シティバンク銀行

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

テンプレート:出典の明記 テンプレート:Infobox テンプレート:基礎情報 銀行 シティバンク銀行株式会社(シティバンクぎんこう、英文名称:Citibank Japan Ltd.)は、米国シティグループ傘下でシティバンク、エヌ・エイ日本法人として新たに設立され、2007年7月1日に開業(営業開始は、翌7月2日)した銀行。(本項目は日本国内に限ったリテール事業のみを説明。グループ全体に関する事業の説明・会社概要・沿革等はシティグループを参照のこと。)

概要

在日支店から譲受

2007年3月27日付で受け皿会社となるシティバンク準備株式会社を設立、7月1日付でシティバンク在日支店から譲受されるよう、金融庁に認可を求める方針であることが、4月10日に発表になった。6月20日には、外国銀行として初めて金融庁から、銀行法に基づく日本国内の銀行としての免許が交付され、7月1日に商号を現在の「シティバンク銀行株式会社」とし開業した[1][2][3]


したがって、シティバンク銀行は、外国銀行ではなく、(かつては長期信用銀行であったが普通銀行に転換した)新生銀行あおぞら銀行と現状では同一の外資系邦銀である(ただし、上記の歴史的経緯から、両者は依然として区別されることが少なくない)。

名称

銀行法の規定により、商号中に「銀行」の文字を入れなければならないため、「バンク」と「銀行」が重複している。各支店がシティバンク、エヌ・エイの在日支店であった時代には、この規定に準じるものとして、商号については外国法人ゆえに日本語の「銀行」の文字は入っていないものの、日本語で表記される看板については「シティバンク銀行」と表記していた。

預金保護について

2008年以降シティグループは赤字が続き経営が悪化しているが、シティバンク、エヌ・エイ(外国法人)の在日支店時代とは異なり、シティバンク銀行は(シティバンクグループが全額出資する)日本の会社法にもとづく株式会社(日本国の法人)であり日本の銀行法に基づく銀行であるため、他の国内銀行と同じ範囲でシティバンク銀行が経営破綻時には預金の保護が図られるようになった。代わりにシティバンク銀行は預金保険機構に預金保険料を納付する義務をおっており、かつ銀行として自己資本比率による規制や大口融資規制など国内銀行と同じ規制を受けている。

事業展開

支店の増強

開業当初は、従前からのシティバンク在日支店の受け皿銀行としてスタートし、開業後に新たに拠点を増やす方向であると同時に、金融持株会社シティグループ・ジャパン・ホールディングス株式会社(後の日興シティホールディングス)の子会社となる予定としてきた。

開業後最初の営業日となった2007年7月2日には日本法人化後初の支店として浦和支店(支店コード・047)が、続いて、7月9日に千葉支店(046)、7月19日に大阪駅前支店(049)、8月2日に芦屋支店(048)、さらに8月9日には青葉台出張所(075)と、首都圏2支店1出張所、関西2支店がたて続けに開設された。

なお本店は、シティバンク、エヌ・エイ在日統括支店であった東京支店が名称変更する形で発足し、他の支店名の変更は行われていない。

2008年1月7日には、丸ビル支店(050)を開業。富裕層向け専門支店(シティゴールドプレミアムセンター)となる。空中店舗での設置となる。

2008年1月28日より、新宿南口支店が空中店舗化した(移転当初は支店フロアのみATMを設置するが、1階へのATMは2月18日に別途設置)。

2010年4月12日より、日本橋支店(052)と東京駅前支店(053)を開設。今後2010年中に3店舗を新規設置予定。


金融庁からの行政処分

マネーロンダリングを防止するための本人確認手続や監視体制に不備があったとして、2009年6月26日に金融庁がシティバンク銀行に対して、翌月15日から1か月間、個人金融部門の販売・勧誘業務を停止する行政処分を実施した。前身のシティバンク、エヌ・エイ在日支店も2004年に金融庁から同様の理由で行政処分を受けている(ただし、処分内容は異なり、このときは、丸の内支店等の認可取消いわゆる閉鎖によるプライベートバンキング業務からの撤退であった)。

さらに、外貨預金投資信託仕組預金等リスク性商品の勧誘において、顧客が被る可能性のあるリスクについて説明がなされていない、「分配金が確実に受領できる」「長期的に保有すれば損をする可能性がほとんどない」などと不確実な事項を断定的に説明していた、目論見書を交付していなかった、などの法令違反が指摘され、金融庁は2011年12月16日、2012年1月10日から2月9日まで個人へのリスク性商品勧誘を停止する行政処分を実施した[4]

口座について

口座概念

シティバンク銀行(日本のシティバンク)の口座は、次の3種類で構成されている(実際には、ほかに、円当座預金口座や投資信託口座、本店と大阪支店とにおける法人部門の口座なども存在するが、本項では省略)。

  • 普通預金口座
  • 米ドル普通預金口座
  • マルチマネー口座(各通貨における、普通預金・定期預金などを、ひとつの口座番号で一元的に扱う口座)

したがって、日本円および米ドルの普通預金に関して言えば、普通預金口座とマルチマネー口座と2種類あることになるが、キャッシュカードがありATMで取り扱いできるのは普通預金口座だけである。

このため、多額の資金を持っている場合は、マルチマネー口座に多くを置いておけば、カードが盗難にあって、暗証番号を探られても、被害を最小限に抑えることができる(マルチマネー口座から普通預金口座への移動は、インターネットバンキング、電話による操作などが必要であり、犯罪者が実行するには余計な手間と危険を冒すことになる)。

円普通預金口座のキャッシュカードは国内外のATMで(詳細は後述)、米ドル普通預金口座のキャッシュカードは米国内のATMで利用可能となっている(米ドル普通預金口座のキャッシュカードを日本国内のATMで利用することはできない)。なお、円普通預金口座のキャッシュカードはJ-Debitサービスにも対応している。

上記3種類の口座とも振込先口座として指定することは可能(マルチマネー口座にも普通預金があるため通貨に応じて振込可能。詳細は後述。)だが、シティバンク銀行以外の日本国内の金融機関からは円普通預金口座にのみ振込可能となっている(すなわち、全国銀行データ通信システムに接続されているシティバンクの口座は円普通預金口座のみである、とも言える)。また、マルチマネー口座はシティバンク独自の口座概念で、世界中のシティバンク窓口から各種通貨を用いてマルチマネー口座あての振込・送金が可能となっている。したがって、同一通貨圏内(国内)で展開され他の金融機関で取引可能なのが普通預金口座で、シティバンク内で展開され各種通貨で取引可能なのがマルチマネー口座、である(ただし、顧客の利用目的を考慮し、シティバンク銀行においては、マルチマネー口座は資産運用用の口座である、と説明している)。

シティバンク銀行では、取引店ごとに口座番号を割り当てているのではなく、口座番号自体は日本国内のシティバンク全店共通になっていて(たとえば、円普通預金口座は最大7桁、マルチマネー口座は9で始まる8桁)、口座番号ごとに取引支店(原則、店舗統合しない限り、顧客が日本のシティバンクで最初に口座を開設した店)を割り当てている[† 1]。他行から(円普通預金口座に)振込する際には、振込先口座の支店名を指示するようになっているがシティバンク銀行側では口座番号のみで処理している(ため、支店名が相違していても口座番号さえ正確であれば振込は正常になされる)。シティバンク銀行内で振込する際には、そもそも支店名を聞かない。

したがって、シティバンク銀行では、原則的には取引店という概念は存在しないが、ただし、シティゴールド以上のランクの顧客については店舗のスタッフから専任担当者が指定されるため、これについては事実上の取引店とも言える。

預金サービス概要

いずれの口座も通帳は一切存在せずステートメント(取引明細書)が発行される。ステートメントは郵送(オーストラリアからの航空扱い)とeステートメント(Eメール配信)から選択できる。ただし、インターネット支店の円普通預金口座(商品名『eセービング』。英文表記:e-Savings)に関してはすべてeステートメントである(なお、eセービングは、インターネット支店以外の店舗で開設された円普通預金口座とは、預金利率が異なる。

通帳がないシティバンク銀行では、窓口での取引に際して、キャッシュカードが必要になる(ほかに本人確認書類とサイン(サイン(署名鑑)に代えて印鑑での取引も可能)が必要である)。円普通預金口座については「バンキングカード」と呼ばれる円普通預金口座の、米ドル普通預金口座については「外貨キャッシュカード」と呼ばれる米ドル普通預金口座のキャッシュカードを要する。キャッシュカードのないマルチマネー口座については、円普通預金口座あるいは米ドル普通預金口座いずれかのキャッシュカードで認証したうえで取引ができる。したがって、シティバンクにおいて、マルチマネー口座単独での口座開設はありえない。必ず、なんらかの通貨の普通預金口座が開設されていることが前提である(日本のシティバンクでは、上記のとおり、円普通預金口座および米ドル普通預金口座の計2通貨が開設可能)。マルチマネー口座では、日本円・米ドルに限らず、さまざまな通貨での取引が可能である。

キャッシュカードは、従来からの磁気ストライプ型のほか、2008年12月1日以降は磁気ストライプ付き接触型ICキャッシュカードも加わった[† 2]。キャッシュカードの発行は支店窓口でも行われており、支店窓口での発行手続きであれば即日受け取ることができる。インターネットや電話での手続きであれば本人限定受取郵便での発送となる。

入出金関連

円普通預金口座のキャッシュカードを用いた日本国内ATMでの現金取引は、「リミットコントロール」としてあらかじめ設定した1日あたりの利用限度額の範囲内(例:シティバンク銀行ATMでの出金については、最高300万円まで1万円単位で設定可能で、初期設定は50万円)において可能で、シティバンク銀行のATMであれば入出金が(紙幣のみ対応、24時間365日無料)、他の提携先金融機関のATM[† 3]では出金が(セブン銀行およびゆうちょ銀行では出金に加え入金も)可能である。シティバンク銀行以外のATMでの入出金ではATM利用手数料が差し引かれる(ただし、所定の条件[† 4]を満たし、さらに、セブン銀行ゆうちょ銀行以外のATMで出金した場合には当該出金後残高が5,000円以上あるときには、入出金あわせて月間一定回数まで[† 4]は当日付で夜間に返金される)。

なお、円普通預金口座で硬貨を伴う入出金は、平日9:00から15:00までの窓口での対応に限られる。ただし、シティバンク銀行ATMからシティバンクの口座への現金振込には硬貨が使用可能であるうえ振込手数料はかからないため、自分の口座を振込先口座としてこの方法を用いれば、その効果の点では、入金と同等にはなる。

窓口営業日の21:00~21:30以降の取引ならびに窓口営業日以外の日(土日祝日)の取引(いずれも日本時間)に関してはすべて、残高計算上は翌窓口営業日付で処理される。ATMでの残高照会では取引後のものが即時反映されるが、翌窓口営業日付の取引として残高計算される(提携金融機関ATMでの入出金手数料返金対象となる取引の当日付夜間返金処理もこの日付にてなされる)。インターネット「シティバンク オンライン」「シティバンク モバイル」や電話「シティホン バンキング」においては、窓口営業日の4:50から16:50までを除くすべての時間帯は更新手続きが一切なされないため、取引については次の窓口営業日の予約扱いとなっている。定期預金の預入期間応当日が窓口営業日以外の日の場合は、その直前の窓口営業日が満期日となり、その満期日までの日数で利息計算される。

普通預金の利息決算

普通預金の利息決算は、円普通預金口座・米ドル普通預金口座については毎月末日に、マルチマネー口座の普通預金については毎日(ただし日本円のみは毎月月末に)行われる。一利息決算期間内(たとえば円普通預金口座の場合は月間)に利率が変動した場合には、利率ごとに利息額を算出し1円未満を切り捨てた額の合計が利息となり、この額に対して課税対象者については課税がなされる。

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ

注釈

テンプレート:Reflist

出典

テンプレート:Reflist

関連項目

外部リンク

テンプレート:銀行
  1. テンプレート:PDFlink
  2. 事業の譲渡に関する公告
  3. シティバンク、エヌ・エイ在日支店からシティバンク銀行株式会社への事業譲渡について
  4. シティバンク銀行株式会社に対する行政処分について


引用エラー: 「†」という名前のグループの <ref> タグがありますが、対応する <references group="†"/> タグが見つからない、または閉じる </ref> タグがありません