スポットネットワーク方式
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スポットネットワーク方式(すぽっとねっとわーくほうしき)とは、複数の需要家で共用する2本以上の特別高圧フィーダーからT分岐で引き込み、受電用断路器を通して接続されたネットワーク変圧器を、ネットワークプロテクタ・プロテクタヒューズを通して、構内ネットワーク母線で並行運転させる、配電方式である。構内ネットワーク母線は、中規模の場合低圧三相4線式240/415V、大規模な場合は高圧三相3線式が用いられる。
日本では、特別高圧受電需要家が多く需要密度の高い地域で用いられている。
特徴
- 非常に信頼性が高い。
- 需要家を停電させること無く、複数の特別高圧フィーダーの内1本の点検を行うことができる。
- ネットワークプロテクタ・プロテクタヒューズなどの保安装置が高価である。
ネットワークプロテクタ
自動的に保安・投入操作を行うために、以下の機能を持つ。
- 無電圧投入特性
- ネットワーク母線が無電圧で、ネットワーク変圧器二次側が充電された場合、遮断器を自動投入する。
- 逆電力遮断特性
- ネットワーク母線からネットワーク変圧器に電力が逆流した場合、遮断器を自動遮断する。回生電力が大きい場合誤動作することがあるので対策が必要である。
- 差電圧投入特性
- ネットワーク母線とネットワーク変圧器二次側との電圧・位相を比較し、変圧器側電圧が高く位相が適正である場合、遮断器を自動投入する。
プロテクタヒューズ
構内ネットワーク母線の事故時に動作し、電力会社変電所の不必要な遮断を防止し、保護協調を行う。