フェチ
フェチとは、身体の一部や衣服・その他記号化された様々な物品・現象に「個性的」な執着を見せたり、性的興奮を示す傾向を指す俗語の一種。性的嗜好の一つで、呪物崇拝、物神崇拝、拝物愛などとも関連するフェティシズム(fetishism)を略した言葉である。
語源、語用
比較的近年使われるようになった言葉で、書籍の題名としては1993年の『ボディコン・クィーンズ-ボディコン レッグ・フェチ写真集』(桜桃書房出版)が早い例である。
概要、類型
テンプレート:Seealso 類型としては
- 身体の一部分に対する執着(「腋フェチ」「脚フェチ」「ベロフェチ」「胸フェチ」「へそフェチ」「胸毛フェチ」など)
- 身体の表面に見られる先天的または後天的特徴への執着(「ほくろフェチ」「刺青フェチ」「盲腸の傷跡フェチ」など)
- 服装や服装の一部分、あるいは人間が身に付けるものに対する執着(「パンストフェチ」「眼鏡フェチ」「ブーツフェチ」「ドレスフェチ」「手袋フェチ」「ナースフェチ」「メイドフェチ」「学生服フェチ」「香水フェチ」「濡れフェチ」など)
- 特定のシチュエーション、(相互)行為に対する執着(「おもらしフェチ」「寝顔フェチ」「言葉責めフェチ」「フェラチオフェチ」など)
- 特定の属性、ロールプレイングに対する執着(「女子高生フェチ」「人妻フェチ」「女装フェチ」「ヤンキーフェチ」など)
などがある。
ただし、例えば「絶対領域フェチ」の場合、ふとももという身体の一部に対する執着、ミニスカートやオーバーニーソックスという服装に対する執着、そのような服装をさせられるに至ったシチュエーションやロールプレイングに対する執着、というそれぞれの要素がありうる。このように、分類はあえて単純化したものであり、実際のフェチにはこれらを横断的に用いて分析されることが望ましいだろう。 身体の一部分に対するフェチの場合、常人ならば誰しも異性の身体的特徴に対して性的な興奮を感じる事は正常な反応なので、異常な程の執着である必要がある。「おっぱいフェチ」などは、本来のフェティシズムの意味からすると多くの場合誤用であり、単なる「おっぱい好き」との混同である。
フェチの分類、及び類型については有用な資料・文献に乏しく、また現状では成人向けメディアを中心に、どのような事象にも「フェチ」を付けたりする傾向があるため、どのような類のフェチが存在し分布しているのかを厳密に推し量るのは難しい。参考として、アメリカの出版社 Deviant Desire社が近年、「Fetish Roadmap」という、様々なフェティシズムについて相関関係を図に示したものを公開している。