ダリオ・アルジェント
テンプレート:出典の明記 テンプレート:ActorActress ダリオ・アルジェント(テンプレート:It, 1940年9月7日 - )は、数多くのホラー映画を手がけている映画監督、映画プロデューサー、脚本家である。イタリア、ローマ生まれ。
略歴
祖父は映画配給業者、父は映画プロデューサー、母親はカメラマンという環境で育ち、幼少時から映画に親しんできたため、映画に関わる生業に就くのは必然だったともいえる。 ダリオは、まず映画評論家からスタートした。映画評を新聞や雑誌に寄稿、ローマの日刊紙「パエーゼ・セーラ」の映画批評を担当した。
その後、1967年にベルナルド・ベルトルッチと共同でセルジオ・レオーネ監督の『ウエスタン』の原案を書く。それを皮切りに、マカロニ・ウェスタン、アクション作品など、様々なジャンルの脚本をこなし、娯楽映画の脚本家として名をなすことになる。脚本家の時代を経て、1969年にサイコスリラー『歓びの毒牙』で映画監督デビューを飾り、興行的成功をおさめる。以来、一貫して同様のジャンルの作品を監督し、当時はイタリアのヒッチコックとも呼ばれた。
アルジェントとしては珍しい歴史ドラマ『ビッグ・ファイブ・デイ』を撮ったあと、1975年の『サスペリアPART2』でシッチェス国際恐怖映画祭のグランプリを受賞。1977年の『サスペリア』で超自然的なテーマの作品にも進出、続く『インフェルノ』の2作で独自の世界を構築する。『サスペリア』の成功を経て、プロデューサーとしての活動も開始。ジョージ・A・ロメロ監督の『ゾンビ』の制作費を集め、ヨーロッパでの配給権を得た。
『シャドー』では本格的な推理劇、ヒロインにジェニファー・コネリーを起用した『フェノミナ』では華麗なホラー、『オペラ座/血の喝采』ではオペラを題材に、重厚な映像を創造した。ジョージ・A・ロメロと再び組んだ『マスターズ・オブ・ホラー/悪夢の狂宴』ではエドガー・アラン・ポーの『黒猫』を大胆に脚色、アメリカで撮った『トラウマ/鮮血の叫び』では娘のアーシア・アルジェントをヒロインに起用した。引き続きアーシア主演の『スタンダール・シンドローム』と『オペラ座の怪人』でも新しい分野にチャレンジ。『スリープレス』では初期の作風である推理ものへの回帰を試みている。
作品としては推理劇形式のもの(いわゆるジャーロ)が多いが、細かいトリックやシナリオの緻密な構成よりは、鮮やかな色彩やショック描写に重きをおく。日本で彼の名を一躍高めた『サスペリア』は同年代の『エクソシスト』や『オーメン』ら70年代オカルトホラーのなかでも独特のジャンルを築いた。
1994年、第2回モントリオール国際ファンタスティック映画祭で生涯業績賞を受賞。1999年のシッチェス・カタロニア国際映画祭では名誉賞を受けている。
私生活
女優・脚本家のダリア・ニコロディとパートナー関係となり、2人の娘アーシア・アルジェントは女優として活動している。それ以前の68年にもスクリプト・スーパーバイザーのマリサ・カサーレと結婚し72年に離婚。カサーレとの間には70年に生まれたアーシアの異母姉に当たるフィオーレ・アルジェントがいる。
フィルモグラフィ
監督作品リスト
- 『歓びの毒牙』 L'uccello dalle piume di cristallo (1970)
- 『わたしは目撃者』 Il gatto a nove code (1971)
- 『4匹の蝿』 4 mosche di velluto grigio (1971)
- 『ビッグ・ファイブ・デイ』 Le cinque giornate (1973)
- 『サスペリアPART2/紅い深淵』 Profondo Rosso (1975)
- 『サスペリア』 Suspiria (1977)
- 『インフェルノ』 Inferno (1980)
- 『シャドー』 Tenebre (1982)
- 『フェノミナ』 Phenomena (1985)
- 『オペラ座/血の喝采』 Opera (1987)
- 『マスターズ・オブ・ホラー/悪夢の狂宴』 Two Evil Eyes (1990、オムニバス映画)
- 第2話 「黒猫」 "Due occhi diabolici"
- 『トラウマ/鮮血の叫び』 Trauma (1993)
- 『スタンダール・シンドローム』 The Stendhal Syndrome (1996)
- 『オペラ座の怪人』 Il fantasma dell'opera (1998)
- 『スリープレス』 Non ho sonno (2001)
- 『デス・サイト』 Il cartaio (2004)
- 『DO YOU LIKE HITCHCOOK? ドゥー・ユー・ライク・ヒッチコック?』 Ti piace Hitchcock? (2005、テレビ映画)
- 『マスターズ・オブ・ホラー』 Masters of Horror (テレビ映画)
- 「愛しのジェニファー」 "Jenifer" (2005)
- 「愛と欲望の毛皮」 "Pelts" (2006)
- 『サスペリア・テルザ 最後の魔女』 La terza madre (2007)
- 『ジャーロ』 Giallo (2009)
- 『ダリオ・アルジェントのドラキュラ』 Dracula 3D (2012)
製作
- 『ゾンビ』 Dawn of the Dead (1978) - ジョージ・A・ロメロ監督作品
- 『デモンズ』 Dèmoni (1985) - ランベルト・バーバ監督作品
- 『デモンズ2』 Dèmoni 2: L'incubo ritorna (1986) - ランベルト・バーバ監督作品
- 『デモンズ3』 La chiesa (1989) - ミケーレ・ソアビ監督作品
- 『デモンズ4』 La setta (1990) - ミケーレ・ソアビ監督作品
- 『肉の鑞人形』 The Wax Mask (1997) - セルジオ・スティバレッティ監督作品
- 『スカーレット・ディーバ』 Scarlet Diva (2000) - アーシア・アルジェント監督作品
参考文献
矢澤利弘『ダリオ・アルジェント 恐怖の幾何学』(ABC出版、2007年3月、ISBN 978-4-900387-98-0)