トリポリ (レバノン)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
世界 > アジア > 西アジア > レバノン > 北レバノン県 > トリポリ
トリポリ(Tripoli)は、東地中海沿岸に広がるレバノンの第二の都市であり、北レバノン県の県都でもある。アラビア語ではタラーブルス(طرابلس テンプレート:Transl)という。
首都ベイルートと同じく港町で、レバノン第二の港でもある。人口500,000人。住民の80%はスンニ派ムスリムである。
歴史
古くから東地中海有数の富裕な港として栄え、十字軍による破壊以前は「ダール・アル=イルム(دار العلم)」(知識の館)という大図書館を有していた。第1回十字軍の際に陥落し、十字軍国家のトリポリ伯領となり、1289年マムルーク朝に滅ぼされ破壊されるまで数度にわたる十字軍の上陸・補給拠点として、またイタリア商人らによる通商の場として利用された。
レバノン内戦時、トリポリは、ベイルートより南の都市とは違って、大規模な破壊には至っておらず、1103年フランク王国のレイモンド伯(レイモン・ド・サン・ジル)が建てた十字軍の要塞、セント・ジル要塞(1289年再建)をはじめ、数々の遺跡が残っている。
2012年、前年から隣国で発生していたシリア騒乱が、宗教対立の形でトリポリへ伝播。同年8月20日から市内各所で発生したイスラム教アラウィー派(アサド政権寄り)とスンニ派(反政府勢力寄り)の衝突では、14人以上の死亡、100人以上の負傷者を出した[1]。
出典
- ↑ シリア情勢、レバノンへ飛び火 宗派間対立で死者もAFPBB.NEWS 2012年08月25日