バニラ (ウルトラ怪獣)
テンプレート:Pathnav バニラとは、特撮テレビ番組『ウルトラマン』をはじめとした「ウルトラシリーズ」に登場する、架空の怪獣。別名「赤色火焔怪獣」(せきしょくかえんかいじゅう)。
『ウルトラマン』に登場するバニラ
特撮テレビ番組『ウルトラマン』第19話「悪魔はふたたび」(1966年11月20日放送)に登場。
3億5000年前[2]の超古代文明により「赤い悪魔」と恐れられ、液状化されてカプセルに閉じこめられていた赤い古代怪獣。武器は口から吐く強力な火炎。外観は口先がとがっており、体は骨張って、やや平らになり、尻尾は細く8の字状に絡み合っている。土砂と共にダンプで郊外に捨てられた赤いカプセルが夜間に落雷を受けて復活。防衛隊と科学特捜隊に夜通し航空攻撃された末に、共に現代に復活したアボラスとオリンピック競技場で激戦を繰り広げる。格闘中にアボラスの放った溶解泡を一度は火炎で相殺するが、その後、科学特捜隊の原子弾を目に食らい、弱ったところをアボラスの吐いた泡で溶かされて絶命する。
- 着ぐるみは『快獣ブースカ』に登場したイモラに改造された。
- デザインイメージはタツノオトシゴ[1]。
- 山田正弘が単独執筆した準備稿「前世紀からの使者」はコメディ色の強い内容で、前世紀人と彼に操られる液体怪獣アボラスのみ登場。その後、南川龍(野長瀬三摩地)の大幅な加筆によって決定稿「悪魔はふたたび」が起こされ、赤い怪獣バニラと青い怪獣アボラスが激突する内容となった。
- 一峰大二の漫画版「怪獣アボラスの巻」(『ぼくら』1967年1月号掲載)ではバニラの火炎攻撃でウルトラマンが一度敗退、再戦でアボラス共々八つ裂き光輪で倒される展開となっている。また、火炎でウルトラマンの腕を溶かしかける。
- TBSの朝の情報番組『ヤング720』1966年11月4日放送分において、ウルトラマンのスーツアクターである古谷敏がゲストで出演するにあたって、取材役で当時TBSのアナウンサーだった大沢悠里の提案により、古谷の演によるウルトラマンとバニラとの格闘シーンが収録された。この時のバニラは、そのアイデアを提案した大沢自身が着ぐるみの中に入って演じた[3]。
- 『ウルトラマン白書』に載っている金城哲夫の文芸ノートにおいてアボラス共々宇宙怪獣と区分されている。
『ザ☆ウルトラマン』に登場するバニラ
テレビアニメ『ザ☆ウルトラマン』第27話「怪獣島浮上!!」に登場。
- 身長:55メートル
- 体重:2万トン
怪獣墓場に眠っていた個体を、バラドン星人によりアーストロン、ゴーストロン、レッドキング、ゴキネズラ、アボラスと共に蘇生させられた上で怪獣島に収容されて地球へ送り込まれる。
武器は『ウルトラマン』同様に口から吐く火炎で、オリジナルでも幅広い腕が更にムササビの皮膜のように薄く変わっている。アボラスと激しく戦う内にゴキネズラとも戦う羽目になるが、その3体でレッドキングと戦闘中のウルトラマンジョーニアスを襲撃するものの、あえなく3体とも倒される。
『ウルトラマンパワード』に登場するバニラ
特撮テレビ番組『ウルトラマンパワード』第9話「復活! 二大怪獣」(米国版サブタイトル:TAILS FROM THE CRYPTS)に登場。玩具などでは初代と区別するためにパワードバニラと称される。
- 身長:65メートル
- 体重:3万トン
「赤い悪魔」として、3000年前に古代人の手によって封印された怪獣。3000年余り棺の中に封印されていたが、ウィッティカー教授の手によって封印を解かれ、現代へと覚醒する。初代と同様に、火炎によって敵を攻撃することが出来る。デザインは通常の怪獣タイプになっていて、タツノオトシゴからは遠ざかっている。尻尾は細長く複雑な形をしていた初代と違い、太くて長いシンプルな形に変更された。炎を吐くときは背中から排熱。同じく再生したアボラスと戦い、本家と同様一度はアボラスの溶解泡で倒されたかに見えたが、音波で弱らせてから倒さなければ何度でも復活できるため再び光が走って再生する。パワードに2対1の戦いを挑むが、最期は火炎がパワードに盾にされたアボラスに当たり、逆上したアボラスの溶解泡により致命傷を負い、戦闘不能になったところをアボラス共々メガスペシウム光線の前に敗れ去る。
その他の作品に登場するバニラ
- 『ウルトラマンティガ』に登場する赤色昼型宇宙人 スタンデル星人レドルはバニラがモチーフである[5]。
- 漫画『ウルトラマンSTORY 0』ではアボラス共々36・37話に登場。その後、第39・40話にジェロニモンにより蘇った再生怪獣の一体としても登場。
- 映画『新世紀ウルトラマン伝説』では、パワードバニラが登場(映像は『パワード』からの流用)。
- 映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』では、百体怪獣ベリュドラの首を構成する怪獣の一体として姿が確認できる。
- 『大怪獣バトル』では第4弾と拡張第1弾に技カードとして登場。スキルは「赤い悪魔」で、効果は「3ラウンドのあいだ、こうげきが「こうねつ」こうげきになる」。第4弾の方はアボラスのカードと背景が繋がっている他、拡張カードはコンボマークも対になっている。
- 『ウルトラマン列伝』第21話でウルトラマンゼロが解説するエンペラ星人が、光の国を襲撃したウルトラ大戦争時に引き連れていた怪獣軍団の中に新たに姿が追加されている。
脚注
- ↑ 1.0 1.1 『キャラクター大全ウルトラマン全調査報告』(講談社、2012年、ISBN 978-4-06-218128-0)
- ↑ 「300005000年前」と非常に中途半端な数字だが、本編中で何度も台詞として連呼されているため誤記ではない。
- ↑ 古谷敏『ウルトラマンになった男』小学館、2009年、159頁
- ↑ 4.0 4.1 テンプレート:Cite book
- ↑ 『ウルトラ怪獣DVDコレクション アボラス バニラ/ゴメス リトラ編』の解説より。