プレシジョニズム
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プレシジョニズム(Precisionism, 精密派)とは、1920年代から1930年代にかけて、アメリカに存在した絵画の様式の名称。キュビスム的リアリズム(Cubo-Realism。クボ・リアリズムまたはキューボ・リアリズム)やイマキュラティズム(Immaculatism。清浄派または純潔派)と呼ばれることもある。
この様式に属する主要な画家は、
- チャールズ・シーラー(Charles Sheeler; 1883年-1965年)
- ジョージ・オールト(George Ault; 1891年-1948年)
- ナイルズ・スペンサー(Niles Spencer; 1893年-1952年)
- ジョージア・オキーフ(Georgia O'Keeffe; 1887年-1986年)
- モートン・シャンバーグ(Morton Livingston Schamberg; 1881年-1918年)
- ジョセフ・ステラ(Joseph Stella = Giuseppe Michele Stella; 1877年-1946年 or 1880年-1946年)
- チャールズ・デムス(チャールズ・デムース、Charles Demuth; 1883年-1935年)
- ラルストン・クローフォード(Ralston Crawford; 1906年-1978年)
などである。
その作品の特徴は、人工的な風景(主として都市の風景や建築物(工場、倉庫、摩天楼など)、機械)を、キュビスムの影響を受けてやや抽象化しつつも(または、抽象化に適するような題材を選択して)、写実的な筆致で描写するもので、のちの、いわゆる「スーパーリアリズム」の作品へとも接続する。特に、チャールズ・シーラーは、写真作品も制作しており、自分の撮影した写真を手本に、絵画作品を制作することもしばしばあった。このことからもわかるように、プレシジョニズムは、グループf/64の一部に見られるようなタイプのストレートフォトグラフィ(自然風景を撮影したものではなく、人工的な風景を撮影した作品)との近接性を持っている。
アメリカにおける近代的な「イズム」のうち、オリジナルなものとしては、もっとも早く成立したものの1つであるといえる。
なお、確たるグループの名称ではないこともあり、その始まりと終わりには諸説ある。始まりについては、1915年や1918年といった1910年代とする考えがあり、終わりについても、1930年には終わっていたとする説がある一方で、1941年頃まで続いているとする考え方もある。
参考文献
- PRECISIONISM IN AMERICA 1915-1941: REORDERING REALITY(Gail Stavitsky, Harry N. Abrams社。1994年。ISBN: 0-8109-3734-4)