プロセスチーズ
プロセスチーズ(英語:processed cheese)は、1種類、もしくは数種類のナチュラルチーズを原料として作られるチーズの種別。アメリカン・チーズとも呼ばれる。
複数のナチュラルチーズを加熱して溶かし、混ぜ合わせるが、そのままだと成分が分離するので乳化剤を使用する。
加熱する過程で細菌を殺菌し、酵素を変性させるので熟成はしないが、長期保存が可能になり、味が均質になるというメリットを得る。20世紀の初めにスイスやアメリカで製造されるようになった。
日本ではゴーダチーズやチェダーチーズが原料に使われることが多い。
日本におけるプロセスチーズ
プロセスチーズ販売の初期においては、ブロック状の形状の製品が市場を寡占していた。当時は日本人のチーズ全般への知識や理解度は低く、その様相が固形石鹸を想起させたことやチーズ独特の匂いや香りから、食品への見た目や香りを気にする日本人はチーズに拒否反応を示し食わず嫌いが多く存在した。
その後、ソーセージ状のベビーチーズが市場に現れ、パン食の普及と共にシート状に薄く整形したスライス・チーズ、わずかな加熱で容易に溶けるチーズなどが販売されるようになる。一部の輸入食料品を扱う専門店や高級百貨店以外ではプロセスチーズしか入手できなかったため、日本人にとってチーズと言えばプロセスチーズを意味していた。
その後多種多様な乳製品が食生活にも浸透してゆき、海外産の各種チーズが一般のスーパーマーケットでも販売されるようになった。そのためプロセスチーズのシェアはナチュラルチーズに押されつつあるが、味にクセがないためにハンバーガーやサンドイッチなどのパン食や料理の具材として、また味覚の多様化により果汁や果肉が入ったチーズ、アーモンド等のナッツや穀類が入ったチーズ、チューブ入りチーズ、ヨーグルト状チーズ、6Pチーズなどの個包装チーズ等の需要は依然として高い。
外部リンク
- プロセスチーズ 畜産物加工データベース 工業的な製造工程
- テンプレート:サイエンスチャンネル