パーマロイ
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パーマロイ (permalloy) はFe-Niの合金で初透磁率の大きいことを目的に作られた合金である。 名前の由来はpermeability(透磁率)+alloy(合金)による。
たとえば磁気ヘッドや継電器(リレー)の磁芯などの用途において必要な性能は、微少な磁場の変化に対して容易に応答することである。この用途にいろいろな合金が開発されている。 Ni、Feの他にMoを加えたスーパーマロイ(supermalloy)やCu、Crを加えたミューメタルなど別の名称をつけた合金もある。
分類
Fe-Ni二元系合金ではNi含有量が78.5%付近の組成で磁気異方性と磁歪定数の両方が0に近くなるため初透磁率が最も大きくなる。狭義にはこの組成の合金をパーマロイと呼ぶ。広義のパーマロイと区別して78-パーマロイとも呼ばれる。またJIS規格ではパーマロイAと呼ばれる。
これよりNiの少ない組成では、透磁率は小さくなるものの飽和磁束密度が大きくなるため、用途に応じてNi含有量が36%の36-パーマロイ(JIS規格ではパーマロイD)、Ni含有量45%の45-パーマロイ(JIS規格ではパーマロイB)等が用いられる。
78-パーマロイにMo、Cu、Cr等を添加することで更に透磁率を上げることが出来る。これらはJIS規格ではパーマロイCと呼ばれる。最も高い透磁率を持つスーパーマロイはNi79%、Mo5%の組成である。
Nb、Ta等を添加して耐磨耗性を高めたハードパーマロイは磁気ヘッドに用いられる。
パーマロイ以外のFe-Ni合金
Fe-Niの合金の合金のなかで、磁気ひずみの効果によって、室温付近で熱膨張率の小さい合金がある。
種類 | 主組成(wt%) | 主用途 | 特長 |
---|---|---|---|
インバー(アンバー) | Fe-36Ni | ブラウン管のシャドーマスク等 | 低熱膨張率 |
エリンバー | Fe-38Ni-12Cr, 微量の( Mn , C , W) | ヒゲゼンマイの素材 | 常温付近での温度変化の少 |
42アロイ | Fe-42Ni | ICリードフレーム材 | 硬質ガラス、セラミックと熱膨張係数が近い |
インコネル | Fe-72Ni | タービンブレード | 優れた耐熱性、耐蝕性、耐酸化性、耐クリープ性 |