コモンズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2014年2月11日 (火) 23:49時点における田無稲子 (トーク)による版
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
移動先: 案内検索

テンプレート:WikipediaPage

テンプレート:Ambox コモンズ(Commons)とは、日本語でいう入会(いりあい)の英訳。ドイツ語では Allmende。ただし、日本の入会地は、ほとんどが入会団体などの特定集団によって所有・管理されているため、誰の所有にも属さない放牧地(草原を広範囲に移動する遊牧民でも自由に利用できる放牧地)などを意味する「コモンズ」とはニュアンスが異なる。

日本国の法制度における入会の取り扱いは入会権を参照。 前近代の遺制であるが、法制度上も実際にも存続している。入会権が民事調停によって消滅すること、財産処分に関する代表者が土地を売却したときは入会権は消滅し、売却代金を横領した代表者に対する損害賠償請求ができるにとどまることを示した実例として、「小繋事件」がある。また、地元の「岩手入会・コモンズの会」(会長:岩手大学前学長海妻矩彦)などにより研究が進められている。

コモンズについては古くから研究の蓄積があるが、近年、早稲田大学COEプログラムで研究がなされている(コモンズ・所有・新しい社会システムの可能性 : 小繋事件が問いかけるもの)。また、NPOメディア・ネットワークは、コモンズを「コミュニティ・コモン」(コモンズの単数形)と表現し、21世紀型の“ムラ社会”を提案している。同様の試みとして、他に萬羽敏郎「21世紀の入会地(いりあいち)=コモンズによる郊外再生」(2001年日本委員会編『人口減少社会』)がある。

入会(いりあい)という意味で使用されている例

その他の例

参考図書

  • 熊本一規『公共事業はどこが間違っているのか?―コモンズ行動学入門/早わかり「入会権・漁業権・水利権」』 ISBN 978-4944114047
  • 中尾英俊『村からのたより』『入会権の判例総合解説』、『戦後入会判決集』全3巻、『入会裁判の実証的研究』
  • 北條浩『入会の法社会学』 上下
  • 忍草母の会事務局『北富士入会の闘い』 ISBN 4-275-00289-X
  • 三俣学・室田武ほか『コモンズ研究のフロンティア』 ISBN 978-4130460958
  • 室田武・三俣学『入会林野とコモンズ』ISBN 978-4535553354
  • 菅豊『川は誰のものか-人と環境の民俗学』ISBN 464205605X

関連項目

外部リンク