チカモリ遺跡

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チカモリ遺跡公園の環状木柱列復元模型

チカモリ遺跡(ちかもりいせき)は、石川県金沢市新保本町に所在する縄文時代後期から晩期の遺跡である。1987年2月23日に国の史跡に指定された。

概要

本遺跡は犀川の造り出した扇状地にあり、地下水が豊富にあるため木製品や植物製品が残されていた。1954年から数回にわたり発掘調査が行われたが1980年の調査の際に掘立柱環状木柱列(ウッドサークル)が発見された。その後の調査で、直径30から85センチメートルの巨木柱の下部部分(柱根)が総計347点も発見され、円を描くように配置されている。それら木柱の多くは縦に半分に割られ、断面がカマボコ形になっているものやU字形になっている。加工されていないものは少ない。堅いクリ材であり、運搬に便利なように半截してあり、目途孔を開けている。

これら木柱のうち直径50センチ以上の23本の巨大な木柱は、集落の中央広場付近に8〜10本が組みになって、直径6〜8メートルの円形に規則正しく並べて立てられ、出入り口が付いている。 円形遺構、正方形遺構、長方形遺構の三タイプに分けられる。これらのタイプが近接したり、重複したりしている。柱根だけが残っているので本来の長さは分からないし、どのような建築物であったかも分からない。しかし、柱の太さからいって普通の住居ではなかったことは推測できる。

これら、木柱根の出土が縄文時代の遺跡の中で極めて多く巨木文化の存在が考えられる。祭祀施設と想定されている。

展示施設

史跡公園として整備されており、木柱が復元されている。公園の横には附属資料館として金沢市埋蔵文化財収蔵庫があり、出土品が展示されている。

金沢市埋蔵文化財収蔵庫

  • 開館時間:午前9時30分〜午後4時30分
  • 休館日:火曜日
  • 料金:無料

所在地・アクセス

  • 石川県金沢市新保本5丁目([[[:テンプレート:座標URL]]36_33_22.1_N_136_36_16.8_E_region:JP-17_scale:5000 北緯36度33分22.1秒東経136度36分16.8秒]
  • 北鉄バス『新保本』バス停下車徒歩10分

環状木柱列

環状木柱列は北陸地方を中心に全国で10数カ所見つかっており、同じ石川県の真脇遺跡でも発見されている。富山県の桜町遺跡も著名である。

関連項目

外部リンク