フィナルフィン

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フィナルフィン(Finarfin)は、J・R・R・トールキン中つ国を舞台とした小説、『シルマリルの物語』の登場人物。 ノルドール中つ国への帰還のさい、兄フィンゴルフィンとともに異腹兄フェアノールに従ったが、ヴァラールによる忠告を聞き入れて、かれに従う民とともにヴァリノールへと引き返した。 かれはアマンにおけるノルドールの上級王となった。

ヴァリノールにおけるかれのクウェンヤ名は、「高貴なフェンウェ」を意味するフィンウェ・アラトフィンウェFinwë Arato finwë)であった。 フィナルフィンはこのクウェンヤ名をシンダール語式に縮めたものである。

父はノルドールの上級王フィンウェ。 母はヴァンヤールの上級王イングウェの親類インディス。 異腹兄にフェアノール。 姉にフィンディスイリメ。 兄にフィンゴルフィン。

妻はアマンにおけるテレリの上級王オルウェの娘エアルウェン。 息子にフィンロド・フェラグンドアングロドアイグノール。 娘にガラドリエル


フィナルフィンは、早期の原稿では「フィンロド」と呼ばれており、そのため初版の『指輪物語』では「フィンロド」として登場したが、これはのちの版では訂正された。[1] またかれの息子フィンロドも、早期の原稿では「イングロール」と呼ばれていた。「イングロール」から「フィンロド」への変更は、完全には訂正されなかった。[2] このため、『指輪物語』に登場する、「フィンロド王家のギルドール・イングロリオン」の存在は、トールキンの残した大きな謎となった。

フィナルフィンの系図

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トールキンの文書中のオロドレスは、明らかにアングロドの息子であるが、刊行された『シルマリルの物語』ではフィナルフィンの息子の一人となっている。これは『シルマリルの物語』の出版時に編者クリストファ・トールキンが変更したためであるが、この変更は間違いであったと、のちにクリストファは認めている。[3]中つ国の正典を参照。

脚注

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テンプレート:Reflistテンプレート:Asboxpl:Lista Calaquendich#Finarfin
  1. J. R. R. Tolkien, "From Hobbiton to the Woodyend" In The Return of the Shadow ed. Christopher Tolkien, (Harper Collins), P. 72.
  2. Wayne G. Hammond, Christina Scall (2005), The Lord of the Rings A Reader's Companion, Harper Collins, 103-104,
  3. J. R. R. Tolkien, "The Shibboleth of Fëanor." In The Peoples of Middle-earth ed. Christopher Tolkien (Boston: Houghton Mifflin, 1996), pp. 349-351, ISBN 0-395-82760-4.