コマ (映画・漫画)
テンプレート:出典の明記 コマ(齣)は、漫画、写真フィルム、映画フィルムで、1枚の絵が記録されている区画。
漢字としての原義は、演劇・語りなどの一場面・一区切り。音は「セキ」で、「ク」は誤読である。日本語の「こま」の語源は「小間」とされる。
「コマ(齣)」の原義は演劇用語であるが、新宿コマ劇場の「コマ」は「齣」ではなく「独楽」である。
漫画のコマ
テンプレート:Sidebar with collapsible lists 漫画において時間の中のある1時点として表現された1枚の絵をコマという。多くは四角(正方形や長方形とは限らない)の枠線で囲まれていて、これを連続させて時間の流れを表現する。
一般的に1ページに3~15コマで表現するのがちょうど良いとされている。必要に応じて、2ページにまたいでコマを書くこともある。最高に強調する場面や物語の締め等の重要な場面での演出として、1ページ、または見開き2ページをまるごと1コマに使用することもある。
回想シーンなどの部分の枠線の角を丸くしたり、線の濃さや枠線の間隔を薄くしたり、枠線の外部を黒で塗り潰したり、コマの中に小さなコマを書いたりして、ストーリー上で現在流れている時間のコマと区別したりすることもある。演出上枠線を描かなかったり人物を強調させるなどの理由で人物がコマからはみ出ていたりすることもある。
人物が「複数のコマをまたいで」大きく描かれることもある。この手法は、ぶちぬきと呼ばれる。 また、コマの境目の余白部分を物質化し、壁や柱として扱わせる手法もある。
フィルムのコマ
写真フィルムや映画フィルムで、1枚の映像を記録する区画をコマという。映画のコマは、英語ではフレーム (frame) または、テレビのフレームと区別したいときはフィルムフレーム (film frame) という。
映画フィルムでは、1秒あたりサイレント時代は16コマ、トーキーでは24コマが使われる。ただし、ごく初期の映画には、さまざまなコマ数のものがあった。実験的な映画の中には、60コマを使うものなどもある。
アニメのコマ
アニメーションは、多くのテレビ番組がビデオ撮影されるようになってからも、長く映画フィルムを使っており、1秒24コマで撮影されていた。ただし、日本では、実際に描かれる絵の枚数は動きのあるシーンであっても1秒8~12枚で、1枚の絵を2~3コマ撮影して1秒24コマにしていた。ディズニーアニメなどは実際に1秒に24枚の絵が描かれている。
現在のアニメ制作はデジタル化されているが、フィルム時代と同様、1秒24コマで「撮影」(実際に撮影するわけではないが用語は残っている)され60フィールドにテレシネされる。ただし、特殊効果や一部のCGはテレシネ後にフレームまたはフィールド単位で加えるため、必ずしも絵の全てがコマを単位としているわけではない。
なお、アニメ制作の現場では、コマを記号「K」で略記することがある。
フレーム
テレビ以降の動画技術では、英単語frameをそのままカタカナにして「フレーム」という語を使い(電子技術用語以外ではたとえばテレビアニメなど「コマ」の語が使われている)一般にコマとは呼んでいない。アナログテレビ放送のNTSCなどでは、インターレースを使っているため、フレームは、櫛の歯状に分割された複数の「フィールド」からなる。情報量的には半分になっているわけだが、画面全体の情報があるため、フィールドもコマのようなものではある。
アナログテレビ放送は、アメリカ、またその仕様にならった日本などでは毎秒30フレーム60フィールド、欧州などでは毎秒25フレーム50フィールドでおこなわれた。VTRの導入以前は、生放送番組以外は映画用カメラで毎秒24コマでフィルムに撮影され、放送時に変換(テレシネ)していた。現在ではテレビ番組の製作でフィルム撮影が使われることはまれで(テレビ映画などを参照。画像処理でフィルム調の画が作れるようになったこともあり、日本の連続ドラマでは炎神戦隊ゴーオンジャーが最後、残ったサザエさん本編も2013年9月29日を最後にセル画からデジタルに移行し、レギュラー放映される番組で銀塩写真フィルムが使われている番組は消滅した。)、番組は最初からテレビ仕様に合わせてビデオ撮影される。