ベンジルアルコール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

テンプレート:Chembox

ベンジルアルコール (benzyl alcohol) は、示性式 C6H5CH2OH、分子量 108.14 の芳香族アルコール融点 −15.3 ℃、沸点 205 ℃ の無色の液体。CAS登録番号は [100-51-6]。フェニルメタノール(phenylmethanol) とも呼ばれる。

単体は無色透明の液体で、ほのかな心地よい芳香臭がある。比重 1.046 で水溶性は低く (4 g/100 mL)、とほとんど分離する。

溶剤として優れており、毒性が低く、蒸気圧が小さい。アルコールエーテルに溶けやすい。ベンジルアルコールは炭酸ナトリウム(ソーダ灰)の存在下、塩化ベンジル (C6H5CH2Cl) を加水分解することで製造する。

空気中で酸化されて安息香酸に変化する。

酢酸安息香酸セバシン酸などの酸と反応することで、エステルなどの化合物を生成する。特にエステルの酢酸ベンジルは、ジャスミンイランイランの芳香成分として有名。

用途

ベンジルアルコールは、インク、塗料、ラッカーエポキシ樹脂塗膜などの溶剤として用いられる。石鹸香料に用いるさまざまなエステルの原料としても使用される。写真の現像のほか、香りが良いことから殺菌剤としても用いられている。揮発保留剤としても使われる。

製法

実験的には、ベンズアルデヒド (C6H5CHO) を触媒下で水素化しても得られる。