コハク酸
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コハク酸(琥珀酸、コハクさん、succinic acid)はカルボン酸の一種。はじめコハクの乾留により見つかったためにこの名がついた。英名のsuccinic acidはラテン語のsuccinum(コハク)に由来する。
沿革
琥珀を破砕し、砂浴で蒸留することで得られた。外用薬としてリウマチに、内服薬として淋病に用いられていた。
現在は食品産業で用いられる。全生産量は16,000-30,000tと推定されており、年10%ずつ増加している[1]。
生化学・化学
クエン酸回路を構成する化合物のひとつで、コハク酸デヒドロゲナーゼによって酸化されフマル酸となる。このときに使われる補酵素はFAD。
- コハク酸 + FAD → フマル酸 + FADH2
コハク酸のジエチルエステルはシュトッベ縮合の基質となる。
用途
貝類に含まれるうま味物質である。うま味を感じさせる作用は、コハク酸ナトリウムの方が高い。医薬品の賦形剤としてpH調整に[2]、調味料として食品に用いられる他、メッキなどの工業用にも用いられる。また炭酸ガスを発泡する入浴剤の成分でもある[3]。
アルコール発酵の副産物でもあり、ワインやビールに塩味・苦味・酸味を与える[4]。
安全性
食品添加物・サプリメントとしてFDAに認可されている[5]。
出典
- ↑ NNFCC Renewable Chemicals Factsheet: Succinic Acid
- ↑ http://drugtopics.modernmedicine.com/drugtopics/Drugtopics.com+Exclusives/Overview-of-pharmaceutical-excipients-used-in-tabl/ArticleStandard/Article/detail/561047
- ↑ テンプレート:Cite book
- ↑ Peynaud, Emile (1984) Knowing and Making Wine.
- ↑ http://www.accessdata.fda.gov/scripts/cder/iig/index.cfm