ハワイガン

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ハワイガンBranta sandvicensis)は、鳥綱カモ目カモ科コクガン属に分類される鳥類。

分布

アメリカ合衆国カウアイ島ハワイ島マウイ島[1][2][3]固有種

形態

全長56-71センチメートル[1]。翼長オス27.2-37.8センチメートル、メス35-36.8センチメートル[2]。頭部の羽衣は黒く、頬は褐色[1]。頸部の羽衣は褐色で、黒い縞が入る[1][2]。上面の羽衣は暗褐色で、羽毛の外縁(羽縁)が淡色[1]。下面の羽衣は灰褐色で、黒い斑紋が入る[1]。腰や尾羽は黒く、尾羽基部の背面を被う羽毛(上尾筒)は白い[1]

嘴は黒い[1]虹彩は暗褐色[1]。後肢の皮膚は分厚く、これにより足場の悪い溶岩地帯を歩行することに適している[3]。趾の間には水かきはあまり発達していない[2]。後肢は黒い[1]

生態

溶岩のある高地草原に生息する[2]

食性は植物食で、スゲなど)、液果などを食べる[1]

繁殖形態は卵生。地面の窪みに巣を作る[1]。3-5個の卵を産む[2]。抱卵期間は29日[2]

人間との関係

ハワイ州の州鳥に指定されている[3]。生息地では食用とされることもあった[2]

食用の乱獲、人為的に移入されたイヌ、ブタ、ネズミによる被害などにより生息数は激減した[2]1960年に国際鳥類保護会議で国際保護鳥に指定された[2]。1960年から人口孵化させた個体を国立公園などに再導入する試み(1960-1973年にハワイ島に804羽、マウイ島に391羽を放鳥[2]。1990年までに計2,100羽を放鳥[1])が進められている[1][2]。18-19世紀における生息数は25,000羽[2]1951年における生息数は30羽、1999年における生息数は925羽と推定されている[1]

1823年にはヨーロッパで飼育されるようになり飼育下繁殖も成功していたが、その血統は1900年までにほぼ絶えたとされる[2]。生息数が減少した後は1949年にハワイで、1952年にイギリスで飼育下繁殖に成功した[2]1953年における飼育個体数は35羽(イギリス16羽、ハワイ19羽)、1977年における飼育個体数は585羽以上(飼育施設数82)[2]

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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  1. 1.00 1.01 1.02 1.03 1.04 1.05 1.06 1.07 1.08 1.09 1.10 1.11 1.12 1.13 1.14 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ8 太平洋、インド洋』、講談社2001年、80-81、185-186頁。
  2. 2.00 2.01 2.02 2.03 2.04 2.05 2.06 2.07 2.08 2.09 2.10 2.11 2.12 2.13 2.14 2.15 黒田長久、森岡弘之監修 『世界の動物 分類と飼育 (ガンカモ目)』、財団法人東京動物園協会、1980年、28、98-99頁。
  3. 3.0 3.1 3.2 『小学館の図鑑NEO 鳥』、小学館2002年、157頁。