ニワシドリ科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

テンプレート:生物分類表 テンプレート:Sister テンプレート:Sister

ニワシドリ科 (ニワシドリか、学名 テンプレート:Sname) は、鳥類スズメ目の科である。ニワシドリ、あるいはコヤツクリ、アズマヤドリと呼ばれる[1]

分布

オセアニア区オーストラリアニューギニアに生息する。

形態

全長20–40cm[1]

概して地味な羽色だが、一部の種の雄は派手な色の羽や飾り羽を持つ[1]

生態

森林ないし疎林に住み、果実・種子など植食を主食とするが、昆虫なども食べる[1]

ネコドリ属以外は、雌だけで造巣・抱卵・育雛をする[1]

テンプレート:Clear

バワー

雄は繁殖期が近づくと、直径1–3mほどの区域から落ち葉や枯れ枝などを除いて、ニワシドリの名の由来となった「コート (テンプレート:En、庭)」にし、さらにその中に大きな小屋型の構造物「バワー (テンプレート:En、あずまや)」を作る。なおこれはではなく、巣はこれとは別に雌が単独で作る。

バワーにはさまざまな種類があるが、大きく「メイポール (テンプレート:En)」(「スピア (テンプレート:En)」を含む)と「アベニュー (テンプレート:En)」とに分かれる[2][3]。ニワシドリ科は伝統的に、メイポールビルダー、アベニュービルダー、バワーを作らないものの3つに分けられてきた[2]

属によるバワーの違い
Kusmierski (1997)[2]から要約
大きな分類 和名 学名 バワー コート
なし ネコドリ属 テンプレート:Snamei なし なし
ハバシニワシドリ テンプレート:Snamei なし 掃き清めたのみ
パプアニワシドリ テンプレート:Snamei なしかの枝 シダと枝
メイポール カンムリニワシドリ属 テンプレート:Snamei メイポール コケ
オウゴンニワシドリ テンプレート:Snamei 2本のスピア なし
アベニュー フウチョウモドキ属 テンプレート:Snamei 簡単なアベニュー なし
アオアズマヤドリ テンプレート:Snamei 簡単なアベニュー
マダラニワシドリ属 テンプレート:Snamei 複雑なアベニュー 2つのコート

メイポール

チャイロニワシドリなどは、若木の周りに、水平にした小枝を積み上げた「メイポール」を作る。メイポールの高さは最大2.5メートルに達する[3]

メイポ-ルの周囲はコケが円型に敷かれ、その周囲には小枝などさまざまな装飾品が積まれる[3]

アベニュー

マダラニワシドリアオアズマヤドリなどは、乾燥した草の茎を多数立てて壁状にし、一対の壁で挟まれた「アベニュー」(道)を作る。アベニューの入り口には、小石、骨、貝殻、ガラス片など(どのようなものが好まれるかは種によって異なる)が散らばって置かれる[3]

バワーを訪れた雌は、草に囲まれたアベニューの中に入る。雄はアベニューの外で、激しいディスプレイをする。草の壁はまばらなので、雌は壁を透かして雄のディスプレイを見ることができる[3]

系統と分類

科間の系統関係は Ericson et al. (2002)[4]; Chesser & Have (2007)[5]、ニワシドリ科の内部系統は Kusmierski et al. (1997)[2]による。[M] はメイポールビルダー、[A] はアベニュービルダー。

テンプレート:Clade

アベニュービルダーは単系統だが、メイポールビルダーは単系統ではなく、バワーを作らないパプアニワシドリを内包している。パプアニワシドリは二次的にメイポールを作らなくなった可能性がある[2]

ニワシドリ科全体はキノボリ科姉妹群で、合わせてニワシドリ上科を形成する[6]。ニワシドリ上科は、スズメ亜目の中でコトドリ上科の次に分岐した系統である。Sibley分類では、ニワシドリ上科はコトドリ上科に含められていたが、系統的には分離される。

属と種

国際鳥類学会議 (IOC) の分類では8属20種からなる[7]

出典

テンプレート:Reflist
  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 テンプレート:Cite
  2. 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 テンプレート:Cite
  3. 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 テンプレート:Cite(原書: テンプレート:Cite
  4. テンプレート:Cite
  5. テンプレート:Cite
  6. テンプレート:Cite
  7. テンプレート:Cite