セドナ (小惑星)

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ファイル:Sedna art.png
セドナの想像図
ファイル:Sedna Size Comparisons.jpg
セドナと他の天体との大きさの比較 (NASA / JPL-Caltech)
ファイル:Oort cloud Sedna orbit.svg
セドナの軌道 (NASA / Caltech)

テンプレート:Sister セドナ (90377 Sedna) は、将来的に準惑星冥王星型天体)に分類される可能性がある太陽系外縁天体の一つ。2003年11月14日カリフォルニア工科大学マイケル・ブラウンジェミニ天文台チャドウィック・トルヒージョイェール大学デイヴィッド・ラビノウィッツによって発見された。セドナは、太陽系の直径100km以上の知られている天体の中では太陽から最も遠くの軌道を回っている[注釈 1][注釈 2]。2014年3月に、近日点が80天文単位のテンプレート:仮リンクが発見されたと発表があるまでは最遠の天体であった[1]

基本情報

セドナは、2003年11月14日にパロマー天文台のサミュエル・オースチン望遠鏡で最初に観測された。数日の内にチリスペインアリゾナハワイの望遠鏡でも観測がなされた。スピッツァー宇宙望遠鏡でも観測を行おうとしたが検出することができなかった。

セドナの名前は、北米極北地方に住む原住民族(特にカナダイヌイット)の海の女神セドナに由来している。太陽からの光がほとんど届かず、表面温度は-240℃以下と考えられることから、厳寒の北極海の海底に住むという伝説を持つ女神セドナの名前を当てられた。軌道確定前に名称が提案されたため物議を醸したが、2004年9月、小惑星番号90377番として登録された。

なお、2004年3月16日にいくつかのマスコミが「第10番目の惑星を発見」と報道したが、当初より、大きさや周囲の天体に対する影響力からセドナが惑星として分類される可能性は低いと見られていた。

特徴

セドナの軌道は楕円形であり、近日点距離は76AU遠日点距離は約900AUと推定されている。発見時には太陽から90AUの距離であった(冥王星と太陽との距離の平均は40AU)。セドナは、11,000年以上の周期で太陽の周囲を回っている。近日点距離は2013年現在発見されている小惑星の中で一番遠く、次ぐテンプレート:Mplの52AUを引き離している。

直径は、冥王星の約43%の995km程度である。発見時は冥王星の3/4倍である1700kmと推定され、1930年の冥王星発見以降に太陽系で見つかった天体の中では、直径2,400kmのエリスが見つかるまでは最も大きかった。セドナが見つかるまで最大であった天体は直径が約1,250kmのクワオアーであった。しかしその後2012年の観測により、セドナの反射率が予想より高いことがわかり、直径は995kmと修正された[2]

発見当初、自転周期はおよそ40日と非常に長いと観測されたことから、セドナには衛星が存在し、その潮汐力によって自転が減速されたのではないかと考えられた。しかし、ハッブル宇宙望遠鏡の観測では衛星は見つからず、ある程度大きな衛星を持っている可能性は極めて低いとされた[3]。さらにその後の観測によって、実際のセドナの自転周期はこの種の天体としては典型的な10.3時間であり、当初の観測結果は誤りであることが判明した[4]。これによってセドナに巨大衛星の存在を仮定する理由は無くなった。ただし、潮汐力によって自転を減速しない程度の低質量の衛星が存在する可能性は残されている。

セドナは太陽系では火星に次ぐ赤い色をした天体である。セドナがなぜこれほど赤い色に見えるのかは分かっていない。一説によれば、太陽光よりも宇宙線の影響を受け続けた遠い小天体ではソリンのような有色物質が表面に堆積して赤みを帯びると言われている。

分類

軌道による分類
セドナは近日点が76天文単位、遠日点が約900天文単位と、近日点においてもエッジワース・カイパーベルトより外側に位置している。また、1万 - 10万天文単位に広がっていると考えられているオールトの雲とも距離が異なっている。現在は便宜的に散乱円盤天体 (SDO) に分類されることが多いが、発見者であるマイク・ブラウンは、内オールトの雲 (inner Oort Cloud) と新たに定義されるべき天体ではないか、と主張しており、他にも Extended Scattered Disc Objects (E-SDO)、Distant Detached Objects (DDO) などの分類名が提案されている。
惑星・準惑星の可能性
上記の通り発見当初は第10惑星とも報道されたセドナだが、その後これを太陽系の古典的惑星と同列に認めるような大きな動きは特に見られなかった。2006年に惑星の定義が見直されたとき冥王星は周辺の軌道に同程度の規模の天体が存在することを理由に惑星から準惑星に変更されているが、このとき準惑星と共に太陽系小天体が新たに定義されており、セドナの扱いについては特にその域を出なかった。
SDOの中にはエリスのようにその遠日点がセドナの近日点より遠いものはあるものの、エッジワース・カイパーベルトより外側のみを通る軌道には2009年現在セドナほどの規模の天体は他に見付かっていない。しかしそれがセドナ自身の重力の影響で周辺の天体が一掃された結果だとは見なされていないことになる。
それでもセドナはその重力で自身をほぼ球形に保つだけのじゅうぶんな規模が予想され、将来準惑星に分類される可能性がある準惑星の候補に数えられている。2008年には、絶対等級が +1 以下であればたとえアルベド反射率)が最大の1であったとしても直径800kmをゆうに超え、静水圧平衡を保つことは確実との見解からハウメアマケマケが準惑星と認められている。セドナはその赤い色からしてアルベドが1(太陽光をそのまま全反射)とは考えにくいが、絶対等級自体は +1.58 程度と、確実に条件を満たすには至っていない。また準惑星の定義としては、その軌道の近くに他の天体が存在していることも条件とされている。

注釈

  1. 軌道長半径がさらに長く、遠日点がセドナより遠い軌道を公転し、直径が100kmを越える可能性がある天体としては テンプレート:Mplテンプレート:Mplが見つかっている。ただし近日点はセドナのほうが遠い。
  2. ただし、2008年現在はエリスの方が遠くに位置している

出典

  1. テンプレート:Cite news
  2. 引用エラー: 無効な <ref> タグです。 「natiogeo」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません
  3. "The Missing Moon of Sedna" NASAのニュース記事(英語)
  4. "On the Rotation Period of (90377) Sedna" 論文(英語)

関連項目

外部リンク

テンプレート:冥王星型天体

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