フェアノールの息子たち

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フェアノールの息子たち(Sons of Fëanor)は、J・R・R・トールキンの作品世界、中つ国に登場する、フェアノールの七人の息子のこと。母はネアダネルヴァリノールに生まれたが、父とともにノルドールの叛乱を率いて中つ国へと渡り、父の死後はベレリアンドの北東にある諸王国を統治し、モルゴスと対峙した。

各項目も見よ。


ヴァリノールにおけるフェアノールの息子たち

父フェアノールとその息子たちがノルドールを煽りたて、アマンを捨て、中つ国へと至った詳細については、フィンウェおよびフェアノールを見よ。

モルゴスの敵

かれらの祖父はノルドールの上級王フィンウェであった。かれらの父はもっとも偉大なエルフとして知られるフェアノールであり、かれら自身も才能と力に溢れた偉大な王子であった。モルゴスがフィンウェを殺し、フェアノール最大の創造物シルマリルを奪ってアマンから逃走すると、新たに上級王となったフェアノールは一族を扇動し、中つ国へと渡った。フェアノールが合戦で倒れると、息子たちはベレリアンドの北東に諸王国を治め、フィンゴルフィンとその息子たち、そしてフィナルフィンの息子たちと協力し、モルゴスに対する包囲網を築いた。このため始めシンダールたちはノルドールの叛乱者たちをヴァラールが使わした援軍と信じた。

フェアノールの誓言

フェアノールとその息子たちは、モルゴスからのシルマリル奪還を誓う誓言をたてた。このフェアノールの誓言は、フェアノールとその息子たちを除き、善悪を問わずなに者もこれを持つことを禁ずる、という苛酷なものであった。シルマリルの一つはシンダールの王シンゴルの有するところとなり、このためかれらはシルマリルを持つ同族を襲った。かれらは偉大な存在であったが、軽はずみな誓言を守るため悪に堕した。

フィンゴルフィンの子供たちとの友情

フェアノールは継母インディスとかの女から生まれた異腹弟たちを好まなかった。 しかしながら、モルゴスの讒言によってフェアノールの一党と異腹弟フィンゴルフィンの一党とのあいだが冷え切るより以前には、フェアノールの息子たちとフィンゴルフィンの子供たちのあいだには友情があった。 なかでもマイズロスフィンゴンの友情は厚く、フェアノールの船団がロスガールについたとき、マイズロスは父に先ずフィンゴンを迎えに行くことを進言した。 しかし父の命により船は焼かれた。 フィンゴンはマイズロスがかれに留意したことを知らないまま中つ国についたが、マイズロスがモルゴスに囚われたことを知ると、単身サンゴロドリムに乗り込み、従兄弟を救出した。 フィンゴンの妹アレゼルは狩りを好み、フェアノールの息子たちとオロメの森に馬を駆けさせた。 かれらの友情の原因を、フェアノールとフィンゴルフィンの年齢差に求めることが出来るかもしれない。二人の年齢は11歳しか離れておらず、おそらくその息子たちの年齢も近く、成長のときを分かち合い、友情を育むのが容易だったのだろう。

フィナルフィンの子供たちとの関係

一方フェアノールの息子たちと、もう一人の異腹弟フィナルフィンの子供たちとの関係はかんばしくない。 フィナルフィンの息子たちはフィンゴルフィンの息子たちと、とても仲が良かったとされているが、かれらとフェアノールの息子たちとの友情の記録はない。 フェアノールとフィナルフィンの生年は51年離れており、おそらくその息子たちの年齢も離れていたであろうことにその原因を求めることも出来るが、一方でフィンゴルフィンとフィナルフィンの生年も40年の差があり、年齢だけを原因には出来ない。 他所に原因を求めれば、ひとつはフィンゴルフィンとフィナルフィンはともにフェアノールの嫌うヴァンヤのインディスの息子であるが、フィナルフィンは兄と比べて、より母に似て性格も姿もヴァンヤに近かったこと。 もうひとつはフィナルフィンの息子たちの母がテレリのエアルウェンであったことがあげられる。 フィナルフィンの子供たちはノルドの血を薄めていったが、フィンゴルフィンの妻アナイレは(おそらく)ノルドであり、その子供たちはノルドの血を濃くしていった。

運命

モルゴスからシルマリルを奪還するために誓言をたてたかれらだったが、モルゴスとの戦いで討ち死にしたものはいなかった。ケレゴルム、カランシア、クルフィン、アムロドは同族殺しのさなかに死に、マイズロスはマイアであるエオンウェの陣を襲いシルマリルを手にしたが、宝玉に手を焼かれ、苦しみとともに身を投げた。マグロールもまた手を焼かれ、シルマリルを海へ投じて、中つ国の海岸を一人さまようものになった。かれらはみな同族殺しの罰を受けた。

駆り立てる誓言

アムラスはロスガールの燃える船の中で死んだ。これは事故であるが、アムラスは誓言を放棄しようと試みたので、誓言によって罰せられたとも考えられる。マイズロスとマグロールが誓言に倦みながらもあくまでそれを果たそうとしたのは、誓言の罰がただちに下ることを知っていたからかもしれない。

フェアノールの系図

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参照すべき項目