ダチア (自動車)
ダチア (Dacia) はルノーグループのルーマニアの自動車メーカー。社名の由来はルーマニアの旧称「ダキア」から。
目次
概略
設立
1966年に『UAP』の社名で設立し、翌年ルノー8を「ダチア1100」という名称でノックダウン生産した。1969年、ルノー12を「ダチア1300」としてノックダウン生産し1972年から国産化された。ボディスタイルは当初は4ドアセダンのみだったが、後にステーションワゴン、5ドアハッチバックを追加、また試作車に終わったものの、2ドアクーペ「ブラショビア」までも発表されている。さらには1980年代初めに、5ドアハッチバックの上級モデル、ルノー20も「ダチア2000」として製造され、主に官公庁やルーマニア共産党の上級職員に愛用されていた。
独立からルノー回帰
1980年代中盤、ダチアは一旦ルノーと離れ、独自のモデルを開発していく。まず排気量500ccのミニカー「Lăstun (ダチア500。ルーマニア語で『つばめ』。)」が1989年まで生産されていた。その後1994年から5ドアセダンの「ノヴァ」を製造。このノヴァは500の直後に開発されるはずが、ルーマニア革命前後の混乱の影響で生産が遅れをきたしていた。ダチアの業績は悪化し、ついに1999年にはルノーが株式の過半数を取得して傘下に収め、ルノーの元で経営再建を図ることとなった。ノヴァは2000年にルノー・クリオのエンジンを与えられて「スーパーノヴァ」となり、さらに2003年にはフェイスリフトが行われて「ソレンザ」と改名した。
ロガン登場
2004年にはニューモデル「ロガン」を発表した。既存ルノー各車のコンポーネントを巧みに組み合わせ、6000ユーロ(安全装備を含まない東欧仕様の価格。西欧仕様は7500ユーロから)という驚異的な低価格でまず4ドアセダンから発売した。現在、ルーマニアを含む東欧諸国や、フランス(タヒチやニューカレドニアなどの海外県も含む)、ドイツ、スペインなどの西欧諸国へ輸出されている他、ロシア、コロンビア、モロッコ、インドで現地生産されており、近年中にイラン、中華人民共和国、マレーシアでも行われる予定である。また、2006年10月にはステーションワゴン(ロガンMCV)、2007年1月にはバン、2008年3月にはピックアップがラインナップに加わった。
車種拡充
さらに2008年にはハッチバックのサンデロが、2009年末にはクロスオーバーSUVのダスターがそれぞれ発表された。いずれもロガンのプラットフォームをベースに開発された。ダスターはフランスなどで高い人気を誇り、一部でバックオーダーとなった。
ネット販売開始
2011年9月15日からイタリアにおいてダチア車のオンライン販売を開始。車種、グレード、塗装色、オプション、担当ディーラーなどを選択し、保証金を支払い最短15クリックで自動車の注文ができるというもの。以降ヨーロッパの数ヶ国で同様のシステムが導入されている。
販売地域拡大
2012年にはミニバンのロッジーおよび派生パネルバン/MPVのドッカー[1]を相次いで発表した。この2車種はモロッコ北部のタンジェに設立されたルノーの最新工場にて製造が行われる。この他、ロシア、インド、イギリス、アイルランドにも販路を広げており、右ハンドル車両の展開も増えている。
主な車種
現行生産車種
ダチアが展開されていない南米やロシアなどの地域ではルノーブランド車として販売される。
過去の生産車種
- ダチア1100 (Dacia 1100) - 1968年から1971年まで製造
- ダチア1300 (Dacia 1300) - 1969年から1983年まで製造
- ダチア500 (Lăstun) - 1989年まで製造
- ノヴァ (Nova) - 1995年から2000年まで製造
- スーパーノヴァ (SuperNova) - 2000年から2003年まで製造
- ソレンザ (Solenza) - 2003年から2005年まで製造
- ピックアップ - ダチア1300がベース。2006年12月製造終了[2]