コルラ市
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コルラ市(-し)は中華人民共和国新疆ウイグル自治区バインゴリン・モンゴル自治州に位置する県級市。同地区の首府の所在地。
古来よりシルクロードのオアシス都市として栄えたが、近年はタリム油田の開発基地として発展している。
人口のうち漢族が約70%を占める。市名はウイグル語で「眺め」を意味する。香梨を盛産するので、梨城の名もある。
地理
タリム盆地の東北縁辺に位置し、南はタクラマカン砂漠である。域内を孔雀河が流れる。
歴史
古代西域36国の一である渠犁国で、漢代には西域都護府に属した。北魏時代には柳驢城と呼ばれ、 その後突厥の支配下に入ったが、648年唐に占領され、焉耆都督府の属地となった。 その後しばしば吐蕃に占領され、840年ウイグルが西遷してこの地に定住した。 さらに西遼、チャガタイ・ハン国、ジュンガル王国などに属し、1758年に清朝の新疆となった。
1939年コルラ県が成立し、新中国成立後、1960年にバインゴリン・モンゴル自治州政府の所在地となった。
1979年コルラ市が設置され、1984年コルラ市、コルラ県が合併した。
行政区画
コルラ市は傘下の3鎮、9郷、5街道、その他から構成されている。
- 鎮:塔什店鎮、上戸鎮、西尼爾鎮
- 郷:鉄克其郷、恰爾巴格郷、英下郷、蘭干郷、和什力克郷、哈拉玉宮郷、阿瓦提郷、托布力其郷、普恵郷
- 街道:団結街道、薩依巴格街道、天山街道、新城街道、建設街道
- 類似郷級行政単位:庫爾楚園芸場、包頭湖農場、普恵農場、巴州阿瓦提農場、巴州沙依東園芸場、巴州奶牛場、普恵牧場、経済牧場、良種場、兵団二十九団、農二師三十団
経済
タリム盆地は全中国の四大天然ガス田、六大油田に数えられるタリム油田を有する。コルラはこれら天然資源開発基地であり、また石油天然ガス関連の産業が勃興している。「新疆のサウジアラビア」を目指して開発が猛スピードで進んでおり、南疆鉄道開通以後はその開発に拍車がかかっている。1999年の南疆鉄道のカシュガル延伸とともに折からの西部大開発により、近代都市として発展する一方、漢民族の大量流入が問題となっている。