ベーリング島
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ベーリング島(Bering Island)とは、カムチャツカ半島の東のベーリング海にあるロシア連邦領の島。コマンドルスキー諸島のなかで最も大きく、1660平方キロメートル。細長い島で、最長90キロメートル。位置は東経166度15分、北緯55度0分。
概要
1741年11月7日に探検家ヴィトゥス・ベーリングが率いる船に乗っていたゲオルク・ヴィルヘルム・シュテラーらが当時は無人島であった島へ上陸して以降、記録が残るようになる。船は帆が痛み、船員らは壊血病に苦しむ状況で、一行は船を放棄して島で越冬を図るが、ベーリングは壊血病で死亡し島で葬られた。以後、ベーリングの名が、島の名として語られるようになった[1]。
現在は、厳しい環境ではあるものの、人は住んでいてNikolskoye(人口600から800人)という町がある。 霧が多く、よく地震が起こる。島民はほとんどが漁業関係者である。
自然
ベーリング一行が上陸した当時には、あまり木や潅木の類は見られなかったと伝えられるが、キツネやライチョウのほか大型哺乳類としてジュゴン、後にステラーカイギュウと命名される巨大海獣が生息していた。船員らは、この海獣を食料として越冬した後に脱出。後に、シュテラーの書籍でこの海獣の伝えられると狩猟者が島へ殺到し、30年も経たないうちにステラーカイギュウは絶滅に至った。
出典
- ↑ ピーター・スターク『ラストブレス』講談社文庫