ドランクモンキー 酔拳
テンプレート:Infobox Film 『ドランクモンキー 酔拳』(ドランクモンキーすいけん、テンプレート:Zh2,テンプレート:Lang-en-short)は1978年製作の香港の映画作品。思遠影業公司(シーゾナル・フィルム社)製作。
1978年香港興行収入は第2位[1]。
日本公開は1979年7月21日、東映映画配給、『トラック野郎 熱風5000キロ』と併映上映された。ビデオ・DVDには『ジャッキー・チェンの酔拳』『酔拳』などの邦題もある。
目次
概要
1977年、ロー・ウェイの個人プロダクションに所属していたジャッキー・チェンが、新興のシーゾナル・フィルム社に2本契約でレンタル出向して製作されたうちの1本。先行の『スネーキーモンキー 蛇拳』の姉妹編という位置づけの作品。香港の広告媒体では「蛇形刁手(『スネーキーモンキー 蛇拳』の原題)第二集」となっているが、内容は続編ではなく、完全に独立した単体の作品となっている…というのも、当初は「続編」として企画されていたが、当時、他社で続編らしき作品が多発したため、オリジナルの企画として本作が作られた。結果、またも続編らしきマネものが多発する結果となった。
ジャッキー扮する主人公黄飛鴻(ウォン・フェイフォン)は清朝末期に実在した洪家拳の達人。彼の若かりし日の物語という設定のフィクションだが、内容は完全なオリジナルで、史実に基づいたものは人物設定のみである。
『スネーキーモンキー 蛇拳』とほぼ同一のスタッフが起用され、キャスティングもユエン・シャオティエン扮する老師匠と、ホアン・チェンリー演じる仇敵の配置は同じである。『スネーキーモンキー 蛇拳』ではまだまだ顕著だったシリアス風の内容を完全にコミック調に砕き、往事の香港クンフー映画の十八番だった「仇討ち」物語から外れた、明るく楽しい活劇に仕上がっているのが特徴。
撮影当時、ジャッキーは所属していたローウェイプロとの作品を数本掛け持ちしながら、本作を作り上げることになった。実際の撮影期間は「蛇拳」よりも短い。ちなみに、撮影時に、ジャッキーの顔が赤くなっているのはメイクではなく、撮影前に逆立ちし頭に血をのぼらせて撮っていたためである。
ストーリー
名門道場の子息、黄飛鴻(ジャッキー・チェン)は、クンフーの腕はそこそこあるが、悪友と共に怠惰な毎日をおもしろ可笑しく過ごすチンピラ崩れの若造。
手を焼いた父黄麒英(ウォン・ケイイン)は、クンフーの名手“蘇化子”(スー・フアチー)に黄飛鴻を託すが、早々に音を上げた黄飛鴻は脱走。だが無影拳の“殺し屋 閻鉄心”(イェン・ティエシン)に喧嘩を吹っ掛けたことから返り討ちにされて屈辱を受け、己の未熟さを思い知った黄飛鴻は、蘇化子の元に戻り修行に励む。
やがて機は熟し、蘇から【奥義 酔八仙(酔拳)】を伝授される。一方、土地買収を巡るトラブルから麒英は鉄心に狙われていた。
キャスト・スタッフ
- 製作:ウー・スーユエン(呉思遠)
- 監督:ユエン・ウーピン(袁和平)
- 脚本:ウー・スーユエン(呉思遠)
- 武術指導:スー・シア(徐蝦)、ユエン・ウーピン(袁和平)、
- 武術副指導:ユン・ケイ(元奎)、ユエン・シュンイー(袁信義)、ユエン・ジャンヤン(袁振洋)
- 出演
- ジャッキー・チェン(成龍)
- ユエン・シャオティエン(袁小田)
- ウォン・チェン・リー(黄正利)
- ラム・カウ(林蛟)
- ディーン・セキ(石天)
- ワン・チェン(王将)
- チョイ・ハー(徐蝦)
- ジャン・ジン(蒋金)
- フォン・ギンマン(憑敬文)
TV放送時日本語吹替
俳優 | フジテレビ版 | テレビ東京版 |
---|---|---|
ジャッキー・チェン(成龍) | 石丸博也 | |
ユエン・シャオティエン(袁小田) | 小松方正 | 青野武 |
ウォン・チェン・リー(黄正利) | 津嘉山正種 | 磯部勉 |
ディーン・セキ(石天) | 清川元夢 | 水島裕 |
ラム・カウ(林蛟) | 島宇志夫 | 池田勝 |
ワン・チェン(王将) | 納谷六朗 | 中多和宏 |
チョイ・ハー(徐蝦) | 仲木隆司 | 谷口節 |
- フジテレビ版 - 初放送1981年1月16日『ゴールデン洋画劇場』※Blu-ray(ドランクモンキー 酔拳』 『スネーキーモンキー 蛇拳』製作35周年記念 HDデジタル・リマスター版 ブルーレイBOX)に収録
演出:春日正伸、翻訳:山田実、制作:コスモプロモーション、フジテレビ
- またフジテレビ版は90分枠に編集してストーリーの辻褄を合わせるためオリジナルで俳優が喋ってる台詞とは異なる独自に台詞を作り替えて制作されている。
- テレビ東京放送版 - 初放送2005年3月10日『木曜洋画劇場』※DVD収録
予告ナレーション:石丸博也、演出:高橋剛、翻訳:徐賀世子、フェルヴァント、制作:ブロードメディア・スタジオ、テレビ東京
作品解説
無銭飲食メニュー
燒鵝腿”左足”(鳥の腿)、油鸡鹵味(焼き豚)、蒸条老石斑(揚げ魚)、一大椀虾球面(海老そば)、紅燒鮑魚(鮑のシチュー)、半片花雕(酒)、カッコ内は日本語吹き替え。
削除されたシーン
本作のポスター等で使用されている、ジャッキーが酒瓶と杯を持って演舞するスチルのシーンは、撮影はされたが本編から削除されている。このシーンは、スーが酔八仙の「形」の号令をかけ、それに合わせてフェイフォンが酒瓶を持って演舞するというもの。本編で見られる酔八仙の形の演舞とは完全に違う内容だったからである。
この削除シーンについては、2006年9月現在、ジェネオン・エンタテインメントから発売されているDVD『死闘伝説 ベスト・オブ・アクション』などに収録されている。
日本公開版
本作は、日本で最初に劇場公開されたジャッキー主演作品である。日本公開時のキャッチコピーは「むかしドラゴン、いまドランク! 酔えば酔うほど強くなる、世にも不思議な酔八拳」。
映画の冒頭のクレジットシーンは、香港公開版の仇役の鉄心が標的の武芸者を襲うシーンではなく、ジャッキー扮するフェイフォンの演舞場面に変更された。また日本公開に際し、配給元となった東映は、日本オリジナルの主題歌「拳法混乱(カンフージョン) 唄:四人囃子」、オリジナルBGMを製作して本編に挿入している。テレビ放送の際は、初放送となったフジテレビ放送版がこの東映版を使用しており、現在でもごく稀に再放送されることもある[2]。2005年にテレビ東京で放映された際には、20年振りに新アフレコを実施。元になったバージョンは香港公開版で、上記の冒頭クレジットシーン、及び音源共に日本公開版とは異なる。その放映バージョンの吹き替えがDVD化、以降主にTV放映されている。
東映版では、飛鴻は「ヒコウ」、鉄心は「テッシン」等と名前は全て日本語読みになっている。新アフレコ版では「フェイフォン」「ティッサム」など原語に近い発音になっている。
続編
本作製作16年後の1994年、ジャッキーは香港映画の大御所ラウ・カーリョンを監督に招聘(ただし、途中で降板)して、続編である『酔拳2』を製作している。なお、内容や時代設定は本作とは大きく離れ、「2」を名乗っているがほぼ単体の作品となっている。
DVD
- 【KSS版】(廃盤)
- 時間:112分
- サイズ:4:3(スタンダード)
- 字幕:日本語字幕スーパー
- 音声:オリジナル音声(広東語)
- モノラル(ドルビーデジタル)
- リージョンコード:2
- 片面1層
- 【ソニーピクチャーズ版】
- 時間:111分
- サイズ:2.35:1(アナモフィック)
- 字幕:
- 日本語字幕スーパー
- 英語字幕スーパー
- 音声:
- オリジナル音声(広東語)※一部広東語欠落部分は英語音声
- 英語吹き替え音声
- モノラル(ドルビーデジタル)
- リージョンコード:2
- 片面1層
- 【ソニーピクチャーズ 日本語吹替収録版】
- 時間:111分
- サイズ:2.35:1(アナモフィック)
- 字幕:
- 日本語字幕スーパー
- 英語字幕スーパー
- 音声:
- 広東語モノラル)※一部広東語欠落部分は英語音声
- 北京語モノラル
- 英語モノラル
- 日本語モノラル
- リージョンコード:2
- 片面1層
特記
- クレジットはされていないが、ジャッキー・チェンのダブルとしてユン・ピョウ(元彪)が参加している。
- 蘇化子は、洪家拳の黄麒英や鐵線拳の梁坤らとともに、酔拳の達人として、清朝末期のテンプレート:仮リンクの一人に数えられている。、