トヨタ・ポルテ

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ポルテ (Porte) は、トヨタ自動車トールワゴン。生産は、初代はダイハツ工業京都工場、2代目はトヨタ自動車東日本東富士工場が担当[1]

初代 NP1#型(2004年 - 2012年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 ラウムに続くトヨタのユニバーサルデザイン第2弾となるモデルで、助手席側のドアに大型の電動スライドドアを採用、またフロア高を300mmと低くして乗降性を高め それ故に、小型車ながらウェルキャブのベース車両として採用されている。運転席側ドアは通常の前ヒンジドア、インパネはセンターメーターレイアウト設計。プラットフォームヴィッツ系のNBCプラットフォームを元に開発された。

低床フロアの関係から、発売当初は駆動方式はFFモデルのみの設定で4WDモデルは設定されていなかったが、2005年12月の一部改良時に追加設定された。

年表

  • 2004年
    • 7月26日 - 発売開始。
      • 大開口スライドドアや低いフロアとあいまって乗降性の良さは抜群。福祉車両としての用途にも向いているといえる。福祉車両「ウェルキャブ」には「助手席リフトアップシート車」・「サイドアクセス車」・「専用パワーステアリング車」の3タイプを用意し、このうち「サイドアクセス車」は助手席位置に脱着シートまたは専用車椅子で乗車できる日本初の仕様が設定された。
      • 発売開始1ヶ月間(期間中に販売店の夏季休業があったため、実質3週間)の受注台数は約16,000台と月販目標の4倍(月販目標は4,000台)を達成し、好調の滑り出しを見せた。
  • 2005年
    • 12月12日 - 一部改良。
      光軸調整用ヘッドランプレベリング機能の追加やフロントグリルのデザインを変更。また、4WD仕様の新グレード「150i」を追加。福祉車両「ウェルキャブ」もベース車同様の改良を行い、4WD車を設定。ワイヤレスリモコンのデザインも変更された。
  • 2006年
    • 9月25日 - 福祉車両「ウェルキャブ」に「フレンドマチック車 ウェルドライブ」を追加。
      「ウェルドライブシート」と呼ばれる運転席がリモコン操作一つで助手席位置へ移動し、左回転、そのまま車外へスライドダウンする機構を採用。またこのシートは車外へ出た後にも備え付けの「ジョイスティック」で操作できる自操式電動車椅子として使用できる。車椅子としての快適性を高めるため、リクライニング機能や電動のフットレスト高さ調節機能を搭載している。また、押すとブレーキ、引くとアクセルといった手の動きで操作できる手動運転補助装置を備えており、方向指示レバーやライトなど、頻度の高いスイッチ類もこの装置に配備されている。これらの機構により、これまで運転が難しかった方にも自ら乗り降りができ、簡単に操作できる新しい仕様である。
    • 10月2日 - 特別仕様車「130i Cパッケージ/150r/150i Cパッケージ モカ selection」を発売。
      肌にやさしいフレシール加工のシートをモカに変更し、ディスチャージヘッドランプを装備した。ボディカラーには専用設定色の「ライトグリーンメタリック」を含む5色を設定。
  • 2007年
    • 6月26日 - マイナーチェンジ
      • フロントヘッドランプ・リアコンビネーションランプ・ホイールキャップのデザインを変更。ボディカラーにはベージュメタリックと特別仕様車「モカ selection」の特別設定色だったライトグリーンメタリックの2色を追加。内装はシート表皮に撥水加工を施し、視認性を向上したオプティトロンメーターを装備しインパネを一新。また、助手席スライドドアからでも操作できるスマートドアロック(一部グレード)や、ターンランプ付きドアミラー、助手席アシストグリップを追加。
      • 「150r」・「150i」には専用シート表皮・運転席アームレスト・プラズマクラスターを装備した「Gパッケージ」を追加(「Gパッケージ」の追加に伴い、「150i Cパッケージ」を廃止)。
      • また、福祉車両「ウェルキャブ」でもベース車と同等の改良を行うと共に、「助手席リフトアップシート車」はシート機能性・スイッチ操作性・フットレスト使用性を向上。「サイドアクセス車(脱着シート仕様)Aタイプ」には電動アシスト機能がついた「電動介護式」、ジョイスティックで自操できる「電動自操式」を追加設定。「フレンドマチック車(ウェルドライブ)」にはスライドダウンしたシートから車椅子へアプローチができ、シート移乗後には車椅子を収納クレーンで助手席スペースへ格納できる「タイプII」を追加設定した(「タイプII」の追加設定に伴い、従来仕様は「タイプI」に改名)。
  • 2009年
    • 6月15日 - 特別仕様車「130i/130i Cパッケージ/150i HID Selection」を発売。
      「130i/150i」をベースにディスチャージランプを装備。さらに、スマートドアロック(運転席・助手席)(130i/130i Cパッケージ)・運転席アームレスト(130i Cパッケージ/150i)を特別装備した。ボディカラーは特別設定色の「マルーンブラウンマイカ」を含む全9色を設定。
  • 2010年
    • 8月2日 - 一部改良。
      空燃比センサーを追加し、エンジンECUの制御を変更したことで排出ガスを低減し、「平成17年基準排出ガス75%低減レベル(☆☆☆☆)」を達成。ボディカラーには新たに「ライトパープルマイカメタリック」を追加すると共に、シート色にはダークグレーやボディカラーにあわせたグリーン・パープルを追加し、5パターンとなった(Gパッケージは従来どおりダークブラウンで固定。その他のグレード・パッケージはボディカラーにより、設定されるシート色が異なる。なお、一部ボディカラーはブラウンあるいはダークグレーへの変更が可能)。

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2代目 NP14#型(2012年 - )

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 「プチバン」と呼ばれるスライドドアや広い室内空間といったミニバン的要素を持つコンパクトカーの日本国内需要の高まりを受け、トヨタの「プチバン」として初のフルモデルチェンジを行い、あわせて、ポルテを取り扱わないカローラ店ネッツ店向けに姉妹車のスペイドを発表・発売したため、実質的なトヨタ4系列全店扱い車種となった。なお、トヨペット店扱いの車両は型式の末尾に「(P)」が入る。

特徴である大開口ワイヤレス電動スライドドアや低床フロアを継承しつつ、2WD車はフラットフロア化したことでより優れた乗降性を実現。また、運転席側のヒンジドア(スイングドア)には新たに後席にも設けられ、後席へのアクセスをしやすくした。助手席側のBピラーには、子供の身長が測れる目盛りが付いている。助手席は前後700mm(2WD車)とスライド量を多くとり、一部グレードにクッションチップアップ機構付6:4分割可倒式シートを採用した(4WD車はチップアップ機構がないが先代の反省から6:4分割可倒式に改められた)。買い物フック・助手席アッパーボックス・運転席アッパートレイと運転席から手の届く場所に収納スペースを確保し、使い勝手を高めた。運転席側ドアミラーの位置をドアパネルに移動し、フロントピラーをスリム化することで左右斜め前方の視界を確保し、最小回転半径を4.6m(14インチタイヤ[2]&ホイール装着車)[3]に小さくしたことで取り回しもよくした。デザインには直線と円弧を組み合わせたシンプルな長円形モチーフ「スクエアオーバル」を随所に取り入れ、内装はオートエアコンのヒーターコントロールパネルや運転席側リアドアポケット等の室内アイテムをリビングルームにある家具や雑貨をイメージしてデザインしたことでリビング感覚の心地よい室内空間を演出した。なお継続設定されるサイドアクセス車は先代と異なり助手席の背後の座席が使用不可となる[4]ため、乗車定員は3名となる。

1.3L車は実用性が高い1NR-FE型に置換。1.5L車は継続採用となった1NZ-FE型に改良を加えた。さらに、全車トランスミッションを「Super CVT-i」に置換したことで滑らかな走りと低燃費を両立。併せて、アイドリングストップ機能「Toyota Stop & Start System」を「1.3X」に標準装備、1.5L・2WD車にメーカーオプション設定した。これにより、1.5L・2WDのアイドリングストップ機能搭載車は「平成27年度燃費基準+10%」を、「1.3X」および1.5L・2WD車は「平成27年度燃費基準」をそれぞれ達成した。

ボディカラーは新色のエアグリーンパールクリスタルシャイン(オプションカラー)とクリームベージュの2色を含む8色を設定し、プラムとフロマージュの2色のインテリアカラーと自由に組み合わせることができる[5]

グレード体系は刷新され、1.3L車は「V」と「X」の2グレードに(「V」は同年10月より生産開始)、1.5L車はシートタイプが異なる「X(セパレートシート)」・「Y(ベンチシート)」・「F(セパレートシート+撥水タイプシート表皮)」・「G(セパレートシート+運転席快適温熱シート)」の4グレードとなった。さらに、「V」を除く全グレードにおいてはこだわりに合わせてアップグレードできる6種類[6]の「セレクトパッケージ」を用意した。ちなみに先代モデルと異なりタコメーターは全車未装備[7]となっている。なお、今回のフルモデルチェンジに合わせ、カローラ店ネッツ店向けに、姉妹車となるスペイドが発売された。

  • 2012年7月23日 - フルモデルチェンジを行い、同日より販売開始。月間販売目標は4,000台。
  • 2014年5月8日 - 「F」をベースに、「スマートエントリーパッケージ」と「スーパーUVカットパッケージ」の装備品に加え、専用アナログ式センターメーター(メーター照度コントロール機能付)、めっき加飾(バックドアガーニッシュ、アウトサイドドアハンドル、インサイドドアハンドル、シフトレバーベゼル)を特別装備するとともに、フロントドアガラスにIR(赤外線)カット機能を、ドアミラーにオート格納機能を追加。さらに、特別設定色の「スーパーブライトイエロー」を含む4色のボディカラーに合わせてアクセントカラーを加飾したラジエーターグリル&ドアミラー(シルバー塗装又はブラウン塗装)とレジスターリング(サテン調又はブラウン塗装)を採用したことで「スタイリッシュ」と「かわいい」の2つの個性を付与した特別仕様車「F"a la mode"」を発売[8]

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車名の由来

ポルテとは、フランス語で扉の意味。ただし綴り字読み (porte) であり、フランス語での発音はポルト(eは無音)が近い。フランス語でポルテと発音する場合、portée(射程距離)やporter(持っていく)などがある。ちなみに、同じポルテでもマセラティ・クアトロポルテのポルテはイタリア語の扉または門を意味する「porta」の複数形。

販売チャンネル

ポケモンカー

本車種の初代モデルは『ポケットモンスター』に登場するポケモンをモチーフとしたポケモンカーのうち、プラスルカー・マイナンカー・ナエトルカー・3代目ピカチュウカー・ミジュマルカーのベース車になっている。

プラスルカー・マイナンカー
プラスルカーとマイナンカーはそれぞれプラスルマイナンをモチーフとした改造車2004年トミカで発売されている。
ナエトルカー
2007年には、本車種をベースにしたナエトルカーがラクティスをベースにしたポッチャマカー・ヒコザルカーとともに登場した。制作過程が同年4月22日の『ポケモン☆サンデー』内で放送された。
3代目ピカチュウカー・ミジュマルカー
2012年には、本車種ベースの3代目ピカチュウカーとミジュマルカーが登場した。2012年7月22日分放送の『ポケモンスマッシュ!』で同時にトミカの製品化も発表され、9月に発売された。

関連項目

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

外部リンク

テンプレート:Sister

テンプレート:Car-stub テンプレート:トヨタ車種年表 テンプレート:Channel Toyota Timeline テンプレート:Toyopet Timeline

テンプレート:自動車
  1. トヨタ東日本、小型車「ポルテ」全量生産 ダイハツから移管日本経済新聞2012年7月23日(2012年7月25日 閲覧)
  2. 165/70R14 81Sラジアルタイヤ
  3. 15インチタイヤ(175/65R15 84Sラジアルタイヤ)&ホイール装着車は5.0m
  4. 当該座席には固定式のトレイが置かれ、シートベルト・ヘッドレストは撤去される。
  5. 「V」はボディカラーがホワイトパールクリスタルシャイン(オプションカラー)・シルバーメタリック・ブラックマイカ・エアグリーンパールクリスタルシャイン(オプションカラー)の4色となり、インテリアカラーはプラムのみとなる。
  6. 「G」は「ナノイー」パッケージとスーパーUVカットパッケージが標準装備されるため、「セレクトパッケージ」は4種類から選択できる
  7. また、姉妹車のスペイドも同様にタコメーターは全車未装備となっている。
  8. TOYOTA、ポルテの特別仕様車を発売 - トヨタ自動車 ニュースリリース 2014年5月8日