあまり倒れる。人形に恋していたホフマンを招待客たちは笑う。

第3幕(アントーニア)

ミュンヘンのクレスペルの家。奇妙に傾いた部屋で、アントーニアが歌う(ロマンス「逃げてしまったの、雉鳥は」)。父親のクレスペルが部屋に入り、アントーニアに死んだ母親の声に似ているので歌ってはいけないと言い聞かせる。歌手を諦めることに絶望しながらもアントーニアは歌わないことを約束し、退場する。クレスペルは召使のフランツに誰も入れるなといって下がるが、やってきたホフマンとニクラウスを入れてしまう。ニクラウスはオランピアのことに言及しながら、今回の愛にも疑問を呈する。

ホフマンがやってきたことに気づいたアントーニアが駆け込んでくる。ホフマンは突然引っ越したわけをたずねるが、アントーニアにはわからない。二人は明日夫婦になることを約束する。彼女はホフマンに歌を禁じないことを確認し、ホフマンは疑問に思う。クレスペルの気配にアントーニアは部屋に下がるが、ホフマンは謎が解けるかと、身を隠す。

ホフマンが来たのかと思ってやってきたクレスペルの前に、ミラクル博士が現れる。アントーニアの母が死んだときにいたミラクル博士をクレスペルは嫌悪するが、博士はかまわずに誰も座っていない椅子に向かって、アントーニアの診察を行う。悪魔的な光景に隠れて見ていたホフマンは驚く。ミラクル博士はアントーニアに薬と歌を勧めるが、クレスペルが必死に追い払う。

クレスペルとミラクルが出て行った部屋に残ったホフマンにアントーニアは近づく。ホフマンはアントーニアに歌わないように、歌手の道は諦めるように頼み、彼女はそれを受け入れる。

一人になったアントーニアに、突如現れたミラクル博士がその若さ、才能で歌わずにいられるものかとそそのかす。悪魔の誘惑に打ち勝つべくアントーニアは亡き母に救いを求めるが、そこに母の亡霊が現れアントーニアを激しく呼ぶ。声にあおられるように、アントーニアは狂ったように歌い、倒れる。

倒れた娘を見つけたクレスペルは嘆き、飛び込んできたホフマンを殺そうとするが、ニクラウスに阻止される。ホフマンはアントーニアに医者を呼ぼうとするが、いつのまにかそこにミラクル博士が現れ、彼女の死を宣告する。

第4幕(ジュリエッタ)

第1場

運河でゴンドラの行き交うヴェネツィアの歓楽場の豪華な館で、高級娼婦ジュリエッタとニクラウスが夢見る恋の歌を歌う(舟歌 (Baracarolle))。それに対して、ホフマンは欲望を歌い、屋敷の招待客たちと騒ぐ。そこにジュリエッタの情夫シュレミールがやってきていやみを言う。それをとりなす彼女は情夫よりむしろ連れのダペルトゥット船長の手に輝くダイヤに眼を奪われるが、場を収めて全員を賭博(カード)に誘う。

全員が移動する中、ニクラウスはホフマンに注意を促す。もし彼が悪魔に負け、愚かな愛に取り付かれたらすぐにここから連れ出すと。娼婦相手に本気になるはずがないとホフマンは一笑に付す。

ダペルトゥットはホフマンたちの挑戦を受けてたつべく、以前にシュレミールの影をジュリエッタに盗ませたように、手のダイヤを使って彼女にホフマンを誘惑させることを決心する(シャンソン 「まわれ、まわれ、雲雀を捕らえる鏡の罠よ!」)。そこにやってきたジュリエッタはダイヤに眼が眩み、ホフマンを誘惑して彼の影像を盗むことを約束する。

賭場ではホフマンたちをはじめ皆がカードをしているが、ホフマンは参加せずに考え込むジュリエッタに心を奪われる。愛を囁くホフマンをジュリエッタはつれなくさえぎるが、シュレミールが彼女の鍵を持っているので、それを奪って欲しいと頼む。

そこにゴンドラがやってきて時間が来たことを告げ、招待客の一部は去る。ホフマンはそこにとどまり、シュレミールに鍵を渡すように要求する。命がある限り渡さないというシュレミールとホフマンは決闘をする。剣のないホフマンに、すかさずダペルトゥットが自分の剣を差し出す。

第2場

ジュリエッタは決闘の前に閨房で、ホフマンの命が大切だから彼女より先に逃げてくれるように懇願する。ホフマンはそれを承服できないが、ジュリエッタが離れていても彼女はホフマンのものであるとかきくどくと、心を奪われ承服する。ジュリエッタは心の支えとして、ホフマンに何かを置いていってくれと頼む。何かと聞くホフマンに、彼女は彼のすべてが欲しい、そして影が欲しいと言う。ホフマンは驚くが、ジュリエッタの情熱に押し切られ陶酔のうちに影を差し出し、気を失う。

影を奪われたホフマンがダペルトゥットに笑われ呆然としているところに、彼の存在に気づかないジュリエッタが、自分の誘惑の成功に笑いながら従者のピティキナッチョから受け取ったワインを飲む。しかし、その瞬間苦悶に顔をゆがめて倒れ、ホフマンの腕の中で息を引き取る。ダペルトゥットとピティキナッチョの高笑いが響く。

第5幕(ステラ)

再びルーテルの酒場。3つの恋物語を語り終えたホフマンは、自棄に学生たちと酒をあおり騒ぐ。そこに公演が終わったプリマドンナ・ステラがやってくるが、正体もなく飲んだホフマンには、仮面を取った彼女がオランピアに、アントーニアに、そしてジュリエッタに見える。ニクラウスはステラが来るのが遅かったと笑い、リンドルフがステラの腕を取り、再び学生たちと騒ぎ出すホフマンを尻目に2人で退場する。残されたホフマンは、すべてを失った惨めさにそのまま死を望み倒れる。

暗転した舞台に、輝かしいミューズが現れ、ホフマンを詩人として蘇らせる。

曲目

(注)エーザー版をもとにしたマイケル・マンの校訂譜の録音に基づく。

第1幕

  • 前奏曲 Prélude
    [N°1 導入部 Introduction]
    グル、グル、グル! おいらはビール! (酒の精の合唱) Glou, glou, glou! Je suis la biére! (Le chœur des esprits)
  • 瓢箪から駒、と言いますけれども (ミューズ、酒の精の合唱) La vérité, dit-on, sortait d'un puits (La Muse, le chœur des esprits
  • さあ、みんな、店の支度だ! (ルーテル、リンドルフ、アンドレス) Allons! mes enfants (Luther, Lindorf, Andrès)
    [N°2 リンドルフのクプレ Couplets de Lindorf]
  • ほう、《ホフマンさまへ》か! (リンドルフ) Voyons: "Pour Hoffmann"! (Lindorf)
    [N°3,4A]
  • まだあと2時間はある! (リンドルフ、ルーテル、学生たち、ヘルマン、ナタナエル) Deux heures devant moi! (Lindorf, Luther, les étudiants, Hermann, Nathanaël)
    [N°4B]
  • 何とまあ、諸君、すばらしい歌姫だろう! (ナタナエル、学生たち、ヘルマン、リンドルフ、ルーテル) Vive Dieu! mes amis, la belle créature! (Nathanaël, les étudiants, Hermann, Lindorf, Luther)
    [N°4C]
  • やあ、諸君! (ホフマン、ニクラウス、ナタナエル、学生たち、ヘルマン) Bojour, amis! (Hoffmann, Nicklausse, Nathanaël, les étudiants, Hermann)
    [N°5 シャンソン(クラインザックの伝説) Chanson (la légende de Kleinzach)]
  • むかしアイゼナックの宮廷に…… (ホフマン、学生たち、ナタナエル) Il était une fois à la cour d'Eisenach (Hoffmann, les étudiants, Nathanaël)
    [N°6 フィナーレ Finale]
  • うう! このビールはまずいや! (ホフマン、学生たち、ニクラウス、ナタナエル、リンドルフ) Peuh! cette biè re est détestable! (Hoffmann, les étudiants, Nicklausse, Nathanaël, Lindorf)
    [二重唱 Duo]
  • で、また、どこから、この悪魔閣下は (ホフマン、リンドルフ、ニクラウス、学生たち) Et par où votre diablerie (Hoffmann, Lindorf, Nicklausse, les étudiants)
  • いいかい、僕は不幸におびやかされている (ホフマン、リンドルフ、ナタナエル、ヘルマン、学生たち、ニクラウス、ルーテル) Je vous dis, moi, qu'un malheur me menace! (Hoffmann, Lindorf, Nathanaël, Hermann, les étudiants, Nickausse, Luther)

第2幕(オランピア)

  • 間奏曲 Entr'acte
  • そこにいなさい、可愛い娘や! (スパランツァーニ、ホフマン) Là, charmante! (Spalanzani, Hoffmann)
    [N°7]
  • さあ! 勇気を出して自信を持とう! (ホフマン、ニクラウス) Allons! courage et confiance! (Hoffmann, Nicklausse)
  • 七宝細工の眼をした人形 (ニクラウス、ホフマン) Une poupée aux yeus d'émail (Nicklausse, Hoffmann)
    [N°8]
  • わしがコッペリウスだ (コッペリウス、ニクラウス、ホフマン) C'est moi, Coppélius (Coppélius, Nicklausse, Hoffmann)
    [三重唱 Trio]
  • わしの名はコッペリウス (コッペリウス、ニクラウス、ホフマン) Je me nomme Coppélius (Coppélius, Nicklausse, Hoffmann)
  • 失礼 (ホフマン、コッペリウス、ニクラウス) Serviteur! (Hoffmann, Coppélius, Nicklausse)
  • 用意はできた! (スパランツァーニ、コッペリウス) Tout est prêt! (Spalanzani, Coppélius)
    [N°9]
  • ほんと、これ以上豪華な夜会に (招待客たち、スパランツァーニ、ニクラウス、ホフマン、コシュニーユ、オランピア) Non, aucun hôte vraiment (Les invités, Spalanzani, Nicklausse, Hoffmann, Cochenille, Olympia)
    [オランピアのクプレ Couplets d'Olympia]
  • 生垣には、小鳥たち (オランピア、招待客たち) Les oiseaux dans la charmille (Olympia, Les invités)
  • ねえきみ、何てすてきな節回し! (ホフマン、ニクラウス、スパランツァーニ、招待客たち、オランピア、コシュニーユ) Ah! mon ami, quel accent! (Hoffmann, Nicklausse, Spalanzani, Les invités, Olympia, Cochenille)
    [N°10 シェーナとロマンス Scène et Romance]
  • みんな行ってしまった (ホフマン、オランピア) Ils se sont éloignés, enfin! (Hoffmann, Olympia)
    [N°11]
  • 逃げるの? (ホフマン、ニクラウス、コッペリウス) Tu me fuis? (Hoffmann, Nicklausse, Coppélius)
    [N°12 フィナーレ Finale]
  • さあ、ダンスの位置について! (スパランツァーニ、コシュニーユ、ホフマン、オランピア、招待客たち、ニクラウス、コッペリウス) Voici les valseurs! (Spalanzani, Cochenille, Hoffmann, Olympia, Les invités, Nicklausse, Coppélius)

第3幕(アントーニア)

  • 間奏曲 Entr'acte
    [N°13 ロマンス Romance]
    逃げてしまったの、雉鳥は (アントーニア) Elle a fui la tourterelle (Antonia)
  • いけないね、娘や…… (クレスペル、アントーニア、フランツ) Malheureuse enfant! (Crespel, Antonia, Frantz)
    [N°14 クプレ Couplets]
  • 朝から晩まで汗水たらし (フランツ) Jour et nuit (Frantz)
  • フランツだ。やっぱりここだ (ホフマン、フランツ、ニクラウス) Voilà ce brave Frantz (Hoffmann, Frantz, Nicklausse)
    [N°15 ロマンス Romance]
  • 見たまえ、わななく弓の下で (ニクラウス) Vois sous l'archet frémissant (Nicklausse)
    [シェーナ Scène N°16 二重唱 Duo]
  • ああ、君はなんでも疑うんだな! (ホフマン、ニクラウス、アントーニア) Ah! tu doutes de tout! (Hoffmann, Nicklausse, Antonia)
  • でもね、可愛いフィアンセさん (ホフマン、アントーニア) Pourtant, ô ma fiancée (Hoffmann, Antonia)
  • 愛の歌が (アントーニア、ホフマン) C'est une chanson d'amour (Antonia, Hoffmann)
  • どうした? ……苦しいの? (ホフマン、アントーニア、クレスペル、フランツ) Qu'as-tu donc? ...Tu souffres? (Hoffmann, Antonia, Crespel, Frantz)
    [N°17 三重唱 Trio]
  • 危険を払いのけるには (ミラクル、ホフマン、クレスペル、アントーニア) Pour conjurer le danger (Miracle, Hoffmann, Crespel, Antonia)
    [N°16bis メロドラマ Mélodrame]
  • もう歌えないのか! (ホフマン、アントーニア) Ne plus chater! (Hoffmann,Antonia)
    [N°17A]
  • もう歌わないだと? (ミラクル、アントーニア) Tu ne chanteras plus? (Miracle, Antonia)
    [N°17A 三重唱 Trio]
  • お母様だと? よくも頼めるね、母さんに? (ミラクル、アントーニアの母の声、アントーニア) Ta mère? Oses-tu l'invoquer? (Miracle, la voix de la mère d'Antonia, Antonia)
    [N°17b フィナーレ Finale]
  • どうした! 娘や! (クレスペル、アントーニア、ホフマン、ニクラウス、ミラクル) Mon enfant! Ma fille! (Crespel, Antonia, Hoffmann, Nicklausse, Miracle)

第4幕(ジュリエッタ)

第1場

[N°18 (舟歌) (Baracarolle)]
  • 間奏曲 Entr'acte
  • 諸君、お静かに (ホフマン) Messieurs, silence! (Hoffmann)
    [(舟歌) (Baracarolle)]
  • 美しい夜、おお、恋の夜よ (ホフマン、ニクラウス、ジュリエッタ、ゴンドラの船頭たちの合唱) Belle nuit, ô nuit d'amour (Hoffmann, Nicklausse, Giulietta, chœur des gondoliers)
    [N°18B レチタティーヴォと酒盛りの歌 Récit et Couplets bachiques]
  • 僕には、そんなものは、ちっとも面白くないね! (ホフマン、招待客たち) Et moi, ce n'est pas là ce qui m'enchante (Hoffmann, les invités)
    [情景 Scéne, 情景の音楽 Musique de Scéne と N°18bis 退場場面 Sortie]
  • これはこれは、賑やかなことだね、マダム! (シュレミール、ジュリエッタ、ダペルトゥット、ニクラウス、ホフマン) A merveille, madame! (Schlemil, Guilietta, Dapertutto, Nicklausse, Hoffmann)

[N°19 シャンソン Chanson]

  • まわれ、まわれ、雲雀を捕らえる鏡の罠よ! (ダペルトゥット) Tourne, tourne, miroir (Dapertutto)
  • 魅力的だね (ダペルトゥット、ジュリエッタ、シュレミール) Charmante! (Dapertutto, Guilietta, Schlemil)

[N°20]

  • ジュリエッタ、どうしたの (招待客たち、ホフマン、シュレミール、ダペルトゥット、ピティキナッチョ、ジュリエッタ) Giulietta, palsembleu! (Les invités, Hoffmann, Schlemil, Dapertutto, Pitichinaccio, Guilietta)
  • 愛の神が彼女に言った、綺麗な人よ (ジュリエッタ、ホフマン、シュレミール、ピティキナッチョ) L'amour lui dit: la belle (Giulietta, Hoffmann, Schlemil, Pitichinaccio)
  • 君、引き継いでくれ! (ホフマン、ニクラウス、シュレミール、ピティキナッチョ、ダペルトゥット、ジュリエッタ) Tiens, mes cartes! (Hoffmann, Nicklausse, Schlemil, Pitichinaccio, Dapertutto, Giulietta)
  • 馬鹿な! (シュレミール、ダペルトゥット、ピティキナッチョ) Morbleu! (Schlemil, Dapertutto, Pitichinaccio)

[N°21]

  • 彼は私の鍵を持っているの (ジュリエッタ、ゴンドラの船頭たちの合唱、ニクラウス、ホフマン、シュレミール、ダペルトゥット) Il a ma clé (Giulietta, chœur des gondoliers, Nicklausse, Hoffmann, Schlemil, Dapertutto)

第2場

[N°22 二重唱 Duo]

  • お友達の言うのは本当だわ (ジュリエッタ、ホフマン) Ton ami dit vrai (Giulietta, Hoffmann)

[ロマンス Romance]

  • おお、神よ、何という陶酔でしょう (ホフマン) Ô Dieu, de quelle ivresse (Hoffmann)
  • でも、それまでの間 (ジュリエッタ、ホフマン) Jusque là, cependant (Giulietta, Hoffmann)
    [情景 Scéne, メロドラマ Mélodrame, 情景の音楽 Musique de scéne と N°22bis]
  • 結局こうなったのね (ジュリエッタ、ダペルトゥット、ホフマン) Le Voilà, donc (Giulietta, Dapertutto, Hoffmann)

第5幕(ステラ)

[N°23]

  • 恋心よ! (学生たち) Folie! (Les étudiants)

[N°24,N°25A (メロドラマ) (Mélodrame)]

  • これが、諸君 (ホフマン、ナタナエル、ヘルマン、ヴィルヘルム、ニクラウス、酒の精の合唱、学生たち、アンドレス、ステラ、リンドルフ) Voilá, mes amis (Hoffmann, Nathanaël, Hermann, Wilhelm, Nicklausse, le chœur des esprits, les étudiants, Andrès, Stella, Lindorf)

[N°25B]

  • いとしいフリネは二つの心 (ホフマン、学生たち) Pour le cœur de Phryné (Hoffmann, les étudiants)

[N°26 フィナーレ Finale - 大団円 Apothéose]

  • さがってくれ、みんな! (ホフマン、ミューズ、学生たち、一同) Arrière, tous (Hoffmann, La Muse, les étudiants, tons)

映画化

1952年にマイケル・パウエルエメリック・プレスバーガーの共同監督でカラー映画化された。モイラ・シアラー主演。ベルリン国際映画祭銀熊賞とカンヌ国際映画祭特別賞を受賞している。歌唱は英語訳詩により、約半分の役は吹き替えられている。ルドルフ・ショックらが歌ったドイツ語歌唱音源も用意された。フェルゼンシュタイン監督による1970年東ドイツ映画もあり、こちらは演者と歌唱が全員同一だがドイツ語訳詩である。

備考

宝塚歌劇団による上演の詳細は別項「宝塚歌劇団によって舞台化された作品の一覧」を参照。

参考文献

曲目は、“Offenbach: Les Contes d'HoffmannPhilips Classics Productions PHCP-5086~8(指揮:ジェフリー・テイト、オーケストラ:シュターツカペレ・ドレスデン)による。また、解説書を版の概要、あらすじの参考とした。