ディレクトリ
ディレクトリ (directory) は、コンピュータの記憶メディア(ハードディスクなどファイルシステム)のファイルを整理・管理するための、階層構造(ツリー構造)を持つグループ名。初心者向けの解説書などではファイルの入れ物などと表現されることもある。
概要
ディレクトリは主に UNIX 系の OS や MS-DOS、3.1 以前の Windows で使われる語で、95 以降の Windows や Mac OS ではフォルダと表現される(GUI化により解りやすくする為)。
UNIX 系の OS では最上位 (root) を根(ルートディレクトリ)とし、他のパーティションは設定したマウントポイントを基準点としてツリーを構成する。これに対し、DOS 系や Windows 系、Mac OS ではディスクまたはパーティションごとにツリーが構成されるが、その場合も各ツリーの最上位をルートディレクトリと呼ぶことがある。
ファイルはルートディレクトリからのパス名で識別される。これを絶対パスやフルパスと呼ぶ。これに対して、あるディレクトリからの相対的なパス(相対パス)でファイルを識別することもできる。このときのディレクトリをカレントディレクトリあるいはワーキングディレクトリと呼ぶ。
ディレクトリ名やファイル名は分離符により区切られ、UNIX 系の OS や Mac OS では /
、Windows では \
が用いられる(ただし、\
記号は日本語環境では半角の円マークに置き換わる)。UNIX や MS-DOS では、カレントディレクトリを cd
コマンドあるいは chdir
コマンドで変更することができる。ディレクトリ内容の検索には ls
コマンドあるいは dir
コマンドを使用する。
ユーザーがシステムにログインしたときのカレントディレクトリをホームディレクトリと呼び、その配下にユーザー個人のファイルを置くことが多い。
MS-DOS 系の基本ソフトに対応したディレクトリ内の改変を容易に行うために、バイナリエディタ付ファイル管理プログラム(エコロジーIII/マイクロ・データ等)も存在した。
GNU/Linux にはディレクトリ構造を統一されるために FHS (Filesystem Hierarchy Standard) が規格された。
FHS は、Linux システムにおける、ファイルの役割とそのファイルが存在すべきディレクトリの位置を対応させる規格であり、 ディレクトリ構成を示したファイルの標準化仕様書になる。
ディレクトリの例
- Unix系OS
- / (ルートディレクトリ)
- /bin
- /etc
- /mnt
- /mnt/cdrom
- /mnt/fdd
- /usr
他
- Linux系OS
- / (ルートディレクトリ)
- /bin 基本コマンド、一般作業用プログラム
- /sbin システム管理用コマンドなど
- /boot 起動に必要なファイル
- /dev デバイスファイル(周辺機器等の認識用プログラム)
- /etc プログラムの設定ファイル
- /home ユーザーのホームディレクトリ
- /lib プログラムの共有ライブラリ
- /mnt 一時的なリムーバブルメディア等のマウントポイント(USB メモリ、SD カードなど)
- /media 常用リムーバブルメディアのマウントポイント(外部記憶装置等を認識させる。CDROM、フロッピードライブなど)
- /opt 追加アプリケーション
- /proc プロセス情報など
- /root root 用(管理者)のホームディレクトリ
- /srv HTTP/FTP などのサービス用のデータ
- /tmp 一時的に使用するファイルを保管
- /usr ユーザーが共有する各種プログラムなど
- /var 変更、更新されるデータ
他
- Windows(Windows XPの例)
- C:\ (ルートディレクトリ)
- C:\Documents and Settings\
- C:\Program Files\
- C:\Windows\
- D:\ (ルートディレクトリ)
他
符号位置
GUIで表現されるディレクトリ(フォルダ)のアイコンは、絵文字としてUnicode 6.0 から収録されている。
記号 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 名称
テンプレート:CharCode テンプレート:CharCode テンプレート:CharCode テンプレート:CharCode テンプレート:CharCode |
---|